多動力→不動力→他動力

今や堀江さんの代名詞でもある“多動力”。その影響からか新しいことやらやりたいことに手を出してみる行動力のある人たちが増えてきたような印象があります。

ちょっと検索能力があれば情報を入手できる時代。いわば情報の民主化が起きている昨今なので、差が出るとしたら行動するかどうかだけ。となると多動力という能力は欠かせないものだと思ったりしています。

ただ、自分も含め世の中には多動力を都合よく捉えて「あれもしたいこれもしたい」と手を出して、結局何も身に付かずにうだつが上がらない人たちが少なからずいるのも事実です。

堀江さんと長年関わることでそういう人たちを多く見てきている自分としては、「多動力のどういうところでつまずいてしまうのかな?」なんてことを思ったりするのです。

これはあくまで仮説でしかないのですが、その原因は「ひとつのことに集中するという不動の期間がないから」なんじゃないかなと思ったりします。

不動と聞くと「多動と真逆じゃないか!」と感じるかもしれませんが、わかりやすいのは藤原和博さんの提唱する「100万分の1の人材になる方法」。ザックリ言うと3つの分野で100人に1人の人材になり、それらを掛けると100万人のうちの1人の人材になるというもの。

この法則で考えると、いろんなことをやりすぎて何一つ身につかないというのは1つの分野で1/5の人材になるような感じだと思うのですね。

そんな状態でいくつもの分野を掛け算してもそれが1/5×1/5×1/5とかになるだけで、せいぜい100人のうちの1人くらいの人材にしかなれないですし、全部中途半端なのでそれ以下の可能性すらあるのですね。

言い換えると、多動力でつまずいてしまう人たちはひとつを極めるべきところでも多動を続けてしまっている。

しかもその間にも集中している人たちがいて、気づいたら1つの分野で1万分の1 の人材になって差をつけられていることが多い気がするのです。

だからどこかのタイミングで“多動”から“不動”に変えるタイミングが必要になってくるような気がしているのですね。

この切り替えのタイミングがスゴく難しいのですが、多動力を活かしている人を見ていると「これだ!」というものを見つけたタイミングが多いような気がしています。

何も持っていないうちというのは、やりたいことがなかなか見つからなかったりします。そんなときは視野を広げるために多動力を発揮していろいろ試したほうが良いですよね。

んで、そのうち自分のやりたいことが見つかるので、そのタイミングでその分野に全力投球すると良かったりするのかなと思うのです。

ただここに多動力のトラップみたいなものがあって、多動に慣れていると他の面白いことへの誘惑があるのでどうしても集中することは難しい。

だからそこでグッと我慢してその誘惑から打ち勝つ“不動力”的なものが必要になる。藤田さんの名言に「集中するとは、他のことを断ち切ること。相応の犠牲や代償を伴うこと」というのがあるのですが、まさにコレだなと。

次に1つの分野がある程度カタチになると、今度はがんじがらめになるので新しいことを見つけたり試したりする多動の時間が足りなくなります。そこで人に任せたり人を雇ったりする“他動力”が活きてくるのかなと。

つまり「多動→不動→他動」というサイクルを続けると、いい感じに掛け算ができると思うのです。

堀江さんも初めから多動ができていたわけではなく、学生時代にインターネットを見つけて「これだ!」とひとつのことに集中していた時期があります。

んで、そういうサイクルを高速に何周も回しているからそこあれだけの行動力があると思うのですね。

まあこうやって書いている自分はつまみ食いばかりしている人間なので、いつまで経ってもレアキャラになれていないんですが……。

構成:渡辺大樹

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