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教材制作の舞台裏 ~英語課編~

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英語の学習教材の制作にまつわる話を書いています。
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#参考書

英語編集者のPC設定 ~読点かカンマか~

日本語でも読点はカンマに設定 日本語の「テン」は読点「、」。 英語の「テン」はカンマ「,」です。 でも英語教材(に限らず横書きの教材)では,日本語でも読点「、」ではなくカンマ「,」が使われていることが多いですよね。 これについては,どちらが正しいということもないみたいです。 ちなみに光村図書はHPで以下のように記載しています。 いずれにせよ,横書き(横組み)の書籍では読点の代わりにカンマが使われていることが多いです。 英語の教材でも,私たちが作っている書籍の99%

ネイティブチェック

ネイティブチェックの重要性 英語教材を作るにあたり,避けては通れない工程のひとつ。 それが,ネイティブチェックです。 ネイティブチェックとは文字通り,ネイティブの方に英文をチェックしてもらう作業です。 原稿は基本的に日本人の執筆者が書いていますので,いくら英語が堪能な執筆者とはいえ,実際にそれが現代英語において通用する"生きた英語"なのかどうかまでは,細部までチェックすることが難しい場合があります。 特に長文やリスニング会話文になると,より自然な英語が求められます。

中学の英語教材は実に緻密に作られている

私たちが作る英語の教材は,小学生向け,中学生向け,高校生向け,社会人向けなど様々です。 中でもいちばん制作に気を使うのは,中学生向けの教材。 一概には言えませんが,中学の英語教材は本当に手間ひまがかかっています。 なぜか。 それは… 単語の未習語・既習語という概念です。 教材は原則として既習語で作る 中学の教科書では,各ページの本文で初登場する語を新出語として学習しますよね。(単語テストで出題されるやつです) この新出語は学習した時点で既習語として扱われ,そこで初