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ボサノバ入門者の悩み。どのギターを買えばいいの?

結論

自分がビビッときたギターでボサりましょう。ジルベりましょう。
必要なのは愛だけ。
楽器への愛、そして、音楽への愛だけ――

話はすべて終わったのですが、フランスの文豪オノレ・ド・バルザック(1799年 - 1850年)のように、脇役まで細部を書くことにより、脇役が一時的にであれ、主役化する可能性を秘めています。その時には、作品自体の面白さが、グンとふくらんでいます。
本記事においても、上の結論が主役ですが、脇役にも登場していただくことにします。

脇役①ボサノバ用として設計されたギター

ウェブを徘徊したところ、ボサノバ用としてギターを設計製造した会社が2社見つかりました。
・日本  :ヤマハ株式会社(YAMAHA)CG-BN1
・スペイン:アントニオ・サンチェス(Antonio Sanchez)BG-1

ヤマハ「ボサノヴァ」CG-BN1

公式の製品情報をざっと読んだ感じでは、フラメンコギターの弦高をいい感じに上げただけです。

アントニオ・サンチェスBG-1

演奏性に対する工夫をもって「ボサノバに合う」と表現しています。
具体的には、弦長640mmと、ナット幅50mm。通常のクラシックギターよりも、指板面積が小さい。コードフォームや、コードチェンジを楽にしています(とはいえ、他社にも同じ設計のギターはあります)。
※全国展開している総合楽器店によると「日本限定モデル」です。スペインの公式ウェブサイトにも、コンプリートカタログにも、見あたりません。

最強のボサノバ用ギター

ヤマハは、フラメンコギターの弦高をいい感じにして「ボサノヴァ」と命名した(ジョアン・ジルベルト(1931年 - 2019年)の来日(2003年~2006年)に便乗した)。
アントニオ・サンチェスは、通常のクラシックギターの指板の面積を小さくして「ボサノバに合う」と表現した(他社にも指板の小さいギターはある。加えて、日本限定)。
会社によって、どれだけ設計が異なっていたとしても、「ボサノバに合うギター」として販売しています。

だとすれば、結局のところ、自分が「これでボサノバをする」と決めたギターが、その人にとって、一番の、最強の、ボサノバ用ギターです。

脇役②ボサノバ発祥の地、ブラジルのギター

ジ・ジョルジオ(Di Giorgio )のタヘガ(Tarrega)

ボサノバ話には諸説ありますが、ジョアン・ジルベルトと、アントニオ・カルロス・ジョビンが、ボサノバ(・ムーブメント)の重要人物です。

そのジョアン・ジルベルトは、2006年のライブ映像で、ブラジルのジ・ジョルジオ(Di Giorgio )のタヘガ(Tarrega)というギターを使っています。
このギター、演奏者の技術によるのでしょうが、太鼓のような低音と、乾いた音と言いますか、響きが少ない感じで、それでいて、豊かな音色が流れています。

ジ・ジョルジオのウェブサイトには「DI GIORGIO Violões」と書かれています。ブラジルでは、ナイロン弦ギターを、ヴィオロンと呼ぶみたいです。

ブラジルの歴史を見た感じ、ヴィオロンも、ヨーロッパのナイロン弦ギターの単なるコピー品ではなく、ブラジリダーヂ(ブラジルらしさ)を大切にし、ブラジルでしか作れない楽器に仕上げています。

ブラジル「ヴィオロン」とスペイン「ギターラ」

歌の国ブラジル産のヴィオロンと、クラシック音楽を独奏するスペイン産のギターラ。
仮に、楽器の仕組みとして、似たような構造をもっていたとしても、生みだす音楽、音色は、大きく異なっているように思います。

そんなところから、ブラジル産のギターを、私のボサノバ用ギターにしたいのですが、日本ではなかなか、納得のいく形では、手に入れることはできなさそうです。

あわてず、ゆっくり、いつか、
残りの時間を、たのしく過ごす、ヴィオロンと、出会えることを夢みて――

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