底辺マスターのルーンテラ講座 ①攻めるべきか、守るべきか、それが問題だ

・この記事はなに

レジェンド・オブ・ルーンテラにおけるゲームプレイの基礎的な理論を解説してみるシリーズ(昔DEKKIに投稿したものを復刻)

対象読者:

- ルーンテラのルールは大体把握しており、いわゆるメタデッキの中身もなんとなく知っている(知らない人はr2rさんのこの名記事を読みましょう)

- マスターでない

・お前誰

ごく平凡なマスタープレイヤー

twitter: これ

- 正式リリース時からプレイしていたはず

- 途中やってないシーズンもあったが、プレイしたシーズンでは全てでマスター到達

- 大会実績などは特になし

・英語を読む気力がある人へ

この記事ではなく、このガイド集を読んだ方がいいです

・ルーンテラクイズ

2021年の世界大会Day2、やまと選手(ドレイブンサイオン) v.s. Xeloo選手(TFGP)の試合より引用

やまと選手のデッキは↓ 

騎兵や彷徨う魂、ドレイヴンなどの強いユニットを活用して盤面を掌握し、最後は進化サイオンやファロンで殴って相手のネクサスを削り切るデッキです。

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Xeloo選手のデッキは↓

相手ネクサスにちくちくとダメージを与える手段を豊富に持っており(狙撃手、石積みヨードルや天災テノールのインパクト、昔語りのヨードルが生成するポイズンダーツ、etc...)、ガングプランクの進化カウントを進めながら効率的にネクサスを削り切るデッキです

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さて、問題のシーンはこちら

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ここで、画面下のやまと選手はどんなプレイをしたでしょうか?

ちなみに

- Xeloo選手はこのラウンド、やまと選手のぶっ飛びモンキーにダブルアップを打っておりガングプランクの進化カウントは3/5

- このパッチでは双刃の生霊がフィアサムではなくチャレンジャーを持っている点に注意

- このパッチのガングプランクは進化前5/5、進化後6/6のスタッツ


(シンキングタイム)



正解はこちら

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生霊に回転斬斧を付けてパックンチョンパー召喚→甲板員を引っ張ってネクサスに5点です。

これは「俺はお前より先にネクサスを削り切ってやるぞ」という攻めの一手です。生霊のチャレンジャー効果で甲板員を引っ張って一方的に相手ユニットを取る、という守りの択は取りませんでした。次のラウンドでチョンパーを召喚しブロッカーとして使うことも一応できたはずなので、ここでチョンパーを使い捨てる=次ラウンドの守りの手段を一つ失っていることになります。

では、なぜやまと選手は攻めの択を取ったのか?

- 相手のデッキにはツンツン棒やレイニングバレットなど体力1のユニットを取る手段が豊富にあり、生霊を4/1の状態で残すことがあまり強くない

- 相手にはこの生霊の5点アタックを防ぐ手段がない

- 相手のデッキにはネクサス回復手段がないため、このアタックによる5点+手札のミスティックショット+超エキサイティングで合計10点相手のネクサスを削れることが確定している→残りのネクサス6点を削り切れるかが問題となる

- 相手のデッキにはフィアサムブロッカーがあまりいない(昔語りヨードル・天災テノール・このパッチでは3/4だった不仲な旅人・GPのみであり、チャレンジャー持ちの生霊がいる以上GPをブロッカーとしてあまり出したくはないため実質7枚)上に相手の手札も残り三枚と少なく、7ラウンド目に生霊のチャレンジャー効果で相手のフィアサムブロッカーを引っ張りながらこちらの騎兵の4/2フィアサムアタックを通せる可能性は結構高い→これで相手のネクサスは残り2点!斧を付ければさらに+1点、命知らずのポロx2の攻撃が通ればさらに+2点、ミスティックショットや超エキサイティングを追加でデッキから引ければさらに打点が追加できる

- やまと選手のデッキにネクサス回復手段がなく、相手のデッキにはネクサスを直接削りにいく手段が豊富にあるため、あまり悠長にプレイしているとこちらのネクサス12が削り切られてしまう

- 相手はこのままだとおそらく7ラウンド目にGPを進化させることが可能であり、8ラウンド目に進化GPが殴ってきた時にこちらの対応手段がない(GPの体力は6なのでミスティックショット+超エキサイティングでは倒せず、サイオンも引けていないため体力10のサイオンでブロックに入りダメージを抑えることも不可能)→8ラウンド目に大ダメージを食らってそのままバーンスペルで倒される可能性が高い

→8ラウンド目まで試合が長引くとこちらが負ける可能性が高い!とっとと攻めないと負ける!しかも今攻めれば勝算はある!

教訓:攻め/守りの判断によって最適なプレイは大きく変わる

ちなみに実際の試合ではこのあと、

6ラウンド目、相手のアタック:

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(ミスティックショットは相手のネクサスに打つのでここで甲板員には打たない)

7ラウンド目、こちらのアタック:

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このまま相手のネクサスに6点が入り、手札のミスティックショット+超エキサイティングで残り5点も削り切りやまと選手の勝ち。流石のプレイングです。

・攻め/守りの判断でプレイはどう変わるの?

A.ケースバイケース

一般的には、

・攻めようと思ったら

- 有利なユニットのトレードをするよりも、相手のネクサスに打点を通すことを意識する

- こちらの手札や相手のデッキなどから、何ラウンド目までに勝てばいいかを判断し、どのようにプレイすればそこまでにネクサスを削り切れるかを計算する

- こちらのネクサスの体力を高く保つ必要はない ネクサスの体力をリソースとして活用する(ラボのPvEではないのでゲーム終了時にこちらのネクサスが1だろうが20だろうが関係ない)

・守ろうと思ったら

- とりあえずパスをする(お互い何もせず試合が長引けばこちらが有利になるため)

- ネクサスの体力を高めに保つ

・で、攻め/守りの判断ってどうやってするの?

A.ケースバイケース

1. デッキ相性から判断する

デッキには基本的に「理想的な展開ではこのラウンドまでに勝つ」という大体の目安があります。アグロならアタックトークン2~3回、ミッドレンジならアタックトークン3~5回、コンボ/コントロールはものによりけりですがさらに遅いのが基本でしょうか。この勝利ラウンド目安が遅い方が守り側、早い方が攻め側になることが多いです。

攻め/守り判断がトリッキーになるようなマッチアップもあり、これは経験・上手い人のデッキガイドを読む・頭の中で試合展開を予想してみる などにより知見を得ることができます。ここでは面白い例としてJasensationalさんのこの記事から該当部を丸ごと翻訳してお送りします。

ここまでのことを踏まえて、今まで学んだことを実践に移してみよう。このマッチアップは私が最近好んでプレイしているもので、かつここまで書いてきたウィンコンディションについての記述を見事に体現してくれるようなものだ。そのマッチアップとは、リヴェンスウェイン v.s. 潜伏だ。マリガンの前に最初にやることは、相手とこちらのどちらがビートダウン(攻め側)かを判断することだ。読み進める前に、以下の二つのデッキリストを見て、自分で考えてみて欲しい。
潜伏デッキリスト

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リヴェンスウェイン デッキリスト

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潜伏は毎ラウンド潜伏トリガーを発動させることでユニットを雪だるま式に成長させ、レク=サイやゼルザ=レスなどのオーバーパワーユニットで試合を畳むデッキだ。コンバット以外で相手に干渉する手段はボーンスキューアと水底の強襲くらいしか持っていない。一方のリヴェンスウェインはツンツン棒やポイズンダーツ(昔語りのヨードル)などのピング(1点ダメージ)と、魔鴉や焦土など大型ユニットを取る手段をどちらも持っている。終盤はボードで戦う相手をリヴァイアサン+スウェインによるスタンで完封することができる。直観的には、潜伏がビートダウン(攻め側)でスウェインがコントロール(守り側)のはずだよね?大間違い。
スウェイン側が実は攻めに回らなければいけないことに驚いたところで、もっと深く考えてみよう。もしスウェイン側がすごくゆっくりとプレイしてスウェイン+リヴァイアサン着地での勝ちを狙うと、大きな負け筋を一つ作ることになる。ジョールフィッシュだ。潜伏デッキは中盤にかけて1コストのユニットの攻撃力がとても高くなるので、スウェインはアタックできず肩身の狭い状況に置かれる。スウェイン側のデッキは潜伏の高コストユニット対処には優れているが、ジョールフィッシュで盤面をひっくり返されない程度に潜伏側のユニットを除去しきることは難しい。もしこちらがリヴァイアサンをプレイしてジョールフィッシュで返されこちらの盤面が吹き飛ぶと負け確定だ。もしくは、リヴァイアサンを置いたところに水底の強襲で除去されても、同じように試合を決するほどのテンポ差を付けられて負けるかもしれない。
代わりに、スウェインデッキのもう一つの勝ち筋について考えてみよう。ここでリヴェンの出番だ。リヴェンの再鍛によるクイックアタック・オーバーパワー付与で、こちらはかなり攻撃的にプレイすることができる。もしリヴェンが生き残って進化すれば、追放者の剣と欠片によって二つのユニットにクイックアタック+オーバーパワー付与をすることで潜伏に競り勝つことができることも多い。おまけにこのコンボはジョールフィッシュ着地前に実現できる。貝類学者からカードを選定するときも、手札が許すなら武力や砕けた剣の柄など攻撃的なカードを選ぶ択も取れる。これで、このシンプルな概念(訳註:攻め/守りの判断)がマリガン時からプレイに影響を与える理由が分かるだろう。スウェインやリヴァイアサンをキープする余裕はなく、マリガンではリヴェンや序盤のユニットを探すことを重視すべきだ。

2. 手札やゲームの状況から攻め/守りを判断する

上に挙げたやまと選手 v.s. Xeloo選手の試合がこれにあたります。本当にケースバイケースすぎて一般的なことを語るのは無理。相手に何をされると負けるか/こちらが何をできれば勝てるか/それぞれ何ラウンド目くらいにその動きが実現できそうか を考えるとかがいいんではないでしょうか。


・おわり

続きは気が向いたら書きます。

こういう一般的な内容を日本語で解説してる記事が見当たらなかったので書きました。他の方が書いてくれそうなら続き(ゲームプラン、マリガン、手札読み、パス、etc)は他の方に託します。たのむ

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