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世には様々な交渉術が存在しますが、個人的にはコレが一番実践的、すぐ運用できる考え方に思えます。ポイントは「ちょっとずつ進める」です。

- 備える: 精神的にゆとりを持った状態、相手への期待値を下げ、十分に準備をして交渉に臨む。落ち着いて臨めるならば、場所も時間も関係ない。

- 敬う: Human Interactionを持って、お互いに、相手の文脈、観点、相手自身について知るのが肝要。Small Talkは必須。相手に対して興味が無ければ、それは相手に伝わって裏目に出る。双方が心地よい環境を作る。

- 拙速を尊ばない: 交渉の前から、話のアジェンダを用意しておくこと。新しい情報を得るたびに、咀嚼し、理解して、交渉の進め方を整理する。トピックは簡単なもの、短期のものから取り組み、一度で解決しようとしない方が良い。裏返しで、合意できない事項は冒頭に伝えておく。さもないと、Deal Breakするか、信頼を失うか、より多くを求められる。例えば15分以内に合意形成出来ない論点は後回しにするのも有効なアプローチ。

- 慮る: イシューがあれば、常に相手の受け止め方について考える。逆に、交渉中に新情報=驚きがあったり、同じチーム内で意見の相違/矛盾等が生じる場合は、一度交渉を中断して情報を処理する。また、時間の制約に晒されるべきではない。

- 協働する: 交渉相手とは敵対的な関係を構築するべきではない。そのような場合でも相手に話をさせて、共同して何を達成できるかに集中する。チーム内に中立的な立場で考えるメンバーを配置することも有用。

- 情報開示する: 当方側からの情報の開示は、自分のGoalに近づくかを尺度として判断する。例えば交渉の最終段階でギャップが大きいようであれば、ボトムラインを開示することは適当。相手との信頼関係が不十分である場合、情報を「小出し」にしていくことは戦略的。回答することに抵抗感があるなら、それを相手に伝える。(例: "What effect do you think this might have on our discussion?")関連して、どちらが先にオファーを行うべきかは、自分の持っている情報量次第で、レンジが分からないのであればオファーを行うべきではない。さもなければ質問をすることで情報を探る。

- 極端を避ける: 極端なオファーはディールを壊すか、信頼を失わせる。これは「小出し」にしていく、という原則にも反する。逆に相手がそのようなオファーをしてきた場合は、感情的に反応するのではなく、質問で返し、"standard"を持ち出すのが適当。(例: "Do you all agree with each and every word that was just said?")

- 交渉力を制限する: 交渉に際して、Goalに近づけるという目標以上に、交渉力の差を利用し過ぎるべきではない。交渉力の弱い側も相応の「力」を持っており、裏目に出ることを自覚する。相手方からパイを奪うことよりも、パイを大きくすることを考える。

- コミットさせる: サインを得たからと言って、相手方のコミットメントを得たとは思わないこと。相手に約束を守らせるには、相手の文脈にあった強制力を働かせる仕組みが必要。時間軸の合意と、反故にした際のペナルティの設定が肝要。リスクを取った方はそれに応じたリターンを得るべきところ、相手方が「取ったと感じる」リスクの量を減らすよう注力するべきで、それには共通の課題としてリスクに取り組む。

- 次に繋げる: 交渉の終わりにはタスクの整理を行い、時間軸と誰が責任を負うか、PlanBについても明確にする。

所感: 本書中にも繰り返されている通り、Being Incrementalがキーワード。

所感②: 日本語版ありました!だがウォートン流なのか?

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