正しい夜明け/樹海の車窓から-7 #崖っぷちロックバンドHAUSNAILS
黒いファービーが、本来ならば顔があるはずの場所に埋まったそいつは、青く縁取られたビー玉のようなホログラムの瞳をぎょろッとぎらつかせ、こちらを一瞥したかと思うと、食玩を思わせる安っぽい黄色のクチバシを三回ほどカカカッと鳴らしてスックと背筋を伸ばした。さっきまでの不安定さはどこへやら、すっかり首の据わったソイツは、突然の珍客の出現に縮み上がって震える罪なきバンドマン四人を視認したかと思うと、あろうことか一目散にこっちへ走ってきたのである。
そのスピードダッシュ、二足歩行のチーター