フットボールと資本主義
今年もチャンピオンズリーグが開幕した。
普段のリーグ戦では見れない対決、欧州トップレベルの攻防、選手入場前からスタジアム全体に漂う最高峰の雰囲気。俺はこのチャンピオンズリーグにはその時代のスーパスターや戦術的なトレンドはもちろん、ヨーロッパフットボールの熱狂や夢が存分に詰まっていると思う。昔からチャンピオンズリーグのアンセムを聴くととんでもなくワクワクしたし、小学校の卒業アルバムにもチャンピオンズリーグで優勝したいと書いた。
そんなチャンピオンズリーグは今年から決勝トーナメントに進む16チームの決め方において大きくフォーマットが変わった。
従来の32チームで行われるグループリーグではなく、36の各チームが異なる8チームと戦うリーグフェーズという方式が導入された。ちなみにこれをスイス式というらしい。
個人的にこの方式が良いのかどうかは見てみないと分からない。しかし、一つだけ確かな問題がある。それは1シーズンあたりの試合数が年々増加傾向にあることだ。これは昨今のヨーロッパフットボール(特にビッグクラブ)においての重要な課題である。単純に過密日程で選手の負荷が上がり、怪我が増える。実際問題、トップレベルの選手や監督が声を上げている。
CLに限って言えば、試合数を多くすることで、ビッグマッチが増え、ファンの熱狂が多くなる。FIFAやUEFAはそれを大義名分に毎シーズンそのような改革を行おうとする。要は利益のため。資本主義の波にフットボールも飲まれている格好だ。
俺はビッグマッチは試合数が少ないから価値があると考えるタイプだから、試合数を多くしてビッグマッチを多くすれば良いというものではないと思う。例えばスペイン国内のカップ戦を増やしてエル・クラシコが増えるのは好きじゃない。そう考えると逆に魅力が減ってしまうとさえ思う。
しかしFIFAやUEFAの言い分もわからないわけでもない。
これだけ資本主義が発展してコンテンツに溢れている時代に、フットボールが廃れないように新規顧客を獲得しようとあらゆる策を講じなければならないのだろう。フットボールで生まれる収入の大部分は放映権料、チケット料であることを考えると、利益を出すために試合数を増やすのは必然なのだろう。
しかしやはりフットボールの本質はお金ではない。一番大切なのは選手だ。お金のために試合数を増やした結果、選手の怪我が増えて、魅力的試合が少なくなるのは本末転倒だ。
いきすぎた資本主義は人間の感情を殺してしまう。俺はいつまでもサッカーで熱狂していたい。
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