固定観念を壊そうとする豆柴

固定観念を取っ払ったら人生がうまくいく
既成概念をぶっ壊したら道が開ける

会社を辞めて起業した人や、意気揚々とした大学生YouTuberがよくこんなことを言っている。

正直、それは正論だと思う。
この世の中に正解や真実はないし、特に今の時代は個人によって本当に価値観が細分化されていると感じる。
そんな中で「学校に行かないといけない」「会社に入って安定した方がいい」「結婚が幸せだ」という世間的な常識が自分に合わず苦しい人は、それを壊して自分の道を探す方が得策だと思う。(もちろん常識に沿うことで何ら不満なく生きられる人はそれでいい。)
僕は現在進行形で、会社員として働くという固定観念を壊して、自分の道を生きてみたい人間の一人だ。

でも、固定観念を壊して別の行動をしたいと思っていても、実際はそれがとてつもなく難しい。ずっと常識的に生きてきた人、周りから真面目と言われている人ほどそれは難しくなる気がする。なぜなら、その常識という名の固定観念に沿うことで今までの自分が生きてこれたという実感があるからだ。また厄介なことに固定観念はリスクを犯した行動をしなくてもいい安心材料になる。冒頭に書いた、起業家やYouTuberを否定する気は全くないが、固定観念ってそんな簡単に壊せないから"固定"観念なのであって、壊せ壊せと発信しているなら、その壊し方を教えてくれと言いたくなる。

しかし、今日ふとしたことで固定観念の壊し方のヒントが分かった気がした。

今日は休みだったので、何となくカフェでコーヒーを飲もうと街を歩いていると、ペットショップのガラスケースにいる可愛い豆柴の寝顔に惹かれ、気づけばその店に入っていた。
そこには豆柴、フレンチブルドッグ、コーギー、ポメラニアンなど色んな犬がいて、僕は釘付けになっていた。友達といると何故か犬が好きであることを表に出さないから気づかないが、自分って思ってるより犬が好きなんだと思った。めちゃくちゃ癒されるしずっと見てられる。興味の幅が狭い自分にとっては結構珍しいことだ。しばらく見ていると、店員さんが近づいてきて、わかりやすく色んな犬の説明をしてくれた。犬の話をするその店員さんはとても楽しそうだった。そこで、僕は思った。「犬に囲まれながら、ペットショップで働いてみるのもありかも。」今まで微塵も考えたことはなかったが、それくらい落ち着く、良い時間だった。

会社員として働かないといけない、安定することが大学まで行かせてくれた両親への親孝行だ、という僕の頭の中で岩石のようにカチカチに凝り固まった固定観念に、可愛い豆柴の寝顔と柔らかい店員さんの笑顔によって少し"ひび"が入った気がした。起業家やYouTuberのポジティブ発信を聞いて一発で固定観念が壊れるなんてことはあり得ないけど、今日みたいに日常の中でふとした瞬間に現れる、自分は何が好きか、自分は何がやりたいのか、自分ってどういう人間なのか、という気づきが固定観念を後々破壊する"ひび"となると思った。それが積み重なって、最終的に確固たる自分の意思で固定観念を壊して新しい自分の道を進める日が来るかもしれない。

そう納得した僕は、今は固定観念に沿った日常を大切にしながら、凝り固まった固定観念を壊そうとしている"ひび"は極力見落とさないようにしようと思った。そのために今日もしっかりこのnoteを書いたのだ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?