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五十鈴を拝領に赴く男前な旅

 はじめましての人も、
 前から知ってる方も、
 ごきげんよう。

 偏光です。

 呼ばれた者しか辿り着けない、
 という言い伝えが、
 嘘か真か残されている。

(文字数:約1800文字)


  「そう言えば私(奈良県)天川村の、
   弁財天に行きたい」と、
  土曜日の寝る前にふと口にしただけなんだ。

  「じゃあ明日行こっか」
  (・ω・)

  そう二つ返事で返されるとは。
  そこそこ(・□・)遠いよ?

  「いや。
   今のふとした思いつきで、
   何も明日とは考えていなかったんだが」
  「涼しいところ行きたい」
  「今どこ行ったって暑いぞ?」
  「うちより少しはマシだと思う」

  それもそうだなと、
  翌日は朝食後に家を出て、
  下市方面から黒滝を経て、

  天川村と言っても広うござんして、
  村域の入り口から更に、
  弁財天社がある中心部まで、
  川沿いに車を走らせて、

  みっちり2時間以上は掛かって、
  着いた。

  「うん。涼しいね。うちよりは」
  「村としては異様な暑さだろうがな」
  (・ω・)(・∀・;)

  なんで天川弁財天社に行きたかったかって、
  周囲の山々は空海も修行した土地であり、
  能や舞にも深い関わりがある芸能神で、
  拝殿内には能舞台まで造られてあり、

  とりわけ天川弁財天社は、
  弁財天本来の神格である水源と同時に、
  弁、すなわち話芸の才も守護するとのことで、

  能とか舞っぽい小説を、
  書き上げて公開しちまっている身としては、
  本当の意味でのお礼参りにくらい、
  赴かねばならんだろう
  (無論参考にした土地には参拝済みだ。)、
  と思ったのと、

  この天川弁財天社でのみ使われている、
  拝殿前の鈴は、
  五十鈴いすずと呼ばれる神宝で、
  川のせせらぎのような独特の音色を放ち、

  それを形取った一般配布用の鈴も、
  この社にまで来なければ基本的には、
  拝領できないから。
  (心身に不都合等の理由があれば郵送可。)    

  最も安い根付けでも3000円しやがる。
  でも買うもん欲しいから(ノ∀<。)

  そのパッケージが見出し写真。
  (実物は映さないよ。)

  この三体に分かれつつも一体感が、
  脳内に三人住んでいる私には、
  いかにもしっくり来そうじゃないか。

  私はそもそも神社には、
  その土地と気が合うかどうか、
  用心深く調べてまず行かないんだが、

  行って参拝したからには、
  おみくじも引くよ。

  「厳しい事が書かれてますので覚悟の上で」
  と注意書きされていたので、
  ビビりながら引いたら、

  厳しいかどうか以前に、
  結構なくずし字の古文だった。
  (実物は映さないからね。)
  読めないよ どうにか読めるけど
  (;・ω・)(・∀・)2文字分からん

  ビビっていたわりに、
  大吉だしめっちゃ良い感じの内容。
  「はるばるの道を初めて来た方に」
  って書かれてあって別の意味でビビる。

  鳥居をくぐって一礼して、

  じゃ、帰ろうか
  (・ω・)Σ(○□○)なんと!

  え? これだけ?
  ホンマにここだけに、
  私を連れて行くためだけに来たの?
  他に天川で見たいとことか無いの?

  無い   ありがとうだけどマジか
  (・ω・) (○□○)

  「本気で涼しいとこ行きたかっただけ。
   あと帰りは鈴懸の道走って、
   五條の方に行きたいなって」

  なるほど
  (・□・)

  鈴懸の道は車一台すれ違うのがやっとの、
  曲がりくねったわりかし難所だが、
  ドライブ好きには頭も使う楽しいコース。

  案の定行き合った車を、
  どうやり過ごすかが大変だったし、

  お腹すいたけどドライブインいっぱい
  (・ω・) (・∀・)

  結果お昼が食べられたのは14時半だ。

  ここはチェーン店だし
  (・ω・) (○∀○#)
    (それの何が悪いねん!)
      ↑
  ブチ切れる寸前だったが、
  運転してもらっている分際では言えんわ。

  総括して男前な日帰り旅だった。

  あと拝領した五十鈴は結構音が響くので、
  外出時持ち出すものには付けられず、
  家用の日記カバーに付けて、
  一日一回は鳴らす事にしている。

  この記事も鈴の音を聞く度に、
  「書かなきゃ」と促される気がして書いた。
  今日とか仕事せなならん日やねんけど、
  呼ばれて拝領した以上は義務かな。


以上です。
ここまでを読んで下さり有難うございます。  

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