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奥井奈南さんの育児のお話を聴いて、「養育的な個人から成る小グループ」ということを考えた。

ママのハッピーも重要視している。子供を家族ではない、ご近所さんに預けている。一日、入浴から寝かしつけまでしてもらうことも。しかし、最近の人は他人に子供(一歳に満たない頃から)を預ける人が少ない。でも(奥井さんの友人にも)それをやってみたいという人がいる。

奥井さんの育児の話

先週の「JOI ITO’S PODCAST」での「お便りコーナー」の奥井奈々さんの育児の話でのこのお話に、「今の時代、とても大切なことを実践されている!」と思いました。


私が最近読んだ本に、
「養育的な個人から成る小グループ」、という社会的環境を取り戻す。
ということが書いてあました。

トニーのような研究者は、いかにこの包括的な枠組みを用いて、現代社会で行動問題に取り組んでいるのだろうか?
 基本的な処方の一つは、祖先が生きていた、互いの行動を通じて互いを知る、養育的な個人から成る小グループという社会的環境をあらゆる手段を尽くして再現することである。そのような環境を用意すれば、向社会的な子どもの養育やおとな同士の関係は、驚くほど簡単に成就するだろう。

『社会はどう進化するのか――進化生物学が拓く新しい世界観』
(デイヴィッド・スローン・ウィルソン, 高橋洋 著)より

この「進化論」から導き出された「基本的な処方」として、現代社会にどのように適応すればいいかの具体的な説明が、

養育的な個人から成る小グループという社会的環境をあらゆる手段を尽くして再現すること」

とあるのには、「なるほどー」と思い、「やっぱり」とも思っていたのです。

そこへ今回の奥井奈々のお話を聴いて、「奥井さんがされていることは、こういうことなのでは?」と思ったのです。


身近な人と信頼関係を築くことができれば、預かって欲しいと思う人も多いはず。

でもこれを実践しようと思うと、今は「近所とのコミュニケーションが取りにくい社会」というだけでは無くて、「預かる側の責任」をあまりにも過剰に感じる社会でもあって、なかなか難しい。
(ここの表現はかなり難しいけど)

どうすれば、子供を預けやすい関係を作ることができるのか。

先日、偶然聞いた岡山県奈義町の子育て応援。これは議員の数を削減したりなどの努力をして子育てを応援する取り組みを続けたことで、町全体で子供を育てるという雰囲気が出来てきたのでしょうか。

近くにいる信頼できる人との関係。そういう関係が多くなれば、人はいろいろな意味で安心して生活できると思います。


養育的な環境を欠けば、人々の行動の形成はまったく異なった方向に進み、社会的支援の欠如から生じることが予測される生存や繁殖の戦略、すなわち「あなた」ではなく「私」、「彼ら」ではなく「私たち」、そして「明日」を考えない「今日」を重視する戦略が頻繁に用いられるようになるだろう

『社会はどう進化するのか――進化生物学が拓く新しい世界観』


個人が養育的な支援を受けられないということが続けば、私たちは、周囲の人たちや社会に対しての思いは至らなくなり、未来を考えられず「今」を重視してしまう
個人として、とてもストレスを受ける社会になってしまいます。

今、そうなっている。


どうにかして、人間本来の性質に基づいた「安心してその場に存在していられる小グループ」というものを、もう一度今の社会に再現できないものでしょうか。

web3のムーブメントの中に、私たちの仕事の仕方、生活の仕方を大きく変える技術があれば、生活様式を大転換して「助け合うことで人間らしい生きる力を得る」ということは可能だと思うようになってきました。

子供本来の生きる力を養うための場。養育の場とは。

上手くいっている地域の活動を広めていくことも大切だと思うのですが、何が難しいところなんだろう・・・。


この#68がファーストシーズン最終回。
私自身の子供時代から今までの「学び」の体験から、今回はとても強く「同意」しながら聴いていました。

子育てに悩んでいる人、自分の学びについての疑問、とても参考になるお話です。


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