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鉄筋コンクリート造は知恵の塊なんです。

【鉄筋コンクリートとは】

鉄筋コンクリート造とは、籠状等に組んだ鉄筋の周りをコンクリートで固めた建物をいい、床の荷重や地震に耐える構造体となっています。


【鉄筋とコンクリートの性能】

コンクリートは熱や圧縮応力には強いのですが、引張応力には弱く、コンクリート単体では構造体になり得ないので、コンクリート造というのは存在しないんです。

一方、鉄筋は引張応力に強いのですが、熱に弱く空気に触れると錆び、強度が低下してしまいます。

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【鉄筋コンクリートのしくみ】

コンクリートと鉄筋の材料的な弱点をお互いに補った構造体が鉄筋コンクリートというわけですね。熱と酸化に弱い鉄筋を、熱に強くアルカリ性のコンクリートで覆い、熱と錆から鉄筋を守ります。一方、引張応力に弱いコンクリートは、引張応力に強い鉄筋で補強し、圧縮にも引張にも強い構造体が出来上がります。
しかも、鉄とコンクリートは、温度による伸び縮みがほぼ同じなので、コンクリートが剥がれることもなく相性がいいんですね。

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【RCとは】

鉄筋コンクリート造はRC造とも呼ばれていますね。
RCはReinforced Concreteの略で、直訳すると「補強されたコンクリート」となります。
鉄筋で補強されたコンクリートということなんですね。


【鉄筋コンクリートの致命的な欠点】

鉄筋は曲がり易く、コンクリートは流動体なので、様々な形状を造ることができ優れた構造体なんですが、一つ致命的な欠点があります。
ひび割れです。

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乾燥収縮や温度応力により、引張に弱いコンクリートはひび割れてしまいます。
そこで、ひび割れ防止の為に、プレストレスコンクリートを用いたり、膨張コンクリート、ひび割れ補強筋を使用しますが、それでもひび割れはゼロにはなりません。なので、コンクリート表面に誘発目地を設けて、ひび割れをコントロールするんですね。


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