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建築豆知識『ベントキャップ・ダンパー』

ベントキャップとは

ベントキャップとは、給排気管が外壁を貫通した所に設けるフードのことで、雨水や虫が侵入しないようにガラリや網を設置します。


ベントキャップの材種

ベントキャップに使用される材料にはアルミ・ステンレス・樹脂などがありますが、耐久性の面から、ステンレス製が最も一般的に使われていますね。
色はシルバーか外壁と調和させるために焼付塗装します。



ベントキャップフードの種類

丸形フード

最も一般的な形状のフードで、下部に水切プレートが付いたタイプは、雨滴等が直接壁を伝わりにくい為、壁が汚れにくくなります。


U型フード

深型やゾウの鼻とも呼ばれていて、台風などの強風のときにも、雨水が浸入し難い形状ですね。機能的にはこれが一番です。


丸型フラット型フ-ド

出っ張りが少なくフラットなのでスッキリしていてデザイン性がいいですね。


上記の他、角形フードや防風板付フードなどのスタイリッシュなベントキャプもありますが、漏水したのでは意味がありませんので機能的に満足できる製品を選定するようにしましょう

浴室の排気などは湿気を多く含み結露することがありますので、開口部の上部などは結露受け付きのベントキャップにする方がよいですね。



ガラリ・網

ガラリ

ガラリは防鳥のために設け、一般的に下向きになっていますが、廊下などに人の通行部に面する場合は左右に気流を向けるガラリを使うとよいでしょう。


網は防虫のために設け10メッシュを使用することが多いですが、目が細かすぎると目詰まりしやすくなりますので注意が必要ですね。

10メッシュというのは、1インチ(25.4mm)の中に10個メッシュがあるということで2.54mm網目になります。
5メッシュなら5.08mmの網目になりますので、数字が小さくなるほど網目が大きくなりますね。


ダンパー

ダンパーには空調用ダンパーと防災用ダンパーがあり、空調用ダンパーはダクト内を通過する空気を調節または制御するもので、防災用ダンパーは火災の延焼や煙を遮断するために設けられます。
それぞれのダンパーは調整・調整のための作業ができるように点検港などが必要になりますね。

空調用ダンパー

  • ボリュームダンパー(VD):ダクト内を流れる空気量を手動で操作し調整するダンパー。

  • モーターダンパー(MD):ダクト内を流れる空気量を自動制御と連動して自動で操作し調整するダンパー。

  • チャッキダンパー(CD):一方向からの空気は流し、反対方向からの空気を防止することで逆流は防ぐダンパー。外気取り入れ部などに設けられることが多いです。

防災用ダンパー

  • 防火ダンパー(FD):ダクトに火災が流入した場合に、ストッパーであるヒューズの溶断又は形状記憶合金であるバネの伸縮でダンパーを閉鎖し、延焼を防止する防火用ダンパー。
    防火ダンパーは建築物の防火区画や延焼の恐れがある部分を貫通するダクトに設けます。延焼の恐れがある部分がベントキャップ等の防火覆いがある場合で管径100φ以下の場合は防火ダンパーは不要になりますね。
    防火ダンパーはダクト設置以外にベントキャップ・ガラリ・フードに付いている製品もあります。

  • 防煙ダンパー(SD):煙感知器の発報で、自動閉鎖するダンパー。
    異種用途区画や竪穴区画を貫通するダクトに設ける必要があります。

  • 排煙ダンパー(SMD):熱、煙感知器連動、手動開放により開放する排煙口用のダンパー。


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