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建築豆知識『断熱・防露』

防露とは結露を防ぐこといいますが、結露については以下の記事をご覧くださいね。

建築豆知識『結露』|豆いた@建築てら小屋|note


工法

壁の内断熱の工法は、断熱材打込み工法、断熱材吹付工法、断熱材張付け工法に大別されますが、屋根については外断熱工法が採用されることが多いですね。

断熱材打込み工法

型枠に断熱材を取り付けコンクリートに打ち込む工法で、工期短縮が図れ、地下ピットやピロティのスラブ裏で用いられることが多いですね。

断熱材吹付工法

現場発泡のウレタンフォームをコンクリートに吹付ける工法で、形状に関わらずシームレスな断熱層が形成できます。
壁・天井裏の最も一般的な断熱工法です。
吹付け厚さはピンで確認し、ピンの本数は1か所/5㎡以上、柱・梁の1面に付き1か所以上となります。

断熱材張付け工法

板状の断熱材をコンクリートに張付ける工法で、躯体の精度が要求されますね。
URではS1工法とも呼ばれています。

断熱材充填工法

グラスウールやロックウールを壁・天井の下地内に充填する工法で、一般住宅で多く用いられる工法です。


ウレタンフォームの施工

内断熱硬質ウレタンフォームの火災事故は、ウレタンフオーム施工中の火事ではなく、施工後に溶接溶断作業がおこなわれた場に発生しているのがほとんどです。止むを得ない事情で火気を扱う場合は、ウレタンフォームに火花が飛ばないように、不燃シートで覆ったり、フォームを切り取るなどの万全の防災対策を講じる必要があります。


断熱材の種類と性能

断熱材の種類は細かく分類されていますが、大きくはグラスウールやロックウールなどの鉱物繊維系とポリスチレンフォームやウレタンフォームなどの発泡プラスチック系に分類されます。

断熱性能は熱伝導率(W/(m.K)などで示され、熱伝導率が小さいほど外気からの影響を受けにくくなるので断熱性能は高くなります。

各材料の熱伝導率(W/(m.K)は以下のようになり、グラスウール(24K)を基準にした場合、コンクリートでは42倍、ALCでは4.5倍の厚さが必要ということになりますね。

発泡プラスチック系の断熱材は3年で20%前後断熱性能が低下する材料もありますので、経年変化も考慮しておく必要があります。


熱橋部と断熱補強

熱橋部とは、躯体などが断熱材を貫通し、断熱性能が劣る部分を言います。
RC造の場合は、外壁に直接取り付くスラブやRC間仕切壁などの部分が熱橋になりますね。
熱橋部は、断熱の弱点となり結露の原因になりますので、断熱を施します。
これを断熱補強といいます。
一般的に、断熱補強長さは500~900としていることが多いです。

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