退院後は忙しかった

退院後は、忙しかった。
何せその時は夏休み前…学校は懇談の季節だったのだが、入院中だったので延期してもらった。その先延ばしにした懇談が4回もある…。


まずは高校生の長男の懇談。
主人に車で連れて行ってもらい、教室へ上がるまでにゼェゼェ言いながら階段を上がった。
完全に体力が落ちている。
学校での息子は、良く喋り、男子とも女子とも仲良くやっているようだ。
もう少し英語が…なんて言われつつ、それなりのそこそこの成績表をもらって帰った。


次は小学生の次男の懇談。
どうしても主人の休みと合わなくて、仕方なく約1キロの距離を熱中症アラートの出る中ノロノロと歩いて行くことに。
日傘を差し、傷が痛むのでゆっくりゆっくり歩いて行くと、日頃15分の距離が30分もかかってしまった!
とんだポンコツになってしまったものである。
余裕を持って早めに出ていたのに、5分の遅刻である。

汗だくになりつつ、次男の通級教室の扉を開ける。
「お母さん大丈夫です?!」
「お、遅れてすみません…」

息子の様子を聞き、今後の課題について話をした。
意外にもよくやっているようだった。
「お母さん、色々大変でしょうけど…」
先生のお母さんや弟さんもがんだという。
それでも元気でやっているので、頑張ってくださいねと励まされた。

その後、息子のクラスの懇談へ。
家での話をよくしてくれます、とは担任の先生。
入院中の夕食がマックだったりすき家だったりした話や、主人が洗濯をしていた話、主人の夜勤中は子どもしかいないのでゲーム三昧だった話などを先生を通して聞かされた…。えっ…。

そして、高校生の長女の懇談。
受験生の娘は、進路が決まらず先生方を悩ませていた。

ちなみに、母の病気の為進学を考えているとか、地元にいた方が良いのかとかいう理由で悩んでいる訳ではなくて、都会に出たいが行きたい学部が行きたい地方になく、偏差値や倍率と相談しながら、模試と睨めっこしている状態である。
もういい加減決めてくださいと言われる。しっかり話し合って。そうですよねスミマセン。二人で苦笑いしながら教室を出た。


そして最後に、義父。
ケアマネさんにお願いして、父の入所を延ばすだけ延ばして貰っていたのだが、さすがに期限が来てしまった。
義父も帰りたがっているだろう。
30日、13時半ごろ、主人と二人で義父を迎えに行くと、部屋で横になっており意外と元気そうにしていて安心した。
家につき、久々の我が家に様子を見て回るかなと思ったが、すぐベッドに横になる義父。
まぁいつも通りと言えばいつも通りの光景である。


だが事件はその翌日に起こった。


朝ごはんを持って行った主人が中々戻ってこない。
コレは何か起きてるぞと、私も着替えて実家に向かおうとするが、右手が上がらず上手く服が着れずもどかしい。やっとワンピースを着て、向かおうとすると主人が帰ってきた。
「救急車呼ばんといけん」


「え!!!」
玄関を入った先の廊下で仰向けになっていたらしい。
意識はある。
腰?背中?が痛くて動けないらしい。
とりあえず起こそうとするが、激しく痛みを訴えるので動かせない。
本人に聞いても、いつからこの状態なのか、転んだのかどうかすらわからないと言う。
一応かかりつけ医に相談すると、救急車を呼べと言うので、呼ぶ事になった。


程なくして救急車が到着し、救急隊員の方がやってきて義父を手際よく担架に乗せる。
その間もイタタ、イタタと言っていた義父だったが、素早く救急車に乗せられた。
主人と私と、普段の状態、薬の服用状況などを聞かれ、とりあえず救急のある整形外科に行くことになった。

私はそのまま救急車に乗って付き添う形になり、主人が後から車で追いかけて来るという。
病院について救急の待合で待っていると、主人もやって来る。
中で色々検査をしているのだろう、時折義父の声が聞こえる検査室のドアを眺めながらひたすら待つ。
看護師さんに呼ばれて、検査結果をきくために中に入る。

今日は専門の先生が居なくて、とりあえずレントゲンを撮ると、痛がっていた胸の骨に異常はなさそうだとの事。
明日精密検査をするという事で、一晩入院になってしまった。
色々買って、書類を書いて、入院準備をして届ける。

翌日夕方、精密検査が終わったので来てくれと電話があった。
診察室で説明を受ける。
胸に異常はなく、背骨は過去の圧迫骨折などで変形しており、痛いだろうなーという状態。
だが今回本当に問題なのは、恥骨の横…股関節が骨折しているとの事!
MRI画像にくっきり白い線が走っている。


先生が、
「コレ、どうする?このくらいなら帰ってもらっても構わないけど…一人でトイレとか出来る?お嫁さん、手術されてて大変だそうだけど」
一応、先に手が使えない事、ティッシュエキスパンダーを入れているので、重いものを持ってはいけないことなどを説明していた。
「嫁にしてもらう」
「いやいや、お嫁さんアナタより大変な手術してるんだからアナタ一人でせんと」
「そりゃ…無理じゃ、出来ん」
自分で歩くにはやはり痛いらしい。
「じゃあね、ちょっと入院してもらって、リハビリして、自分でできる様になってから帰ろうか」
ショートステイからの入院、義父は嫌がるだろうと思ったのだが、先生の話にすんなり入院を決めてくれた。
ちょっと拍子抜けだったが、とりあえず納得してくれて良かった…。


一ヶ月ほどの入院になるので、さらにパジャマを購入したりタオルを追加したりで準備は忙しかったが、私の入院の日の心配はしなくて良くなった。
言い方は悪いが、ちょっと助かった。
現在リハビリを頑張っている…はず。

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