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30.乳房再建について

私は乳がんのため右乳房を全摘出した。
手術の説明の時、乳房再建をどうしますかと聞かれた。

(えっ、そんなにすぐ決めないといけないの?)

手術の話の流れでそのまま聞かれたので、ちょっと驚いた。
元々再建しようかなと思っていたので、しますと答えた。
ちなみにすぐ答えないといけない理由は、手術の時に、再建の下準備をするかどうかだけと知った。


ちなみに、再建は、すぐしなくても後から出来る。
手術後の治療に専念したい人は後からでも良い。
ただ、一回手術が多くなる。ティッシュ・エキスパンダー(組織拡張器)を入れるためだ。



私は再建を希望したので、摘出手術の時に、再建のためのティッシュ・エキスパンダーを入れた。
ティッシュ・エキスパンダーは、皮膚を拡張させる風船のようなもので、少しずつ生理食塩水をいれて徐々に大きくしていく。
膨らませる目安は、元々の大きさ、左右のバランスをみて、ちょっと大きめに入れるのだそう。


私は、謙虚なサイズなのですぐ終わりそうだけど、コレがファビュラスなお姉様たちの様なサイズだと、一体どのくらいかかるんだろうと思ってしまう。

手術時に100mlほど入れて、その後50mlくらいずつ入れていく。
入院中も3回ほど入れたので、現在すでに胸に少し膨らみがある。
胸が無くなるのがショックで術後見るのも辛い…という人には良いかもしれない…いや、逆にショックなのか?わからない。


7月30日の検診時も50ml注入した。
入れ方は、まず付属のマグネットで、注入口の位置を確認する。注入口に、注射器で食塩水を注入。痛そうに見えるが、エキスパンダーを入れていると皮膚の感覚が鈍くなるため、針を刺しても痛くない。奥の方まで刺さるとズキっとするくらいだ。
刺すのは痛くないが、注入した後が微妙に痛い。
50ml分、皮膚が引っ張られたり、中が圧迫されたりする。
どうしても痛い時は、痛み止めを飲む。
痛み止めがあと一とつしかない!と焦っていたら翌日は全然痛くなかったりする。
授乳の時の『乳が張って痛い』のとは違う。
明らかな人工物の違和感。
でも数日もすれば平気になる。
(数日で伸びたのか、私の皮膚)


ちなみに、エキスパンダーが入っている間は、うつ伏せにもなれない。
あと、あまり重いものも持てない。
袋が割れちゃうのだそうだ。
割れるとどうなるかというと、
「しゅーんって萎むよ…」
と言われた。
あと、激しく揺らすのもダメ。
入れてすぐ揺らすと、ズレてしまうからだ。
自転車は揺れがダイレクトに伝わるからしばらくは控えてとの事。
そうなるとやり直しになってしまうので、絶対重いものとか持たないでね!縄跳びとかしないで大人しくしててね!と言われた。


数週間おきに注入、張る痛み、色々な制限、これから始まる抗がん剤…
本当にすぐ再建して良かったのかな、これから抗がん剤も始まるのにな…と思ったけど、同時にしてないと多分慣れてしまって「もう再建しなくていっか!」になってしまう気がするのと、私の入院中、義父をどこか施設に預けないといけなくなるので、入院の回数を一回でも減らしたいというのがあって、即決した。

ちなみに、再建しようと思った理由は、

①体の左右のバランスが違うということに恐怖を感じた(肩こりとか起きるのかなって)
②温泉好きなので、無いよりはあった方が?と思ったこと
③自分の体が変化するのを見てみたいというちょっとした好奇心
④周りの人が誰もしてないので第一号になろう

…というもの。
動機が不純かどうかは置いておいて、後悔はしていない。

ただ、色々な制限があるのは思ったより苦痛だった。
秋には登山もしたかったし、川遊びやキャンプもしたかった。でもどうせコロナで出かけられないし、抗がん剤治療も始まるし、遊べないのは仕方ないなーと思うことにした。再建が終わる頃にはコロナも少し落ち着いているのではと思う。


次回の食塩水注入は8月20日。
次は痛み止めをもらおうと思う!

(再建方法についてはまた今度…)

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