バンド短歌連作「全ての花は咲いてから散る」

永遠の夏を皆で作ったね誰もが歌って笑っていたね

落ちていく花弁を見てて 綺麗事無視してここを選んだのなら

縛られた体に花よ降り注げ色とりどりの肌になるまで

変わってく世界を進むついでにさ綺麗な花束あんたにあげる

疲れたら眠れや眠れ 希望とは言えぬ朝にも音楽は鳴る

十年間漕いでようやく辿り着く舞台の上で球体揺れる

あの頃の僕たちはまだ 僕たちはまた これからの僕たちだって

覚えてて古い映画の言い伝え 鐘が鳴ったら事件が起こる

悲しみも愛も隣で見てきたし逆の世界でもきっと会ってる

怪物も悪魔も贅を尽くす夜 夢の終わりはひどく寂しい

本当にやめちゃうの?って言葉だけ飲み込みちょっとお喋りしたい

カウントは残りゼロ秒 最高の彼らが去って歌だけ残る

レプリカの入れ墨ぜんぶ剥がしたら皮膚まで剥いだみたいに痛い

幸せでいてくれと言うこれからもよろしくねって何度でも言う

夜は明ける 季節は移る 歌は止む 全ての花は咲いてから散る



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