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CBDオイルと痛みについての研究
痛みは本人でしかわかり得ないものがあります。
今回は、CBDオイルが痛みを解消する鎮痛の役割があるのかを様々な医学論文を引用して説明していきます。
ヘンプマップでは掲載情報の正確性については万全を期しておりますが、利用者が当記事の情報を用いて行う一切の行為について責任を負いかねます。
また、ヘンプマップに記載していることは論文などの内容であり、医学的なアドバイスではありませんのでご注意ください。
大昔、大麻は痛み止めとして使用されていた
大麻の歴史を研究した論文 *1 によれば、大麻(マリファナ)は関節痛や筋肉の痙攣の薬、ときには痛風やマラリアの薬として、中国ではなんと紀元前2900年から使われていたことが分かっています。
その後、紀元前1000年にはインドで、19世紀には西欧諸国でも薬として大麻が使われるようになりました。
また医療用大麻としての価値を研究する論文も100以上出版されました。
しかしながら、大麻取締法などの法律により、その勢いは衰えていきます。
今では世界各国で禁止されている大麻ですが、昔は「クスリ」ではなく医療的に価値のあるものだったんですね。
もちろん、大麻自体は現在も法律で禁止されているため、手を出すべきものではありません。
しかし、大麻の1成分「CBD」については違います。
CBDはいわゆる「ハイ」になるようなことはありません。
日本でも、「成熟した大麻の茎から抽出された製品(CBDオイル)」であれば合法の製品となっているのです。
CBDを含む大麻の成分と痛みの研究
様々な論文でCBDが痛みの関係が研究されていますが、まずはCBDがどのようにして痛みに作用するのか解説していきます。
体内には、身体調節機能=ECS(エンド・カンナビノイド・システム)というものがあります。
ECSは、食欲、痛み、免疫調整、運動機能、記憶などの機能を持ち、人間が生活する上で欠かせないシステムとなっています。
ちなみに、エンドカンナビノイドとはエンド(endogenous 体内・内因性)で生成されるカンナビノイド(大麻の学名であるカンナビスが由来)という意味です。
このエンドカンナビノイドがカンナビノイド受容体に対して、凹と凸のようにはまることにより身体に作用することになります。*2
エンドカンナビノイドシステムについては以下の記事に詳しく書いてあります。
また、CBDにはエンドカンナビノイドシステムに影響を与え、炎症に対して有効なアプローチである可能性があるとされています。*3
CBDについて詳しく知りたい方は以下の記事がおすすめです。
CBDと痛みの軽減に関するその他の研究
他にもCBDの働きを検証する様々な研究がされています。
例えば、ネズミを用いた研究では手術による切開に対する痛みの反応が減少した例(*4)や、口内へ使用したCBDの薬が坐骨神経痛や炎症を大きく低下させた例(*5)があります。
また、SativexというCBDなどを含む口内スプレー薬は硬化症を治療するためにいくつかの国で認可がおりています。
残念ながらCBDのほかに、THCという日本では違法な成分が含まれているため日本では認可がおりていません。
このSativexという薬については、硬化症の患者47名を対象にSativexを1か月間投与した研究があります。
その研究では、痛みや歩行、筋肉のけいれんに対して改善がみられたという結果になっています。
(ただし、プラシーボ効果やコントロールグループの不在などの問題点が研究に対して指摘されています。)
CBDと痛みについての研究
現在研究されている論文の多くは、硬化症や関節リウマチに対してCBDが有効なアプローチ(特にTHCと併用することにより)である可能性があるとしています。
その他の痛みに関する記事は以下がおすすめです。
また、CBDに関する研究は以下の記事にまとめています。
参考文献
*1: History of cannabis and its preparations in saga, science, and sobriquet.
*2:Endocannabinoid system: An overview of its potential in current medical practice.
*3:Pharmacotherapeutic considerations for use of cannabinoids to relieve pain in patients with malignant diseases
*4:Cannabidiol Is a Potential Therapeutic for the Affective-Motivational Dimension of Incision Pain in Rats
*5:The non-psychoactive cannabis constituent cannabidiol is an orally effective therapeutic agent in rat chronic inflammatory and neuropathic pain.
*6:Sativex in the management of multiple sclerosis-related spasticity: role of the corticospinal modulation.
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