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【デュエプレ】デッキビルド杯投稿作「ゴースト&フェアリー」解説

こんにちは。hemioLa(へみおら)です。


突然だが、私は趣味でデュエリストをやっている者だ。

デュエリストとは言っても、マイナーカードやおもしろ紙束で対戦相手を驚かせることに命を賭けるというプレイスタイルである。
根本から何かを間違えている気がしないでもないが、まあ楽しいもんは楽しい。
ちなみにいわゆる"環境デッキ"は滅多に握らないので、ランクマでは最底辺の常連である。この記事の信憑性はその程度と思ってほしい。

さて、先日開催された第5回デュエプレデッキビルド杯。

13弾リリース前後でちょうど人前にお出しできそうなデッキを組んでいたので、試しに挑戦してみた。

それがこちら。

推しで殴って勝ちたい(切実)

もう結果発表まで終わっているが、本デッキは見事に選外となった。

このままネットの海に沈むのも癪なので、解説を書き遺しておくことにする。

最初で最後かもしれないデュエプレnote。お手柔らかに願いたい。




ところで、デッキビルド杯の考察記事などを精力的に執筆しておられるトスカーナ氏に「個人的に気になった、好きなデッキ」として本デッキをご紹介いただいた。
見ず知らずの人の心を動かせたのは、表現者の端くれとして冥利に尽きる。

(ありがとうございます。そう、ダチュラは可愛いんです)

デッキビルド杯への参加やこの記事の執筆にあたっても、氏のnoteを勝手ながら参考にさせていただいた。
氏のデッキ解説もかなり読み応えがあるので、興味があれば是非読んでみてほしい。


それでは本題に入ろう。



■ デッキ構成

《冒険妖精ポレゴン》×4
《神楽妖精パルティア》×2
《呪氷妖精マッド・サクラン》×4
《暗闇に潜む者バット・ドクター》×4
《ダイヤモンド・ブリザード》×4
《剛勇妖精ピーチ・プリンセス》×4
《炸裂の伝道師セレスト》×4
《イモータル・ブレード》×4
《護聖妖精トビ・ゴンゴン》×4
《腐敗妖精ダチュラ》×4
《邪悪の魔黒デビル・マーシャル》×2



■ コンセプト

《腐敗妖精ダチュラ》を活躍させたくて、シナジーのあるカードを寄せ集めてみたら意外と戦えた。そんなデッキである。

分類上は《ダイヤモンド・ブリザード》を軸に墓地回収と除去を盛り込んだ中速ビートダウンとでも言おうか。

《ダチュラ》が真価を発揮するには墓地肥やしが必要なのだが、早い段階から攻撃を仕掛け続ければ相手は何らかの対応を迫られる。
多くの場合、こちらのクリーチャーを破壊しようとするはずだ。
「破壊されたクリーチャーは墓地に行く」という基本ルールを最大限活用する脳筋スタイルというわけである。



■ 基本の動かし方


  • 1ターン目〜

まずは《ブリザード》の召喚が目標。
《ブリザード》召喚前の攻撃はリスクが高いので、1ターン目から《ポレゴン》を召喚する必要はあまり無い。
それよりは手札を温存して、できる限りスノーフェアリーをマナに置いていきたい。


  • 《ブリザード》召喚後

たくさん並べて、殴り散らかそう。
何事もなく殴りきれればそのまま勝ち。やったね!

もしトリガーを踏んでクリーチャーを破壊されても、墓地利用の種になったと割り切ろう。むしろ受けきられてからが本番である。

この時、相手のデッキタイプから受け方を予想して、自分に都合の良いように誘導することも重要。
例えば破壊やバウンスには《ブリザード》を選ばせたいが、マナ送りは避けたいところ。


  • 長期戦になったら

相手の守りが固い or 自分が事故って攻めきれない などで長期戦になることがよくある。
《ブリザード》でマナから、《イモータル・ブレード》や《バット・ドクター》で墓地から手札を補充しながら、根気よくクリーチャーを投げつけていこう。

ただし、進化元やクロス先が必要である以上、カードが2枚以上必要な場面が多いことに注意。盤面と手札が空になってしまうと途端に動きが止まってしまう。



■ カード別解説

  • 《冒険妖精ポレゴン》×4

声マネしたくなるクリーチャーランキング第3位

このデッキには多色スノーフェアリーが8枚入っているが、マナ置きで多色事故を起こしても《ポレゴン》でなら動きやすい。
速攻デッキ相手には殴り返し要員として働くこともある。

手札に戻る能力で《イモータル・ブレード》のクロスを能動的に解除するという荒技も可能。


  • 《神楽妖精パルティア》×2

スレイヤーを付与するとセリフが噛み合わなくて草。死んだが?

デッキアウト対策要員。

序盤の進化元には使えるが、コンセプトに反して墓地を減らす能力を持つので使い所に注意。
3枚以上入れると肝心なところで召喚しづらくなってしまう。

盾落ちしていなければマナでも墓地でも回収手段があるので、2枚入れれば十分。
ただし早めに回収しないと間に合わないこともあるため、山札の残量とマナにいるスノーフェアリーの数はこまめにチェックしておこう。


  • 《呪氷妖精マッド・サクラン》×4

ドギツいコントラストも目を引くけど、
禍々しいキャラデザとポップな絵柄の
組み合わせもまた良いのよね

2マナ進化元要員。ブリザードのお供に並べるだけで普通に強い。

わりと自由枠だが、今回はデッキビルド杯ということで新弾のカードを採用してみた。


  • 《暗闇に潜む者バット・ドクター》×4

この見た目で日本語喋るの良すぎ

スノーフェアリーではないものの、このデッキの屋台骨を支えていると言っても過言ではない。
ナーフ前の《ブリザード》ですら不可能だった、墓地から《ブリザード》自身が戻ってくるという絶望を叩きつけてあげよう。

自身も攻撃の頭数に数えられるのが地味にえらい。
スレイヤーを付与して相手クリーチャーと相討ちしながら墓地回収を行うのもアリ。


  • 《ダイヤモンド・ブリザード》×4

このデッキのために4枚生成した

パワーの高いドロソ。積極的に召喚を狙おう。

破壊されると一気に2枚墓地を肥やせる上に、回収すれば使いまわせるのでかえってお得。

《デスマーチ》や《ハックル・キリンソーヤ》等と相討ちを取れるのも地味にえらい。


  • 《剛勇妖精ピーチ・プリンセス》×4

とどめボイス好き

序盤から複数展開を可能にする展開の要。
4マナで《ピーチ・プリンセス》→《ブリザード》と出せるのも便利。

盤面にいる状態で1体目に《ポレゴン》を出すと、1マナ払って2マナ軽減が入るとかいうインチキ挙動を起こす。

1体目を《キング・アルカディアス》で妨害された場合も、2体目の召喚はちゃんと軽減してくれる。えらいね。


  • 《炸裂の伝道師セレスト》×4

まさかデスサークルを差し置いて採用することになるとは……

守りトリガー枠。守りはやっぱり光文明。

自壊することで墓地肥やしをしながら、回収して使いまわしも可能。
手出ししてブロッカーの壁をこじ開けられるほか、先攻4ターン目に相手の《コッコ・ルピア》を処理するなど使い道は多い。


  • 《イモータル・ブレード》×4

メタルで片手間に壊されると腹立つけど、獅子幻獣砲は何故か許せる

パワーの低い妖精たちがこれ1枚で豹変。どんなにデカいクリーチャーでも一撃で片付く。
2枚出せば両方の効果を使ったり、スレイヤーを複数回発動することで《時空の火焔ボルシャック・ドラゴン》を覚醒→解除→破壊という挙動も可能。

なお、スレイヤー能力は相手のクリーチャーにも付与されることに注意。
クロス時・非クロス時で盤面のパワーバランスが大きく変わるため、後の展開をよく考えながら運用する必要がある。

また、このデッキで唯一の非クリーチャーカードであり、墓地に落ちても美味しくない。
《パルティア》で山札に戻す以外の回収手段も無いため、手札に引いたら大事にしよう。

余談だがクロスギアは《アルファディオス》に封じられないため、出された後にも反撃のチャンスがあることは覚えておきたい。


  • 《護聖妖精トビ・ゴンゴン》×4

初手でマナに置くと相手の思考時間伸びがち

《セレスト》を手出しするための白マナ要員。《サファイア》対策も兼ねる。

タップ能力は《ダチュラ》の能力にも反応してくれるほか、横に《ブリザード》を出すと相手をほぼ全タップできる。
ただし、《ダチュラ》はタップしているクリーチャーを除去できない。
除去が先に発動するため《ダチュラ》を出してから不発になることは無いが、うっかり手札からマナチャージしたせいで除去できなくなる等の事故には気をつけよう。

なお、デッキコンセプトとして想定した戦略にブロッカーやタップキルは含まれていない。
ある程度の勝率の確保のため《サファイア》へのメタカードとしてブロッカーを採用せざるを得なかったという背景がある。
とはいえ面白い挙動を見せるようになったのでこれはこれで良い。
あと使ってる人ほぼ見たことないので救済の意味もある


  • 《腐敗妖精ダチュラ》×4

かわいいよ・・・。          
        ── キュート・ウィスパー

序盤はトリガーで引かない限り出る幕が無いが、墓地が3〜4枚溜まってしまえば神だろうがサイキックだろうがアルカディアス夫妻だろうが除去できる。
除去札ながら山札を消費するので終盤は上手にやりくりしよう。

《ブリザード》と《デビル・マーシャル》の両方に進化できるので優先的に盤面に残しておきたいが、可能なら相討ちなどしてから回収して手札に持っておくのも効果的なので臨機応変に。


  • 《邪悪の魔黒デビル・マーシャル》×2

ブリザードと並んだ時の"お父さん感"、何?

ダチュラの進化先を増やしたいだけの枠。
殴る回数の多いデッキなので調子が良いとたくさんハンデスできる。

スノーフェアリーデッキから急にWブレイカーが生えてくるだけで面白い。



■ 検討したカード

  • 《雪溶妖精シャーマン・メリッサ》

2マナスノーフェアリーの騒がしいけどうるさくない方

2ターン目に出したのが破壊されても3ターン目に4マナあれば《ブリザード》は出せる!
……という点では優秀だが、墓地が肥えないため後で困ることになる。

終盤の《ブリザード》の出力が上がりやすく、長期戦になるとデッキアウトを起こしやすくなるのも難点。


  • 《剛撃妖精ユキハナ》

ダチュラが居なかったらユキハナデッキを組んでたかもしれない

《ローズ・キャッスル》、《ノーブル・エンフォーサー》への対策として検討。
ハンデスへのささやかな抵抗もできるが、概ね焼け石に水であった。

無闇にデッキを削ってしまうのもネックだが、環境によっては採用の余地もあるかも?


  • 《進化の化身》

なんとなくこのイラストの方が好き

《ブリザード》を引けないとジリ貧になるため、サーチ手段があった方が安定する。
有用ではあるが種族のシナジーが無く、枠がキツいため泣く泣く不採用。
サーチカードに頼らずとも右手が強ければ問題ない。


  • 《進化設計図》

自然のドロソはレアリティ高がちだったので助かる

同じく《ブリザード》が引けなかった時の保険。
トリガー付きなのは嬉しいが、手札が増えない可能性もある。

クリーチャーでないカードは《ダチュラ》の安定性を下げるので極力採用したくはない。


  • 《魅了妖精チャミリア》

パワー3000…… えっ3000もあったの!?!?!?

《ブリザード》のサーチ手段としては確実性に欠け、タップスキルゆえ起動も遅い。

だがクリーチャーかつスノーフェアリーであるため、前述の2枚よりはコンセプトを損なわずに採用しやすいか。
なんなら1ドロー能力と割り切っても悪くはない……か?

中盤以降の安定を取るなら採用できるかもしれない。


  • 《孤独の影ロンリー・ウォーカー》

かわいいからとりあえず載せとけみたいなところはある

《デビル・マーシャル》を使った進化速攻を視野に入れるなら候補に上がる。

自壊能力を逆手にとって墓地肥やしができないこともないが、盤面を空にされやすくなってしまうのが痛い。


  • 《炸裂の影デス・サークル》

実装されると知った時は強化来た!ってテンション上がった

自壊して墓地肥やししながら盤面除去できるトリガー枠。
《デビル・マーシャル》へのトリガー付き進化元としても。

デッキとの相性は良いが、守り札としてはコスパが悪く、勝率が露骨に下がるように感じた。
そこで守りを別カードで補おうとすると今度は攻めが鈍くなる……というジレンマを抱えている。


  • 《霊騎コルテオ》

ピンチの時に駆けつけるタイプのイケメン

展開力の高いデッキなので機能しやすく、自壊しないため殴り返しにも繋がる。
12弾時点では採用していたが、13弾リリース後は手出しもしやすく自壊を活かせる《セレスト》に交代した。


  • 《アポカリプス・デイ》

実装されて初めてエフェクトを見た時感動した

大量展開するデッキなので発動条件を満たしやすく、《バット・ドクター》を巻き込んで《ブリザード》を回収するなどできれば自身はすぐに立て直せる。

条件さえ満たせば防御性能はかなり高いが、やはり《ダチュラ》の安定性が落ちるためひとまず不採用とした。


  • 《ダーク・ライフ》

同じ文明だしダチュラと親交があると見せかけて実は流派の違い的サムシングでお互いよく知らないみたいなのありそう あるよね もしくは近所に住んでる歳の離れた顔見知りの可能性もあるな(オタク特有の早口)

マナにスノーフェアリーを狙って置きつつ墓地も肥やせる。
2ターン目にこれを使っても、《ポレゴン》や《ピーチ・プリンセス》を利用すれば3ターン目にはちゃんと《ブリザード》が出てくる。

相性は良いが、《ダチュラ》の安定性は大事なので不採用。


  • 《エボリュート・パワー》

軽率なキャントリップ嫌いだけど好き

《ブリザード》を強化するついでに、地味に嬉しい1ドロー付き。
それでも《ダチュラ》の能力が最優先である。なぜならそういうデッキだから。


  • 《ダンディ・ナスオ》

ダチュラってナス科の植物らしいですね

マナ落ちした《デビル・マーシャル》は、墓地に落とすことでアクセスできるようになる。
だがそこまでする必要性も感じなかったので不採用。

高コストかつ重要な非スノーフェアリーが入った時は一考の余地あり。


  • 《二角の超人》

未だに脳内再生余裕

手出し《ダチュラ》から繋がり、マナ落ちした《ブリザード》などを回収できる。
探索漏れする可能性も高いが、2ドローと考えても十分美味しい。
出せるだけのマナが溜まっていればトップから引くだけで強い。

なお、記事執筆中に存在を思い出したのでまともに試せていない。全て憶測である。


  • 《凶星王ダーク・ヒドラ》

脳内でダクヒさんって呼んでる

種族デッキかつ大量に召喚を行うため機能しやすい。
機能しすぎて墓地がすっからかんになりがち。

コストの重さのせいかいまいち使いにくく、より自由度の高い《イモータル・ブレード》を採用するに至った。
あと妖精がわちゃわちゃやってるとこに急におっさんが割り込んでくる感が無理だった


  • 《化召の術士》

名前の読み方好き よく忘れるけど

積極的に進化を狙うデッキであり、軽量クリーチャーも多いため能力は発動しやすい。
しかし《ブリザード》より重く種族のシナジーもないため召喚が後回しになりやすく、活躍の機会は少なかった。


  • 《鬼面妖蟲ワーム・ゴワルスキー》

  • 《死神術師デスマーチ》

  • 《密林の総督ハックル・キリンソーヤ》など

こうして並べてみるとセリフが耳に残る奴ばっかりだな

ビートダウンデッキとしては、無から強力なスピードアタッカーを生成できる墓地・マナ進化は魅力的。
《ローズ・キャッスル》などの対策にもなる。

だが他のカードとのシナジーが弱いため、いまいち採用理由に欠ける。



■ おまけ

調整中に派生した、よりコンセプトに忠実なゴースト色の強い形も紹介しておく。
本来はこれがデッキ名にもマッチしている理想形だが、攻めの鈍さのわりに守りが薄いせいか勝率は芳しくなかった。

《セレスト》を《デス・サークル》に、《トビ・ゴンゴン》を《ユキハナ》に入れ替え、《デビル・マーシャル》を1枚増やした形だ。

《ユキハナ》の採用理由は

  • 当時《ローズ・キャッスル》とハンデスに虐げられたので一矢報いたかった

  • 新弾カードを使ってみたかった

  • かわいいにぇ〜〜〜

といったところだが、今にして見ると《チャミリア》でも良かったかもしれない。

基本戦術は変わらないため、こちらも調整次第で十分戦える可能性はある。
今後こちらの可能性も追求していきたい。



■ あとがき(雑記)

十数年前。
当時のコロコロコミックに載っていた、デュエマのデッキの作り方。

「まずは切り札を1枚決める。そしたら"カードの声"を聞いて、切り札が活躍できるように相性の良いカードを選んであげよう」

概ねこんなことが書いてあった記憶がある。
"カードの声"のくだりは、テキストをよく読もうみたいな意味だったと思う。

当時はその言葉を頼りに、《英霊王スターマン》《太陽王ソウル・フェニックス》《星狼凰マスター・オブ・デスティニー》といったお気に入りの切り札たちのために、幼いなりに考えてデッキを組んだのを覚えている。

そしてデュエプレに移った今。
「切り札」もとい「主役にしたいカード」は──

これが構築のきっかけである。

もともと《ブリザード》を持っていなかったため、2022年2月末に開催されたSPルールマッチ(未所持カード使用可)で試したのが始まりだった。
思いのほか好感触なデッキだったため、《ブリザード》を4枚生成して今に至る。

そのプレイ感はというと、相手の出方を探り、時には誘導し、手札、バトルゾーン、マナ、墓地の間をカードが飛び交い、手元にあるカードでやりくりしながら、隙をついて攻撃する……
この「カードゲームやってる感」がハマると結構楽しい。

トリガーお祈り、マナ落ち、探索などのランダム要素も多く、一か八かで盤面を動かすスリルもたまらない。

何より、"好きなカードを使って勝つ"
それ以上に心躍る勝ち方を、私は知らない。


このデッキは強くないし、強力な切り札やド派手なコンボも持ち合わせていない。
だがもし興味があれば、是非このデッキを使ってみてほしい。
1人でも楽しんでもらえたなら、嬉しい限りだ。

では。

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