本日のNEJMより、Blastic Plasmacytoid Dendritic-Cell Neoplasm(BPDCN)

本日のNEJM

Images in Clinical MedicineのコーナーではBPDCNの皮膚所見が取り上げられていました。日本語では芽球性形質細胞様樹状細胞腫瘍です。

この記事を読み進めていきますと、hyperCVAD/MAで8サイクルで加療した、と書いてあります。その時点で「??」と思って、さらに読み進めていきましたが、どこにも移植の記載はありません。奇跡的にこれで治った症例なのかな、と読み終えようとしたとき、衝撃的な一文が最後に簡潔に記載されていました・・・。


私はかつてこの疾患を、病理の先生に教えていただき知りました。若い方で、皮膚にぴょこんと赤いケロイドのような皮疹が数か所あるのみでした。平均的なリンパ腫の治療でいいのかな、と最初は考えつつ文献を調べてみると、その地味な所見とは裏腹に、非常に厳しい疾患であることがわかりました。見た目とその後の転帰に、大きなギャップがあります。

現時点では、寛解に入ったのちには、速やかに同種移植が必要という認識です(希少疾患であるためまだ質の高いエビデンスはなく、あくまで個人の考えです。年齢や状態、移植ソースによって判断は異なるでしょう)。日本からの後方視解析では自家移植でも良好な成績であったという報告もありますが、後方視であることや海外の成績とは結果に乖離があることなどから、解釈は慎重にする必要があります。

名前を聞いただけでピリッ、と緊張する疾患なのですが、NEJMの筆致からは、非血液専門医にその緊張感はあまり伝わらないような気がしました。

ASHに行くたびにBPDCN関連の発表は目を通すようにしているのですが、MDACCがよく成績を出していて、抗CD123抗体などはいいようです。

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