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速読英単語という選択

前に「初学者向け長文問題集・学習法の理想」という記事を書いた。そこでは、理想に叶った問題集はあまりないという話をした。

その後、古本屋で速読英単語入門編を見つけて、買ってみた。
速読英単語という本はもともと知っていたが、使えるのかと疑問を持っていた。文章を読むことで英単語を覚えていくというコンセプトは理解できるにしても、そんなに都合よく、覚える必要のある単語ばかりが出てくる文章がある訳がないと思っていたからである(この点は、買ってみて初めてわかったが、類義語や反対語、派生語で見出語数を稼いでおり、全見出語が文章中に出てくる訳ではない。)。
しかし、単語帳としてではなく長文集として見たときは、なかなかイケている。
見開きで左に60語から100語強程度の文章、右に全訳、その後は、左ページが語句、右ページがその例文という見開きが続く。
英文と和訳を見開きで対照できるという紙面構成は、初学者向けの長文集の構成として理想的だ。1講の文章の長さも一気に読める長さだし、内容も興味をもって読める内容で、読み進んでいける(1つの文章が何講かに分けて収録されいる)。SVOCは振られていないが、入門編の英文は易しいし、そもそも単純な文を含めてすべてにSVOCを振ってもらう必要はなく、別冊で留意すべき構文は説明されているので、問題はなかろう。
これくらいなら、初学者でも1日2〜3講くらいは楽に読めるだろう。長文の習い始めは、精読ももちろん必要だが、英文を読むことに慣れることが必要だ。なかなか進まない精読をしているだけでは、英文を読むことに慣れることはできない。入門編は英文を読むことに慣れるための教材として使えるのではないか。
中級者になっても、毎日英文に触れることは必要だ。1冊12講しかないRulesをやっているだけでは絶対量が足りていない。そのための教材としても使えるだろう。このレベルになると、入門編では簡単すぎ、必修編や速読英熟語にレベルを上げる必要があるが、これだけで130くらいの英文に触れることができることになる。

また、英文を読めるようになってくれば、単語帳としても使えるようになるだろう。シス単を使って単語を覚えていると、単語の意味を一問一答的に答えることが自己目的化してしまい、その単語を使って文章を読むという観点が欠如してしまいがちだ。この点、単語にフォーカスさせながら文章を読ませるというコンセプトは良い。シス単などである程度単語を入れた状態で、2冊目の単語帳として使えば、あの話で出てきた単語だなどと、シス単での単語学習も記憶が定着するだろう。そのためには、英文を何度も読み込む必要があるが、入門編の最初の方は読み込むほどの価値はなく、やるとすれば、必修編からだろうか。



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