小人の件
とりあえず最初に尤もらしい事を書いてバランスを謀るのである。
小人閑居して不善をなす。
コロナで自宅待機である。
暇を持て余すと大抵の人はロクな事をしない。
当該私もである。
と、言うか人生において多数の仕事をクビになっているので、無職の期間も多い。
やる事と言ったら無職初期段階では何となく図書館に行き、
人生の何かしらに役に立つ本を読もうと考えるのだが、
役に立つ本等大概無職は読みたく無いのである。
理由は無職だからだ。
本人は小人で無く、
自分は大人であると思っているので、
小学生に混じって、
怪傑ゾロリですら無い、
お溢れの「コボちゃん」をひっそり読むのも気がひける。
そして、1週間後無職中期段階に入る。
図書館で無く、昼からやっている呑み屋に行くのである。
モツ焼き屋さんとか。
当然無職なのでカネは持っていない。
レモンサワーとか頼むのである。
諸事情を抱えた私より歳上の大大人より、「あんちゃんよぉ、モツ焼き屋なんだからモツ頼めや?レモンサワー屋じゃねえんだからよお」
と温かいアドバイスを頂いたりするのだが、
私は若輩者故、
「モツ焼きで酔える奴が此の世に存在するのか?
ツマミを頼めるブルジョワの分際で意見をするとは何事であるか」
「舐めとんのか」
とか申し立てるのである。
今でも「千ベロ」と言う文化に懐疑的である。
千円あるならトリスとかペットボトルで買えよとか言う私だが、その事は置いて置こう。
今、現在呑んでるし。
呑みながら書いてるし。
トリスのペットボトルは物理的にベッドサイドに置けるし。
当時の大大人と若輩は勿論紳士である為、「表に出ろや」とか言わない。
そこはビールケースをひっくり返したテーブルが半違法的に道端を占拠している店なので、
既に表だからでは断じて無い。
紳士だからだ。
その後、店の人に怒られるのだが、
いい大人が説教されているのは高校生になった気分で気分が良いぜ。
強がって無い。
断じて無い。
無いです。
はい。
因みに、その後無職後期段階に入り、
トリスのペットボトルとかカクヤスで買うカネすら無くなる。
そして、母親が使っている消毒液「手ピカジェル」を冷蔵庫の麦茶で割って飲もうとし、運ばれるのである。
この文章で伝えたい事は、
「この御時世消毒液を飲むな。」
だけである。
理由は一つ。
貴重だからだ。
高いし売ってねえ。
スーパーハローワークおじさんとの約束だ。
約束の地、スーパーハローワークで会おう。
因みにスーパーハローワークはこれから作るので待っていてくれ。
自宅でな。
じゃあな。
達者でな。
【次作に御期待下さい】
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