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ただの紙切れ。

折り紙のようなこの紙は、ただの紙切れだ。



けれども、このひともじ、ひともじ、一生懸命描いた文字は、紙切れをタカラモノにしてしまうのだ。

誰かにとっては紙切れだろう。けれど私にとっては大切で、宝物箱へそっといれては、たまにだして、なくしたくないものなのだ。

いつもはずかしがりやで、なかなか言葉を上手く話せない子だったから、いまでも、どんな気持ちでかいてくれたんだろうか。と考えると、胸がぎゅっと、あったかくなる。

今の時代とても便利で、スマホでぽちっと、
だいすきな人に「好きだよ」と愛情も、
母の日に「ありがとう!」と感謝も、
仲良しの友達に「お誕生日おめでとう」と祝福も、送れる。

けれど、LINEでもなく、メールでもなく、

ペンを握って思い出に浸りながら、その人のことを思い出しながら、文字にするのは、もっと、とてもいいなと思った。

大切な人を想い、こころを込めて書いたものは、スマホの完璧な文字より、素敵で。
自分の言葉で、ひともじ、ひともじ。

こんなときだから、手紙はいいな。と思う私でしたとさ。

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