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ケの日ラボ【アロマ】③

\アロマスプレーをつくってみたよ/

6月のケの日ラボ第3回目は、4人の研究員が集まって、
それぞれのお悩み別にアロマスプレーをつくってみたよ!

今必要としている効能から逆引き検索をして、いくつかの精油をピックアップし、その中でバランスを見ながら、直感を大切に香りの組み合わせを決めていきました!

虫が出入りしやすい環境に行くことが多研究員は
”虫除け×集中力アップ”を目指して、
「フランキンセンス、パチュリ、ペパーミント、グレープフルーツピンク、ティートリー」を

来月、海外旅行に行く予定の研究員は
エコノミー症候群によるむくみ防止を目指して、
「レモングラス、ハッカ」を

最近ちょっとお疲れモードの研究員は、
リラックス×ぐっすり安眠をめざして
「ヒマラヤスギ、フランキンセンス、ライム、シナモン」を

太陽を浴びる時間が長く、日焼けがお悩みの研究員は
たっぷり太陽を浴びた後のアフターケアを目指して、
「ラベンダー、ベルガモット、ゼラニウム」を

それぞれブレンディングして見ました。

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 ▼アロマスプレーのレシピ▼

【材料】
・精油・・・・・・・・10~20滴
・無水エタノール・・・10ml
・精製水・・・・・・・90ml

《無水エタノール》
アルコールの一種。精油はエタノールに溶けやすいので、        スプレーやフレグランスをつくる際に使う。容器やアロマポットにこびりついた精油の洗浄にも利用できる。
揮発を防ぐため、取り出したらすぐに蓋をする。
一度取り出したら元の容器に戻さない。薬局で購入できる!

《精製水》
蒸留や濾過、イオン交換などで不純物を取り除いた水。
コンタクトレンズの洗浄水などとして販売されている。
アロマテラピーでは化粧水やスプレー、マウスウォッシュの材料として使う。
冷暗所に保存し、開封したら冷蔵庫へ。なるべく早く使い切る。
元の容器に戻したり、他の容器に移し替えて保存したりしない。薬局で購入できる!

【道具】
ビーカー/保存容器(スプレーボトル)/ラベル(精油の種類などを記録)

【作り方】
1、ビーカーに無水エタノールを入れ、精油を加えて混ぜる
2、1を保存容器に入れ、さらに精製水を加えて、振りまぜる

【保存方法】
直射日光を避け、7〜10日間で使い切ること。
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つくり終えてから、皆それぞれ噴霧した際に、すぐに香りを感じたものと、しばらく香りを感じにくいものがありました。

改めて調査をしてみると、
ブレンドする際には、直感や感性を大切にすると同時に、
いくつかのルールを抑えておくことで、より香りを楽しめることがわかってきました!

ブレンディングのコツ
1、自分の感性に正直になること
どんなに自分が欲している効能だったとしても、自分がその精油の香りを好きでなければ意味がありません。
香りの好みは人と違っても良いもの。ブレンディングによって、自分好みの香りを生み出すのも醍醐味の一つ。
ブレンディングを始める前に、様々な精油の香りを嗅いで見て、自分の好きな香りを幾つかピックアップしておくと良い。

2、主役の精油を決めてから、引き立て役の精油を添える
数え切れないほど存在する精油たちの中から、バランスのとれたブレンドを作るには、主役となる精油から順に決めて行くとよい。
主役にしたい精油が香りの軸になるように、その香りを引き立ててくれるような精油を選んで行く。
引き立て役といっても、ブレンドの仕上がりを大きく左右するので、主役と相性の良いものを選ぶのもポイント。

3、精油それぞれの特徴をつかむ
100%天然のピュアな精油を使用すると、香りの強さや、持続性の違いが顕著に現れるため、それぞれの個性を意識して組み合わせることで、一種類で使うよりも豊かな香りになり、香りを長時間楽しめるようになる。

4、分類の異なる精油を組み合わせる
「柑橘系」と「フローラル系」など香りの特徴が異なる精油を組み合わせることで、香りに深みが出て、記憶に残る香りになる。

香りのノートについて知る
”ノート”とは、香りが揮発(蒸発)する速さ、香りが鼻に伝わる速さのこと。この組み合わせを意識すると、全体のバランスが良くなる。

100%天然の植物から抽出された精油は、揮発が早い順に、
「トップ」「トップ・ミドル」「ミドル」「ミドル・ベース」「ベース」の5段階に分けられる。
トップからベースまで、できるだけ各段階のノートを含むことで、    香りを長く楽しむことができる。

▼各ノートについての詳細はこちら▼

【トップ(T)】※()内は略称で、略称の活用法は後ほど記載。
《特徴》
一番初めに香り、30分〜2時間ほど香りが持続。柑橘系に多い。
フルーティかつフレッシュな香りで、心を明るくしたり元気付けたりする働きがある。
《代表的な精油》
オレンジスウィート・グレープフルーツ・ベルガモット・レモンなど
《ブレンドの割合》
全体に対して20〜55%(10滴の場合:2〜5滴/15滴の場合:3〜8滴)
※香りが弱いため、多めにする。

【トップ・ミドル(TM)】
《特徴》
トップノートのあとに香り、1〜3時間ほど香りが継続する。
トップとミドルの両方の特性を併せ持ち、葉から抽出した爽快感のある精油やスパイス系の精油に多い。
リフレッシュしたり活力を与えたりする働きがある。
《代表的な精油》
カルダモン・クローブ・ジンジャー・ティートリー・ペパーミント・ユーカリなど
《ブレンドの割合》
全体に対して10〜20%(10滴の場合:1〜2滴/15滴の場合:2〜3滴)

【ミドル(M)】
《特徴》
トップ・ミドルのあとに香り、2〜6時間ほど香りが持続する。
ブレンドの中心となり、全体のバランスを保つ役割を担う。
温かみがあり優しさを感じる精油が多く、心と体のバランスを保ってくれる。
《代表的な精油》
カモミールローマン・クラリセージ・ゼラニウム・ラベンダー
《ブレンドの割合》
全体に対して10〜30%(10滴の場合:1〜3滴/15滴の場合:2〜5滴)

【ミドル・ベース(MB)】
《特徴》
ミドルの後に香り、3時間〜1日香りが持続する。
ミドルとベース両方の特徴を併せ持ち、まったりと香る花から抽出した精油が多い。
リラックス効果やホルモンバランスの調整など、女性に優しい働きをする精油が多く、香りは強め。
《代表的な精油》
イランイラン・ジャスミン・ネロリ・ローズ
《ブレンドの割合》
全体に対して10〜20%(10滴の場合:1〜2滴/15滴の場合:2〜3滴)
※香りが長く続く分、少なめにしてバランスをとる

【ベース(B)】
《特徴》
時間が経過した後にゆっくり深く香り、4時間〜数日香りが漂う。
ブレンド全体をまとめる役割を担い、木や根から抽出される精油を多く含む。
深い呼吸を促して心をどっしりと落ち着かせ、地に足をつけて前進できるように働きかける。
《代表的な精油》
サンダルウッド・パチュリ
《ブレンドの割合》
全体に対して5〜20%(10滴の場合:1〜2滴/15滴の場合:1〜3滴)
※香りが長く続く分、少なめにしてバランスをとる

また、()内に記載した略称を使ってバランスを考える、
”T・M・Bの法則”という考え方を覚えると、パズルのようでなんだか楽しいです。

GOOD:T+MB、TM+B、TM+MB、T+M+B、T+MB+Bなど
BAD:T+M(Bがない!)、M+B(Tがない!)、M+MB+T(Tがない!)など

ブレンディングの手順

1、ブレンディングのイメージ・目的を決める
今自分が何を必要としているかを考えて、イメージや目的を1つか2つに絞り込む。
ただ「いい香り」という漠然とした印象ではなく、具体的な完成系を頭の中にイメージするとよい。

2、目的に合う精油を選んで、主役を決める
イメージや目的にあった精油をいくつかピックアップし、その香りを嗅ぎくらべ、最も好きな香りや心地よいと感じる香りを主役に決める!
この香りをいかに引き立たせるかを考えながら他の精油を決めていくので、
この主役を決めるというプロセスはとても大切です。
ただ、主役に向かない精油や体調などによって、使用を禁止されているもあるので、本や表など一覧になっているものを参考にすると良いでしょう。

例)
①リラックスしながら、②ホルモンバランスを整えたい
①に合う精油
▶︎イランイラン・オレンジスウィート・グレープフルーツ・ティートリーなど
②に合う精油
▶︎イランイラン・オレンジスウィート・カモミールローマン・カルダモンなど

主役の一つをラベンダー、もう一つの主役をオレンジスウィートに。

3、主役に決めた精油のノートを調べ、脇役となる精油を選んで行く

上記の例だと、ラベンダーが「ミドル」で、オレンジスウィートが「トップ」なので、
残りの「トップ・ミドル」「ミドル・ベース」「ベース」を決めていく。
T・M・Bの法則に沿って偏りにさえ注意すれば、あとは感覚を大切に組み合わせを決めてOK!

4、組み合わせた香りを仮の状態で嗅いでみる

試香紙(細長く切った画用紙などで代用可)に、1枚1滴ずつ垂らして、
トップノートから順にベースノートまで下に重ね合わせ、
扇子のように放射線状に広げた状態で鼻の近くで香りを確認する。

選んだ精油の瓶を合わせて手で持ち、鼻のそばでクルクルと回しながら嗅ぐことで
全体の香りのイメージをつかむこともできる。(今回私たちはこちらの手法で行いました)

イメージ通りの香りであれば、次に進みます。

5、レシピを作成する

それぞれのノートごとに適した割合(滴数)を確認しながら、
どれを何滴ずつ混ぜ合わせて行くかを決める。これをレシピという。
全部で10〜20滴と考えると、決めやすい。

6、香りを確認する

レシピ通りに、ビーカーに入れてブレンドし香りを嗅いでみる。
ビーカーに入れる順番は、
①ベース・ノート→②ミドル・ベース→③ミドル→④トップ・ミドル→⑤トップ
とされており、香りだちの遅いベースノートを最後にしたり、順不同になると、
全体の香りを確認したくても、トップノートの香りしか感じられずバランスが見れない為
順番はきちんと守った方が良いでしょう。

また、ここで何かの香りが強いのを他の精油で調整しようと、
別の精油や、選んでいた精油を再度追加してしまうと、どんどんバランスが取れなくなる。
香りは、消し合うものではなく、引き立て合うものと心得よ!とのこと。

ブレンドが完成した精油は、空気に触れないようにスポイトの中に吸い込み
しばらく置いておくと、香りが馴染む。

※香りを確認する段階では、作りたいグッズの材料(特にエタノールなど)と混ぜないように注意。
必ず、香りが決まってから次の工程に移ること。

7、遮光瓶で保存する

好みの香りができたら、遮光瓶に移して保管する。
ブレンドの目的や、使用した精油の名前などをラベルシールに書いて、瓶に貼っておくとわかりやすい。

まとめ

ブレンディングする際には、第一に自分の香りの好みや感性、目的を重視するのが大切だが、香りのノートやその法則、精油を合わせる順序などの、ちょっとしたコツを抑えておくことで、精油同士が引き立て合い、本来の働きを発揮することがわかった。
また、気に入ったレシピを書き留めておくことで、また再現することができたり、同じ名前の精油でもブランドが違うだけで品質が異なり、ブレンディングした香りが少し違う雰囲気になることもあったりと、なんだか料理をするような感覚で、アロマを楽しめるような気がしてきた。

今回はアロマスプレーというアイテムを使って、鼻から取り入れる手法に挑戦したが、次回は、バスソルトをつくって、肌から取り入れる”沐浴”をしてみようと思います!!

〜参考図書〜
・アネルズあづさの精油ブレンドバイブル/著:アネルズあづさ
・おもしろくて役に立つあたらしいアロマテラピー辞典/著:木田順子

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