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芥川はやっぱり面白かった『藪の中』

『ファブル』観終わって、丑三つ時。ブルーライトにやられた眼球のせいと、また空腹のおかげで眠れない。お吸い物とツナ缶とゆでたまごを作って(作って?)食べる。借りてきた『藪の中』を読む。芥川は高校1年の『羅生門』以来読んでないけど、初めて読んだ『藪の中』がめちゃくちゃおもしろくてそのまま収録されてある『羅生門』『地獄変』まで読み進めてしまった。久々に読んだ『羅生門』、高1のとき国語の授業で散々やったなあと思い出す。あのときの、学校の教室、空気、におい、友達の顔、先生の声や表情まで思い出せる。よくラストシーンを表した落書きを机やノートに書き込んでは友達とげらげら笑ってた。「この髪を抜いてな、この髪を抜いてな、鬘にしようと思ったのじゃ」そうそうそんなセリフと言いかたを、16歳のわたしたちはギャグとしていろんなところで使っていた時期。シーブリーズの香りが懐かしいね。プリーツスカートの折り目が懐かしいね。白いシャツの捲り具合も、男子達のはしゃぎ声も、女子達のかん高い声も、ぜんぶ懐かしい。

『藪の中』27歳にして初めて読んだ。今読んでも新鮮に面白いの、すごすぎる。「当時画期的としておもしろいと言われてきた」作品で、わたしがよくわからないのが『ブレードランナー』なんだけど、「当時まだ新しいとされていて今でも新鮮に面白いと楽しめる」ものってなかなかない。『時計仕掛けのオレンジ』は今だに新しくて今でも好きだし、『トレインスポッティング』も個人的に新鮮で面白い。そう考えてみると、この『藪の中』はやっぱり時代を経てもめちゃくちゃおもしろくて、だってまさか「わたしが搦め取った男でございますか?これは確かに多襄丸という、名高い盗人でございます_。」このあらすじだけで興味が湧いて借りてきた短い短編集のなかに、こんなに翻弄される話に出会えるなんて。当事者それぞれが自分が殺したと告白している。みんなは誰派?誰の考えが、言っていることが、本当だと思う?

そして、『地獄変』を読んでこれは三島由紀夫の『金閣寺』に通ずるものなんじゃないかとか思ったり。というのも三島はこの芥川の『地獄変』をヒントに『金閣寺』を書いたんじゃないのか。まあ、『金閣寺』ちゃんと読んだことないんですけどね。あらすじというか筋書きを知ってる程度だけど。全然内容違っていたらアレなので早速借りてきて読もうと思います。というか早く今借りてる10冊返却しないと次借りられないっていう…そもそもまだ読みきってないし…『杜子春』の途中でようやく眠気がきたので。また延滞メール来てたし…すみません…





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