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【虚偽日記】心情の祝詞

  「いつか、ぶっ殺してやる」
 そう心にとどめておくと、心が楽になった。

 私はどうやら感情の起伏が少ないようで、暴行されようが、強姦されようが、悪口を言われようが、特に気に止める事はなく、廊下ですれ違っても無視して私は歩いていける。

 それでもは私は人間で。ロボットじゃないから、ほんとに少量ずつ、けど確かに確実に、塵は積もって山になる。

「あぁ、嫌だな」って思うようになっていく。

 私を殴る先輩。
 私を犯すお父さん。
 私を虐める同級生。
 そうゆうのの積み重なりが、私に中に「殺してやりたい」という感情を呼び起こした。
 そうだ、殺してやればいいんだ。我慢できなくなれば殺してやればいい。

 嫌になれば殺す。殺せばいい。
 最悪こいつは殺せばいいんだから、我慢できる。
 我慢出来なくなったら、殺せば良いんだから。

 そう思ってから私の白黒の人生に色が挿すようになった。

 狭い、狭い、箱の中で。
 灰色の壁。
 茶色の床。
 知らない低い天井。
 娯楽はないけど、音が、匂いが、肌を触る世界の感触が、全てが心地よい。
 首に絞まる、チクチクとした硬いものすらも。
 

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