テスト作成の注意点(現代文編)

◆表紙と問題冊子

・表紙は必ず作る。開始のチャイムが鳴る前に、後ろの席まで問題冊子を回して、チャイムと同時にいっせいに始められるようにする。表紙がない場合、後ろに回すときに、問題が見え、生徒が問題についてうっかり口にしてしまう事故が起こる可能性がある。「事故は未然に防ぐ」が鉄則である。

・問題は、問題冊子にして、解答用紙は問題冊子に挟み込む。試験監督の教員の負担を減らし、チャイムと同時にテストを始めることができない、などのミスを防ぐためである。

◆本文の掲載

・本文は、基本的には全文を掲載する。前半だけ、後半だけ掲載して作問するなどということはしない。「こころ」など長い小説が試験範囲の場合は、重要な段落を試験範囲として指定し、テストにはその段落を載せて問題を出すと、テストの一週間前の段階で伝えるのがよい。(その段落以外の授業に身が入らなくなるため)。本文を掲載した段落以外でも、小説全体について問う問題を出すことは可能である。

◆抜き出し問題

・抜き出し問題は、別解が出ないようにする。「五字で抜き出しなさい」と指示したときに、ほぼ同義の五字の言葉があったりする。

・長文を抜き出させる場合は、「三十字以上三十五字以内で抜き出しなさい」などと細かく指示しておく。「三十五字以内」だけだと、該当箇所を二十字程度で抜き出した回答に対しても正解とせざるを得なくなる。

・抜き出し問題で、「二十二字以内で抜き出しなさい」と指示があり、正解は十九字などということはしないこと。生徒をいたずらに混乱させるだけである。二十字、二十五字、三十字など切りのよい数字にすること。

◆記述問題

・記述問題は、基本的には字数を指定する。小さな回答欄に、細かい文字でびっしり書いてくる生徒が現れる。

・記述問題の回答欄は、字数を指定してマス目を作っておくことが望ましい。「五十字以内で説明しなさい」と指定したとき、生徒が字数オーバーしているのかしていないのか、採点の際に教師がいちいち数えなければならなくなるし、字数オーバーする生徒も増えてしまう。

・「端的に説明しなさい」という指示について、「生徒は『端的に』という言葉の意味がわからないから、『わかりやすく説明しなさい』に変えてください」と言われることがあるが、「端的に」の意味くらい教えておきたいものである。将来、模試や入試で出てくる可能性もあるのだから。

・「〜のはなぜか。」という問題については、「〜から。」で答える。「〜とは、どういうことか。」という問題については、「〜ということ。」で答えるように徹底し、そういう答え方になってない解答については、文末不備として1点減点する。

◆選択問題

・「ア〜エのうち適切ではないものを選びなさい。」という問題は、生徒にとってはこのうち3つは正解だということになるので、本文の理解に繋がる問題と言える。

・「第何段落の内容の説明として正しいものを、選択肢から選びなさい」という問題は作りやすい問題だと思う。この問題を作るコツは、元の文章の言い換えの文章を作っていくこと。例えば、元の文章で「仲立ち」とあったら「媒介」と言い換える。あるいは、「硝子細工のようだ」は「繊細だ」と言い換えた上で、「単純でチカラ強い」と反対の言葉にして、不正解の選択肢を作る。こんな風にして、その段落の文を四つ程度に分解した上で、言い換えの文章を作って、三つはどこかに反対の説明を入れれば、生徒にとってそれなりに取り組み甲斐があると同時に、生徒の語彙力や読解力を問う問題ができる。この問題を作れるようになると、作問が楽になるので、意識して作ってみて欲しい。

◆対策プリント

・テスト前の対策プリントの配布については、クラスごとに有利不利が出ないように、横並びの先生で連携して、統一して行う。あるクラスでは配布しているが、あるクラスでは配布されていない、ということがないようにする。

・現代文の場合、テスト前の対策プリントは出さない方がいい。理由は、テスト前に出る対策プリントさえやっておけば点が取れるとなると、普段の授業で話を聴かなくなってしまう生徒が出てくるからである。話を聴かず、ノートを取っていない生徒がいい点を取れないのは当たり前である。

◆横並びの先生との連携

・事前の復習プリントの配布については、クラスごとの有利不利が出ないように、横並びの先生で統一する。

※今後も追加していきます。


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