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18歳になっても死なないで

7/21。視界がぼやける暑さに目を瞑りながら家から出て、下北沢 Daisy barで行われる愛しておくれ×超☆社会的サンダルの対バンへ向かった。お互い初対バン(フェスやO.Aで共演はしてるけど、ガッツリは初)で愛しておくれは3ヶ月ぶりのライブ。ドラムの星美さんに第2子が産まれたので、育休期間に入っていたので軽い活動休止後一発目。

個人的に愛しておくれのライブを見るのは2月のバレンタインぶりだったため、日付が近づいてくる度、どんなライブが見れるのだろうかとドキドキしていた。

会場につき並んでいると、18:30開演なのだが少し遅れるというアナウンス。理由は超☆社会的サンダルが千葉の方でMV撮影をしていて、その後直接会場まで来るという荒業を成していたからだった。サウンドチェックで軽く17を演奏し、会場のボルテージが上がるのを感じた。

「ウーロンハイ飲んでから始めよ!」とマシロさんとふじおさんが歌い、一気飲みをしてから「オニザワさん、熱中症ってゆっくり言ってみて」「ねえ、ちゅう、しよ♡」のお決まりの流れからの''熱中症''、「ぐるぐるぐるぐる目が回る これ誰のせい あんたのせい」のところはテンポがどんどん早くなりそれにつれて私の鼓動もバクバクするのがおかしかった。そして''魚を追いかけて''、マシロさんが「コードわかんない!」とタケマスターさんに聞いてふじおさんに「ほんとにやばいよ」とキレられてから始まった新曲の''チチンプイプイ''は呪いの吐き溜めのような曲で最高だった。

その後''バカマンコあかり''、代表曲の''可愛いユナちゃん''へ。曲前、マシロさんが「親しい友達にわざとユナちゃんだけを入れてバンドの上手くいってるような写真をあげてみたりしてるけど全然効いてなさそう。」と言っていたのが印象的で、言葉では形容できない表情をしていて勝手に切なかった。イントロで無音になる瞬間があるのだけど、あそこの緊迫感と張り詰めた空気は超☆社会的サンダルだからこそ出せるのだなあと感じた。

''薬を飲んでも''では、マシロさんが「お前らみんな死にたそうな顔してますね。薬を飲んでも飲んでも飲んでも死にたいですね あなた達も死にたそうな顔をしてますよ、でも死にたいからあたしと出会えて死にたいからここに居るんでしょ、ありがとね」と話していて、それに対し必死に頷いてる女の子はとんでもなく素敵な表情をしていて、勝手に羨ましかった。

最後の''17''ではマシロさんがフロアに降り立ち、モッシュが起こった。マシロさんに向かって拳を突き上げる人、「オニザワー!」と叫ぶ人、いろんな人がいて楽しくなった。目の前に来たマシロさんは(初めて目の前で、みた。)小さくて、全員殺してやるって目をしてた。でも、優しかった。頭掻きむしってても優しさの感情って見えるのって、すごい。脳裏に焼き付いた瞬間。

超☆社会的サンダルを見るのは2回目で、(前はフェスだったからガッツリみるのは初めて!)曲の中で、ライブでマシロさんの感情のとびらがバーンって開く瞬間が見えるのが好きだ。サンダル脱ぎ捨て裸足でライブするのとか、MCで好きな人の話した時とか。くしゃって笑う笑顔がとっても似合ってて、''かわいい''って心の底から思った。

あとふじおさんのベース弾いてる姿に釘付けになって気づいたらぼおっと眺めてしまっていた。楽しそーに音にのりながら頭振りながらベースを弾いてる姿をみてるとこっちまで愉快になってきてつい体が動いていた(Tシャツの真ん中でうねっているネコの目が、おもしろくて、目が離せなかったってこともあるかも。)ふじおさん、Twitter見る限りだとすぐ鼻血出してて「怖い人」ってイメージだったけれど、終演後に話しかけたらお優しくてごめんなさい…と反省。笑

ライブ中ふと下を向いたらマシロさんのスマホケースに挟まってるプリクラと目が合った。その気まづさが、学校で生活している時の私にピッタリで死にたくなった。だから、超☆社会的サンダル、見れてよかった。

ひっさしぶりの愛しておくれ。転換中からソワソワが止まらず、独り言もとまらず、隣にいらしたFFの方に「こっちまで緊張が伝わってきます…」と言われるほど落ち着きがなかった。お腹痛いし頭かち割れそうだし1分が永遠に感じた。ずっとすくい上げてくれた音楽だもん、どんな時もひたすら爆音で鳴り続けていた人たちに逢えるのだからこうならない方がおかしい。そして''Komm, süsser Tod/甘き死よ、来たれ''が流れる。聴こえた瞬間に、涙がこぼれた。

「オナニーの日。ひとりぼっちで自分を慰める日です!」と言いながらリッケンバッカーを掻き鳴らす中山さん。最初からモッシュがすごく、気づいたら柵前に。そして始まった''ユー・アー・ノット・アローン''。ひとりぼっちだけど、ひとりじゃない。「ライブが無い期間も眠れない夜も、ずっとそばにいるよ」というメッセージだと受けとって、「歌う」というより「泣く」という方が正しくなってしまった。

久しぶりのライブで高揚しているのか初っ端からダイブしまくる中山さんとてぺさんを必死に支える。潰されそうになるけれど、最高に楽しくて叫ぶ。そして中山さんが指を絡めてギュッて握ってくれる手に縋って、まだライブ始まったばかりなのに手汗まみれだった(最高)。こっちの目を見てぐしゃぐしゃな顔で笑っている時に「ライブって、生きるだなあ」と思いひたすらありがとう、ありがとうと唱えていた。

''サラウンド''ではあの長い長い前奏がカットでAメロから始まった。あそこ好きだったから物足りなく感じたけれど何だって良かった。目の前で爆音を浴びれているのが嬉しくて、この4ヶ月、死にたい夜に死ななくて良かったと唇を噛み締め、拳を突き上げ、ひとりぼっちの誰かに(あのときのわたしに)歌った。

「俺たちがどれだけあんた達のことを思ってるか伝わってないでしょ」「伝わってない?困ったなあ」からの''キャッチャー・イン・ザ・ヘル''は痺れた。中山さんはよく、歌っている時に手を組んで掲げる、祈りのような仕草をする。それに手を伸ばして、「こんな地獄のような世界で 何度君に救われただろうか きっと君に分かるはずはないだろう」このワンフレーズを歌った。全ての音が止んででっかい声だけが響くこの瞬間や愛しておくれに出逢えたこと、奇跡だなあって、色んなこと思い出してた。

てペさんのギターから始まる''セブンティーン''の前奏で会場の熱がどんどんあがり、中山さんの叫ぶような歌声でモッシュが起こる。必死に拳を突き上げてもはや、空気を殴っているといった方が正解なんじゃないかーってぐらい、なんでか痛かった。

高校生活、地獄だなあ 1学期、誰ともお弁当食べれなかったし食べたくなかった。と嫌な思い出が頭に蘇ったけれど、愛しておくれの音楽と一緒ならどんな時でも無敵だ、と中山さんの黒いTシャツで視界が埋まった時に心から思った。

「バンドに出会いがなくて、同い年や同年代のバンドもいるけど新しい人達と対バンしたくて、超☆社会的サンダル誘ってくれたら快く出てくれてありがとうございます、MV撮影後直接来るなんて俺たちだったら絶対に断ってるよ!笑」とお決まり(?)の自虐ネタも入れつつ感謝を伝える中山さん。

「タケマスターが仲間をバカにするやつにキレてるツイートが流れてきて、うわあヤバいドラムが居ると思って。挨拶したら普通だったんだけど。星美が抜けたら叩いて欲しいわ!笑」「嫌な大人ばっかりでお前たちの為なら1人2人俺が殺してやるから。俺意外と詳しいから。」と相手とのエピソードを混じえた話をしたり、「大人」に反発しようとしたりする、心強いかつ会場を巻き込むMCは流石だなあと思った。

夏のはじまりと終わりにぴったりな(イントロが好き)''永遠処女''、2月のBAYCAMPで初披露し、弾き語りの時にフルでやってくださった新曲の''ポラリス''(サビが最高とのこと)。もう完璧に歌えてしまうのにびっくりした、笑。そしてあ「お前ら歌えよ!」とマイクをこちらに向けて''わたしを夢からつれだして''を。「夢で逢えたら」\逢えたら〜/ \覚めたら〜/のコーラス部分、前弾き語りの時は人数が少なく囁くような声だったけれど、爆音かつ音程なんか気にせず、全員で、叫ぶように歌うのが聴こえて笑ったし、泣けた。

「俺これやりたいんだよね、熱中症って言ってみて! 違うの?ゆっくり言ってみて?おじさんだから分かんねえよ!」「熱中症ってゆっくり言ってみて」会場の 「ねえ、チュウ、しよ♡」、「俺もチューしてええええ!」からの''VS大人''は脳汁出まくったし合法で飛んだ。「抱きしめてキスして 2人で溶けちゃいたいな」の歌詞と絡めてのMCだと分かりテンションが爆上がりする。「かわいいあの子とエロい事して 一生終わればいいのにな」の時みんなひどいジェスチャーをするの、ママには秘密で愛しかったな。

''退屈はぶっ飛ばせ''の初っ端、「銀杏BOYZ!!」と叫ぶところで全員がひとつになっちゃうんじゃないかって錯覚した。隣にいたお兄さんが、汗ダラダラ流しながら身を乗り出して、中指立てながら歌って叫んでいるのをみて負けてらんないな、と、こういう人を見るためにここに来てんだよ、の感情が対立した。そしてダイブする中山さん、白目剥いて首ガクガク振りながら歌う(叫ぶ)姿は「ライブがないと死んでるのと同じ!」を確信するほどだった。ギターを投げ捨て大の字になって歌っていたのも超かっこよかったなあ。「全て」という感じがしたから。

最後に''チェリッシュ!''と''ダーリン!'' グッバイフジヤマの時からやっている定番曲だ。チェリッシュの「何だかなんでか眠れない夜は頭がなんだかどうにかなりそうで ✌︎」でピースするの、いつまでたっても楽しい。し、この曲は地団駄踏みたくなってしまうメロディで、あの子のことやりきれねーーーと想いながらポップなメロディに身を馳せる。

ダーリン、「どんな僕でも 愛しておくれ!!」と叫ぶ時号泣してしまい言語にならずふえふえ泣いてしまっていたら、中山さんがくっしゃくしゃの顔で笑う。毎日ひどくて、憂鬱で、でも愛しておくれやグッバイフジヤマがいれば綺麗な景色がみれるし、この曲あれば頑張れるんだから当たり前の事象だった。フラフラで全部出し切った!という顔をして去る。

そして星美さんのMCでアンコールが始まり、皆で第2子を祝う。そしてそこから始まるのは''ひとつになれないけものたち''だ。お昼休みに、声にならない痛みがあって、この曲は頭に力をくれるからどこ歩いてても何があっても取り繕えるね。

ダイブしまくる中山さんと、負けじとでかい声だすてぺさんと、コーラスの時には叫びまくるけんすけさん、汗だくになりながらビートを刻む星美さん、久しぶりのライブで音楽は勿論、メンバーの皆さん、ちょっと抜けてるMCとか言葉にならないこの空間が好きだなあと改めて噛み締めた。

最後なんでも言っちゃうの、相変わらずで面白かった。これで出れなくなったらもっと面白いけど(笑えない)! 「俺たちの音楽が聴きたければ生きて」と言い切ってくださるから、いきる。色んな人と音楽のお話もできて、嬉しかった。8月,9月も楽しみ。

後ろから聞こえる野次、歌声、眼鏡についてた誰のか分からない体液、中指たてて飛んだり跳ねたり頭振ったり、満員電車のような圧迫も全部全部全部全部全部全部全部ぜーんぶ愛しく思えるのは音楽のおかげだし、中山さんがいるからだし、失いたくないな。愛しておくれがずっと歌い続けてくれますように。

「18歳になっても死なないで」 ありがとう、これからもあいしてるよー。

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