「11月10日」
朝からどんより空は曇り、今日は雨。
そしてちょうど1年前の11月10日は、左胸の異変に気づいた日。
左腕が左胸にポンっと当たった時、痛みを感じた。
「あ痛!」
「え?!なんで胸が痛いんかな?」
触ってみると、胸が全体的に張って、ゴツゴツした石のようなものが触れた。
右胸はなんともない・・・
目の前が真っ白になった。
そこから私の生活は一変した。
そしてそれから1年。
あっという間の1年だった。
前回のnoteにも書いたように、まるで夢を見ていたかのような・・・
みんなは時間の流れと共に前に進んで行けるのに、私だけ時が止まってしまったような・・・
真っ黒な世界にポツンと一人立ちすくんで、2022年の11月10日に立ち止まっているような・・・
そんな毎日だった。
一気に『死』というものが目の前に迫ってきて、自分の時間は無限ではないことを自覚した。
治療を受けるか受けまいかと治療の前日まで悩んで、弟と友達を困らせたけど、結局治療を受けて今日11月10日、私は
生きている。
運悪くがんになった。
でも、運よく治療は奏功した。
運よく自分で見つけて、運よく信頼できる主治医に出会って、運よく治療を早く始めてもらえた。
そして、運よく化学療法が自分に合ったのだと思う。
もう、自分でコントロールできることは何もなくて、本当に運がよかっただけ。
そう思う。
こうして、私は自分の人生と運と周りの人達に生かしてもらった。
だからこそこれからはもっと自分を大切にして、ゆっくり丁寧に生きていかないといけない。
そうしないとバチが当たる(笑)。
最近は、お風呂から上がってハーブティを淹れて、Netflixで映画を見ながら、リンパマッサージをしてボディローションで保湿をしている時間が一番幸せな時間だ。
『今日もありがとう』
と無事に過ごせた自分の身体に感謝する。
来週から術後のキイトルーダが始まる。
6ヶ月休んだ仕事にも復帰する。
私の人生第2章が始まるような気がする。
どうか、どうか、穏やかに過ごせますようにと願ってやまない。
そんな雨の2023年11月10日だった。
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