「最強」の3000円美少女プラモケリー・ジャネットは中国から日本への挑戦状だ

フルタイムヒメカ　ケリー・ジャネットは大火鳥製造 & 和模線から発売の
税抜き3000円の美少女プラモデルだ。

3000円にも関わらず、少女本体、オプションの鳥型メカ、
台座に銃やビーム刃といった武装まで付属の充実の内容である。

組んだ身として言わせてもらうと、3000円は破格。
1万超えてもおかしくない内容だ。

「すっげーお得じゃん！ じゃあはじめて買うプラモはケリー・ジャネットにするわ！」

そう思う人もいるかもしれないが……

プラモ初心者は絶対に買うな。
絶対にだ。

上級者向けプラモというと、
色が単色とかそういうのをイメージしがちだが、
ケリー・ジャネットはプラモデルの作法というかお約束というか、
そういうものを知っている熟練者……
とにかく様々なプラモを組む経験を積んできた人のための
プラモデルなのである。

「ここは他の商品に流用したいからこういうランナー配置なんです……」
「これとこれは違う部位だけど成型色同じだから同じランナーにしよう……」

そういう「甘え」のランナー配置はケリー・ジャネットに存在しない。

「うちのケリー買うくらいだったら美少女プラモ組み慣れてるな？ じゃあランナーと繋がってるピンを迂闊に切り飛ばしたりはしないよな？」
「モデラーだったら片刃ニッパーくらい持っているな？ ほぼ全パーツアンダーゲートでも適切に処理するんだ。」
「ランナーは色ごとにきっちりアルファベット分け、同じ部位のパーツは隣りあわせだ。組みやすいだろう？」

……そこにあるのは買い手に対する絶対的な「信頼」。

買い手への信頼が見えるからこそ、組んでいて気持ちいい。
制作者と対話しているような独特な組み心地が感じられるのだ。

かなり多くプラモデルを組んできたが、
ケリー・ジャネットほど楽しかったプラモは他に存在しない。

中国のメーカーが送る、日本のモデラーとホビー会社への挑戦状。

プラモデルというものががどうあるべきか。
それをケリー・ジャネットというプラモを通して、
問うている気がしてならないのであった。