泉鏡花『眉かくしの霊』の奈良井宿「桔梗ヶ池」
きのう奈良井宿に立ち寄った。江戸・明治の時代まで時間を遡ったかのような錯覚に陥る。道路開発の対象とならなかったことからこの街並みが残った、と聞いたことがあったが、そういう偶然があったとしても、大変なご努力で守ってこられたのだろう。
奈良井宿は中山道六十九次、そのうち木曽十一宿の一。江戸時代に栄えたという。
木曽路というと、文学では島崎藤村『夜明け前』の舞台として有名で、奈良井もたびたび登場する。が、私にとって奈良井といえば、なんといっても、泉鏡花の怪異譚『眉かくしの霊』の舞