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物語

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2022年7月の記事一覧

奇妙な山脈

あの稜線をなぞって こちら側の麓まで 足腰の期待を背負って 今は目もやれない けど、けれどもとまだ 言い訳をつなぐ 甘やかされて育った人はやさしい 奇妙な国に生まれて 奇妙なサラダを食べて 見晴らしの良い場所まで 駆けて駆けて 奇妙な模様の雲や 奇妙な歌の節々 言葉が増えてもまっしぐら すぐにまた原っぱ

zip.

痛みを携えてくる 預言者たちはお利口で 出前を受ける直前に 扉開けたその隙間から 増える未来を裏切って 祭壇に逆立ちしたまま 時を経ていた、それにさえ まだ気づかずにいたけど 擦れて 燃えて 途切れた後 海面に浮かぶ幻が 強くも 弱くも どちらとも あるような光色で すると今や露わ 言えない言葉と涙が 恐ろしいほど溢れて 誰しもが虜、でも とても恐怖はない

ノーパーク

同意もなく夜がまた 新しい陰を塗り潰して 能面のアスファルト転ぶバイク 飴細工のようにはいかない手首 仕組みを教えてくれない言語の罠に おおよそすべてがすっぽり被さり ウトウトしている黎明期のように