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なんか変

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2022年4月の記事一覧

悲しみがうるさくて

殺しかけた夢の胸ぐら掴んで 「並ばなければもらえない」 ということを伝える 「誰が誰にモノ言ってんの」と 自分以外のαとβに 弾け飛ぶ前の首に向けて 耳打ちされているようだ

ふたり

自分がグレーでも誰かがピンクであれば 世界は通常通り継承されていくかと 思えば実はそうでもなくって いつまにか逆転していたと気づく夜 私のグレーは近所をぐるりと彷徨って また朝方には戻ってくるのだろう 思えば長い年月を支配したこの2色は 総合するとグレーが広範囲を占めるのだが 圧倒的にピンクが塗り替えしてしまい その印象が常に強烈であるがゆえ そちらが世界の中心軸にされがちだ でもよく考えてみてくれたまえ うすぼんやりとしたグレーたちがその ピンクの輪郭からそとを埋めていて

正方形について

このままではどうだい それでもまだいいかい 黒い私に構うなと手を引いて 最悪の間違いや その繰り返しを今や ライフワークと呼べるようになって その背後をただ 漂うようにそれらを 四角に包んでいた

施工する奥歯

紫色になっていく団地の窓で あなたはカーテンに巻かれて ホワイトアスパラ苦手だった 幼き日のベーコン巻き 思い出す 稚魚たちがざわめく夜の池を 2人は通り過ぎていた 大人になったらまた逢えると 世界の広さを見誤ったり 頭の内側から破裂する そんな恋に憧れてあぶれて どこ向きの風が吹いたのだろう 私は動けなかった 柔らかな場所に座りながら世界は 少しずつ空気を失っていく あなたは噛み砕いたそれら全部 隠さないで一重瞼 この海が枯れるまで

誤情報

誤情報誤情報 隙間なく詰めて立てる塔 階段ないから降りれません 誤情報誤情報 冷たくなるまで美味しい余熱 苦し紛れに滞空していたい 誤情報誤情報 差し出す両腕どこの馬の骨 これより先は存じ上げぬぞ 誤情報誤情報 ドラッガーよろしく悪魔の魔法 狭くなる脳びちょびちょに湿る