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なんか変

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なんか変っぽいうたをまとめていきます。
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2021年6月の記事一覧

ピースメーカー

ピンク色を纏うたびに 私の中で何かが解ける感じがする アイスクリームではパルム パルムの内側だけが溶けきっては また固まってまた溶けて固まって あなたの知らないバニラ部分は 精製と溶解を繰り返している 肌を焼くのは夏だけじゃなくて 冬だってそうだよって 男性は思わないかもしれませんが そんなことないかも、しれませんね 私のスマホにぶら下がるくまモンたちは 間違い電話をすぐにかけるのです

ベーコンちゃん

うふふあははで捏ねた生地 でっかいオーブンにぶち込んで 強火で鉄板 拷問みたいに 刃渡り8cm 情けは無用で 飯はまずいが腹は減る 厚くなるまで太らせてやる

ドリームデリーター

それは虫で 今なおあなたの脳内を這いずる そしてそして 忘れないうちに忘れようと試みる 恥ずかしいから 発露する影 世の中には見えなくても 今はいいのと 恨み節

月って退屈

まんまるぽっかり夜の海 ふしだらなことしていたら そっくり吸い込まれちまいそう 小舟にまんたん空のやみ いつぞやにみた月の色 ピンクがかってヤバかった 死ぬ気で外出た帰り道 いつのまにかもう10年 まんまるぽっかり夜の海 ふしだらなことしていたら そっくり吸い込まれちまいそう 小舟にまんたん夜のやみ

朝顔

変な方向に伸びている 朝顔たちの視線の先に 太陽はありません 水さえもらえばどこでも 上でも下でも左でも向くし 咲かないことだってできるでも ただ私たちは水が欲しいから あなたを向きたいのです 水をください ミネラルウォーターはいいです 遠い外国の湖のほとりとか 山の麓で沸いてるやつとか そんなプレミアムはいらない あなたの家の真水を あなたの手で注ぐのならば 水道水でいい

Designs

デザインされた記憶を辿って 私はまだ抗っている 言葉に漏れない気持ちを載せて 生活を補っていてる 彫刻された顔面のように 光を宿らせようとしている 平熱ですら煩わしいほど 芸術が沸き踊っている エナメルの街 高速の赤青ランプ 天空の城が落ちる前の空 オルゴールの時だけ素敵な音楽 馬に蹴られる夢 音がない方が怖い友人の笑顔 想像するだけは足りないから 私は今日も描かなければ

答え

正解例だけ並べて
 曖昧にさせるテレビ 
受験受かった気になって 答え合わせしないみたい

真空とハッピー

笑う人の大きな口に吸い込まれて 見るも無残な 僕らの背中は 誰にも追い越されやしないだろう でもさ 本当は羽根が生えてて 今は捥げてしまっただけだと 空飛んで出社していた頃の 記憶と熱が宿っています

デザートムーン

氷の硬度を調べたい 調べたい真夜中の暗さ 三つ編みの硬度を調べたい 調べたい泡銭の卑しさ 額痛い皮剥がれたひとひら 無限のようなエンドレス 違いない疑惑だらけな真実 非正規で定期的に保護して

ヘラクレスオオクワガタ

開かない瓶を開ける腕の 筋肉が隆起し続ける 信号を待つ右肩の 汗ばむ熱を太陽が焦らす 家電に迷う右脚が 踏み出す先の子供が喚く パズルを崩す指間の 水掻き部分に風が宿る ウッドベースのようなあなた 知らぬ間に闇を飲み込んでいった 光ばかり見ているとやがて 目ん玉焼けて焼肉の匂い いつか食べた牛角のような 残してしまったナムルのような あなたは豚肉を食べなかった 包丁振り落とす右手が ギロチンみたいに見える 頭を振ってノる後頭部の 見知らぬ路地へ続く穴ぼこ

超不明

エナメルなカクテルでぶっ倒れて朝 麦色が乾いていつ間にか砂漠 劣化じゃなくて進化と言い張る奴らは 胸糞悪い映画を教えてくれて神 ルードな街は下水臭くて何だこれ しかし靴を鳴らせば金生えるオアシス 捲れるまでは超特急の速さで 風も温度も時間も感じなくなるまで麻痺 システムエラーの隙に好き放題やっときゃ 遠すぎた後それらは残像になります バッドライフにグッドシンキングをと 謎な呪文を朝昼晩唱えながら消しかける 明日は待ちに待った オリンピックの日です

ソナー

軽薄な人なんですけどいいですかね 女を紹介しろとせがむ愚かな私に 年下の同僚の女は悪気なく吐いた お前の目に映るそいつなのか 不特定多数の意見なのだか知らんが それはどういった具合のメッセージなのか それもよく知らんが 懐の深さやら人間としての格やら器やら 容積的なものを測られているのか 違う、この女は船で よく池の深さとかを測る機械あるじゃない ああいうもので地下に信号出して 跳ね返りを見ているのではないだろうか ともすればもう遅い、もうこの時間が 取り返しのつかないことを

婚約記念日

近すぎて見えなくなるほど見えてくる それらに名前は与えない 名前は呪縛で 古の書物にある何かを鵜呑みにしている 名前を付録にしよう あなたのフルネームは 捨ててもきっと再利用されるわと 彼女の口の端から溢れた笑みが 同じルートを辿りながら 噯気の奥の 奥の奥の奥で落ち着いている

泥の太鼓

泥の太鼓で虚勢を鳴らせ 割れんばかりに ドンパカバンバンバン