マガジンのカバー画像

なんか変

312
なんか変っぽいうたをまとめていきます。
運営しているクリエイター

2021年4月の記事一覧

睡蓮

口から出てくる音の奥 その後に含む意味を見ろ 得てしてそれは美しい とは限らないけどやたら見ろ 悲しい目をした水浸し その脇に注ぐ泉を見ろ 止まない雨などありえない とは限らないねと試みろ 語られない先にある 戻り水に咲く花を知る

変態

麦色の羽根をバタつかせ 逆さまの部屋が回り出す 灼熱が肌をやわらかな おいしい匂いを施せば 永久不変のアレコレも 一時停止してブレる画面 ヘスター博士がうらぶれて 程よい動物に変わります 汚れたおでんを食べながら 腹の据えどころ探ります チャンネルなんて概念は とうの昔に捨て去られ 剥き出しの包皮が晒されて あえなく花は咲き続け 踊るタイミング逃したら 棒立ちで壁の陰の上

ヨーグルト

ヨーグルトに砂糖入れず 食べる人もいる ヨーグルトに砂糖入ってない ヨーグルトを買ってしまって すごく損した気分になったが ヨーグルトに砂糖入れず 食べる人もいるから ヨーグルトに砂糖入れず 食べる人を怒ってはいけない ヨーグルトに砂糖入ってない ヨーグルトを買わないようにしないと ヨーグルトに砂糖入ってない ヨーグルトを買ってしまったら ヨーグルトに砂糖を入れて 食べればいいだけじゃないか

100%の国

恨むことを辞めて人は100%人 そんな言葉を吐いてた老人さんが とても穏やかな顔で亡くなった知らせを 私が聞いたのは戦地に向かう汽車の中で モバイル時代に戦争なんて時代遅れだ リアルでのやり取りなんて唾液の等価交換 なーんて話を帰路で戦友としてた時 くしゃみが煩い駅員に敵意を向けながら 本当は帰りたくない田舎に帰る 未だに妻は私の決断をよく思っていない それどころか彼女は娘に父親は裏切ったの 私たちを置いて地獄に遊びに行ってるの とか悍ましいことを言っているらしくて参る 汚れ

触れない日もあるよ なぜか なぜだろう? 騙せない日もあるよ きみが きみじゃない? すごく大きな岩が 割れて崩れて すごく小さな石が 転がり散らばる 失くなってしまった 多くのものはいつか ポケットの奥の ブランクスペースで ずっと待ってる

Debris

ポロリみたいな感じで 突然出てきた衝撃ニュースに 心臓はすぐに虚勢を張って 脳は気持ち悪いサウナみたい

体育

かぜ引かぬ用に気を付け 朝昼晩いつでも 悪い噂は耳障りだから 金輪際無視して 卑怯なことばかりではないよ 浅ましい腹立たしいけれども 許すことを辞めないで 驚かぬように備えておけ 朝昼晩いつでも その身体あとどれくらい持つ? もう一回ハグして 立ち上がれ

土星の輪

君が嘘つきになりたいというのなら 俺はお前の舌を引き抜いて笑ってやる 最後の曲が終わる頃に見えた 危なめな残像の話をしただけなのに 僕はいかれてしまっているのかを 確かめるようなのとはできやしない 普通が怖くて異常になりたいだなんて 平和な国のアンチ-クライシスなのかな

スーパー春

どうにかして懲らしめたい 鬱屈からもう抜け出したい 起き抜けに春に飛ばされて 目の前が薄ピンクのモヤの中 夢の中でおやすみなさい 覚めない夢には始まりがない 時々でいい思い出してください 思い出にだけはしないでください 斯くなる上は生きてみてください 生きる意味からは離れてください

残念なお知らせ

ありふれたことをした 退屈なことだけどどれだけ 素晴らしいか思い知らされて 深い夜の中で俯いていた 遡れば良いわけではなく 勘違いもいいとこ込み上げる 何もない場所に響く謎の音 理解することもできぬまま 旅は続き旅は終わり後の祭り 指加えて見ていた見過ごした景色 今更現れてもらっても困るが 世界の始まりを思えばきっと こんなに長く続くとは思わなかったよ エピソード何個つなぎつなげば 終わらせることができるの 夕暮れから夜に変わる 川下から海が始まる その真ん中がちょう

バタフライ

僕はいつも 力不足 果てることだけ 怯えて 空の重力 包容力 甘えている 三男坊 強くなったら 終われるんかな? 網の大地で 転ばぬように

浸透しないで

突発的な安心感に魅了されて また夜空にふんわり騙された 構造から理解しようとしても もったいぶった謎が解けない 自意識過剰を過小評価した 争い絶えないこの世の沙汰ねと 冷え切った目とサバサバした脳 落第したって私たち人間 震えているとなんだか 生き物みたい不思議ね 平然とまた朝日が昇れば ああとりあえず感の今日 笑ってばっかいるよりは 黙ってばっかいてたいの ってわかってなんているよりは 知らんぷりして果てたいの 変わってるんだこの人は 触ってもっと奥の方が やばってなんか

あこがれ

例えば恐怖に支配されて 足がすくんで立ち止まっても そんなものはほとんど病気で エロいこととか考えときゃ進める 例えば正義に打ちのめされて 全身ムチウチみたいになっても そんなものは単なる幻想で グロいものだと考えときゃ進める 緩い円の重なっている部分に 色を塗って潰して その中心に縦線を引いたら 憧れのような世界が開く

改装

押されて剥ける果実のように 花がたくさん咲き乱れ 釣られて踊る阿保のように 人が見上げる宴を成す あたかもまるで春景色 とぼけて化ける狸の奇異 夜の向かいに部屋があり 扉の裏から波が聞こえる