リニューアルした金魚ミュージアムに行ってきた

 2018年に開業した奈良市にある商業施設「ミナーラ」に入居している「金魚ミュージアム」にリニューアルしてから初めて行ってきましたので、筆者の個人的な感想や考察などをお伝えします。

尚、写真については私が運営している観光情報サイトに公開していますのでそちらにてご確認ください。

観光型商業施設「ミナーラ」と「奈良祭都」

 「ミナーラ」は、これまで「奈良そごう」「イトーヨーカドー奈良店」として活用されてきた建物を引き継ぎ2018年に開業した商業施設です。オープン当初より「観光型」と名乗っていることが特徴で、建物の4階に屋内型テーマパーク「奈良祭都」を構え、「金魚ミュージアム」「忍者タウン」「縁日」「トリックアート」がエリアとして存在していました。新型コロナウイルスの影響からか、現在は「忍者タウン」「縁日」の運営を取りやめ、「奈良祭都」の看板を外し、「奈良金魚ミュージアム」としてトリックアートコーナーを吸収して運営されています。尚、運営者も交代しており全国各地で水槽をアーティスティックな手法で展示している芸術集団の会社が運営しています。

 尚、ミナーラの「観光要素」については、ひとつの記事ができてしまいますので、別の回にてお伝えします。

金魚ミュージアム拡大の様子と今後の期待 

さて、今回のリニューアルで一番の注目が「拡大」したという点です。この拡大されたエリアは旧忍者タウンを改装したもので、忍者タウン当時の内装や映像装置を活かし、追加で装飾を行った部分もありましたが、壁を大幅に取り払った部分(吹矢や手裏剣体験ができた所だったかな?)もある様子です。忍者タウンの内装を活かしながらの改装し、金魚ミュージアムとしての拡大となりましたが、居抜きの違和感は無く、むしろ、うまく活用しているという印象でした。

 (元々、忍者タウンとして開業した際も、忍者の空間に没頭できるような雰囲気作りがなされており、エイジングなどの手法も用いて完成度は非常に高い空間でした。)

 詳細としては、忍者タウン入っての通路→装飾を追加し水槽を設置。忍者ショーの劇場→壁を取っ払い広い空間に改装。ステージ”しもて”映像装置→ステージ含めほぼそのままで金魚の映像を放映。ステージ”かみて”→ステージ構造はそのままに忍者屋敷風セットを隠すようにスクリーンを貼り映像投影と水槽を設置となります。

 ただ、旧忍者タウンのエリアは今回の拡大オープンで活用されている面積だけではありません。忍者タウンの入場料金に追加料金を納めると忍者の修行のような体験ができたアトラクションが奥にありました。今回の金魚ミュージアム拡大オープンではこの部分は活用されておらず、扉で締め切られている様子です。筆者はこの「奥の部分」には立ち入ったことはありませんが、和風な内装で仕上げられていることは想像に難くなく、今後の拡張オープンに期待ができます。

金魚ミュージアム概況

 「奈良金魚ミュージアム」は「金魚をアーティスティックな環境で飼育と公開を行い、それを見物したり写真を撮影することができる施設」です。ミュージアムと名乗ってはいますが生態の学術的な展示はほぼ無く、「ぱっと見て面白い」内容に仕上げられています。

 当然のことながら、最近流行りの「フォトジェニック」「SNS映え」が期待できる内容であり、ターゲットはカップルや家族ずれであることが安易に想像できます。それに反し筆者は男26歳一人で行きましたが、十分楽しめることでき、薄暗く落ち着いた空間で非常にリラックスできる内容の中で夢中でカメラのファインダーを覗いていました。

奈良には貴重な観光資源

 奈良にはこの手の観光資源に乏しく、今後の奈良観光のアピール戦略としては非常に大きな期待をしています。同様に屋内型の観光資源はこれまでもありましたが、その内容は専門的な博物館に近く、金魚ミュージアムのように「ぱっと見て面白い」「簡単ですぐに理解ができる」「都市的な観光資源」という施設は「平城京VRシアター」程度でした。「金魚ミュージアム」の拡大オープンによる集客力向上は、新大宮エリアのみならず、隣接する平城宮跡歴史公園や奈良市街全体の魅力向上に寄与することでしょう。

 奈良としては目新しい要素がある一方、全体的に「和風」「日本体験」というテイストが多い奈良市内の観光資源の中で、「金魚」はそのテーマに非常に近いものであり、「旅行のテーマ」もブレずに楽しむことができます。さらに、「金魚」は奈良市に隣接している「大和郡山市」の特産※であり、金魚ミュージアムは「旅先の特産を楽しむ」という旅行の醍醐味をも満足する観光資源の一つと言えます。

 ※=金魚ミュージアムで飼育されている金魚の全てが大和郡山市産であるという指摘ではない。

 ミナーラが立地する徒歩圏内のエリアは「奈良蔦屋書店」の開業、「朱雀門ひろば」の開業と、新しい「奈良らしさを活かした都市的な観光資源」が相次いで開業しています。また、2021年には奈良市街の100円バス「ぐるっとバス」が大和西大寺駅に延伸をし新たな移動軸の形成も図られています。この点については上でも述べました別記事にて詳しく探ろうと思います。

まとめ

 「奈良金魚ミュージアム」の拡大リーニューアルによる魅力向上は、奈良市全体の魅力向上にも大きく寄与するという内容をお伝えしました。残念ながら2022年版るるぶには掲載されていませんでしたが、大手媒体への掲載や未利用地の活用も含めた今後の展開で、新大宮から朱雀門にかけての観光資源集積地として大きく飛躍することを期待します。

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