クッキーと煮豆の話

年末の会社の納会がなくなって
福利厚生費で全員
クッキーをもらえることになった

いや、クッキーて。

って、思ったけどさ。

入社1,2年目のかわいい職員が
配りにきてくれてるし
(しかもトナカイ色の服着てた、かわいい)
在籍3年目ともなると
よく訓練されているので

「毎年参加さえしてなかった
 納会のかわりに
 クッキーもらえてラッキー」

くらいに
思っていた

斜め前の同僚も
特定班よろしく
芸術的な速さで
値段を調べあげて
(ちなみに1,512円)

「どうせならQUOカードの方が
 よかったよね~」

とネタにしていて
笑っていた

矢先

目の前の席の
在籍30年目くらいのおじ…お兄さんが

「いや、これ
 いらないから」

と、クッキーを配ってる若手職員に
ちょっときつめに
つき返してるのを見て

わーーかーーるーー!


とも思った。

この方とは何件か
仕事がかぶっているし
何より毎日目の前に
いらっしゃるので

忙しそうか?
余裕がありそうか?

は(自分の想像上でしかないけれど)
だいぶ伝わってくる

その日は明らかに
忙しそうだった
余裕がなさそうだった
「イライラしたいモード」だった

そこに
会社の悪しき風習(?)を
象徴するような
絶好の燃料(クッキー)投下

まぁ、燃えるよね。

イライラが先。
クッキーがあと。

火種が先。
燃料があと。

他人のことならよくわかる
他人のことならよく見える
ものだなーーーと思った、朝。



その日の夕方
前職の同期と
食事をした

いろいろ文句は言ってるし
転職もしたけれど
わたしはいまの職場も前の職場も
”人”にかなり恵まれている
と思っていて

こうしていまでも
前の職場の同期と縁が続いていること
(ていうか月1で会ってる、仲良し)
心から幸せに思っている

どうやら
前の職場も
福利厚生費で
煮豆をもらったらしく

「いらねー!!」
「クッキーの方がましじゃない?」
「煮豆持ち帰るの重いしー!笑」

とひととおり肴にして
楽しんだところ

出向中の同期が

「俺、出向先に煮豆届いて
 『忘れられてなかったんだ』
 ってちょっと嬉しかったんだよね」

ほろり、と言っていて

恐るべき福利厚生費!

立場や状況
そして何より『状態』で
受け取り方はこんなにも
違うんだなーーーと

しみじみ思った
寒い寒い冬の日だった。

美保



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