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本を知る【ドクター・デスの遺産】

どうも皆さん。平凡です。

今回紹介するのは、小説。『ドクター・デスの遺産
私が好きな作家【中山七里】さんの【犬養刑事シリーズ第四弾】の作品です。いきなり第四弾から紹介するという悪行で申し訳ありませんが、この作品が特に好きなので紹介させてください。これをきっかけに犬養刑事シリーズに目を通してもらえればと思います。また、この作品は実写映画化もしましたので、映画から入ってもいいと思います。
ミステリー小説なので、ネタバレ要素を控えめにしながら紹介していければなと思います。

1.作者について

まず、作者の【中山七里】さんについて簡単にご紹介。
48歳のときに『さよならドビュッシー』で第8回このミステリーがすごい!大賞を受賞。
作風としては、音楽ミステリー路線ダークでシリアスなサスペンス法律路線など幅広く手掛けている。
また、作品ごとに主人公は異なるもののほとんどの作品で出版社の枠を超えて話や世界観、登場人物がリンクしている。『合唱』という作品では中山オールスターとまで言うほど、様々な作品から各作品の主人公が登場している。

執筆スピードが早く、デビュー10周年には12か月連続刊行として、毎月小説を発表していた。ただ、それが無くても普通に作品が世に出るのが早いので追いつくのが大変です。

主な作品としては下記のものが挙げられます。
▼岬洋介シリーズ
 『さよならドビュッシー
 『おやすみラフマニノフ
 『いつまでもショパン
 『どこかでベートーヴェン
 『もういちどベートーヴェン
 『合唱 岬洋介の帰還

▼御子柴礼司シリーズ

 『贖罪の奏鳴曲
 『追憶の夜想曲
 『恩讐の鎮魂曲
 『悪徳の輪舞曲
 『復讐の協奏曲

▼刑事犬養隼人シリーズ
 『切り裂きジャックの告白
 『七色の毒
 『ハーメルンの誘拐魔
 『ドクター・デスの遺産』▶今回紹介する作品
 『カインの傲慢
 『ラスプーチンの庭

『ヒポクラテスの誓い』シリーズ
 『ヒポクラテスの誓い
 『ヒポクラテスの憂鬱
 『ヒポクラテスの試練
 『ヒポクラテスの悔恨

その中でも今回は『ドクター・デスの遺産』を紹介します。

2.あらすじ

悪いお医者さんが来て、僕のお父さんを殺しちゃった」という少年の通報から物語は始まります。

最初は子どものイタズラかと思われたのですが、その声があまりにも悲痛だったため、警視庁捜査一課強行犯係麻生班で警部補をしている犬養隼人と部下の高千穂明日香の両刑事が少年馬籠大地のもとを訪れます。

彼の父は末期ガンで苦しんでおり、それが一人の冴えない中年医師と看護師の往診を受けたのち、眠るように亡くなっていたというのです。

少年と母親の供述に矛盾を感じた犬養は、遺体を病理解剖にまわし、そこで大量にカリウムを摂取していたことが判明します。

そこで、彼女を取り調べで追及していくうちに「ドクター・デスの往診室」というものがネット上に存在することを聞き出します。

そこは......

ドクター・デスに「今の病状」といった患者データを詳しく書き込み、苦しまずに安らかな死を望みたいと「安楽死」を切望するサイトだったのです。

サイトには様々なコメントが寄せられており、それらを頼りに目に見えぬ犯人を求めて、犬養たちは捜査を開始します。

といった形で物語は始まっていきます。

ドクター・デスの正体。
繰り返される安楽死による連続殺人。
囮捜査の失敗。

などなど、様々な展開が繰り返される中「安楽死」は悪なのかというテーマも含まれており考えさせられる部分が多い作品となっております。

3.作品の見どころ

この作品の見どころは、犯人と繰り広げられる心理戦です。

主人公の犬養刑事には、病を患っている娘がいて、その娘を利用した囮捜査を行い、失敗に終わります。
娘の命は助かりますが、その分恐怖を刻み込まれました。

また、今回の厄介な部分は、被害者家族の依頼の元、犯行を実施しており、被害者家族は悲しむより助かっているという声が大きい。
しかも、目撃しているはずの犯人の顔に具体的な特徴は無く、似顔絵もまともに出来上がらない状態。

掴めない犯人の足取りを追う中で、のしかかる「安楽死」というテーマ。
そして何よりも最後に訪れる、主人公たちの葛藤のシーンは、読んでてぞわぞわしました。

上手く伝えられているか不安ですが、やはり作者の特徴である「どんでん返し」の演出がとても良いです。

4.最後に

今回は私の好きな作品『ドクター・デスの遺産』を紹介させて頂きました。ネタバレをしないように紹介するとうまく紹介できている気がしないのは文才力な気がするのでもっと磨いていきたいと思います。

こんな記事でも作品を読むきっかけになればと思いますので、ぜひ手に取ってみてください。

では、また。

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