第9世代型戦争

今次のウクライナ戦争をみるに、機動戦士ガンダムで行われたような有視界戦闘の現実味が帯びてくる。

安価になったドローンによる飽和攻撃を防ぐためには、対ドローンとして、EMP(electro magnetic pulse) のような妨害電波、マイクロ波の直接照射を使った防空システムが必要になってくるであろう(仮に無電磁結界と呼ぶ)。

そう考えると、最前線ではお互いが電子機器を無効化するために使用する防御手段によって、電子機器を使った兵器が無効化される。

第1次世界大戦時のように内燃機関で出来た電子機器を使わないガソリンやスチームを使ったような兵器が使われる。

電子機器が無効化された戦線が形成され、さながら第一次世界大戦の西部戦線のように、塹壕を挟んで肉弾戦が行われ、その前線を突破した側は、相手の後方にある無電磁結界(電子機器無効化装備群)を破壊し持って、ドローン攻撃による飽和攻撃で防御ラインを突破することになる。そのような様相を持つことになる。

一時期のボタン戦争とは、違った様相になるだろう。

ただことはそう簡単にはいかないかもしれない。精密な電子機器による爆撃が不可能にはなるが、妨害電波が届く範囲を大きく超えた超高高度からによる航空爆撃も、一つの手段になるであろう(復活)。

 更には、これに対しこの爆撃機を工学的またはレールガンのような物理破壊をする兵器の発達もまた進むかもしれない。この領域はさながら第二次世界対戦までの大艦巨砲主義にも似たような構造なのかもしれない。制空権のあり方は、レーザーとレールガンによって担保される。

情報伝達も電子機器の無効化に伴って旧来の人手による情報伝達か光学的なものに頼らざるを得ない。衛星軌道から情報を対EMP防御された通信設備(仮にポータル)に、リアルタイムには情報伝達するものの、ポータルから最前線の兵士には、書類か伝令の口伝を使って運ぶことになる。通信をレーザー通信に頼るということもできるのではないかと思う向きもあるかもしれないが、レーザー通信をデコードするための電子機器を運用することが不可能になり、レーザー通信も使えずこのため従来的な伝令方針になることになるだろう。

ドローンが戦争のあり方を変えたけれども、次のルールチェンジャーは、前線での電子機器の無効化装備だろうか?


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