詰めSplendor①

最近の対戦で、難しい局面に出くわして、振り返ってみると詰み筋を逃していたことに気づいたので、書いてみる。

局面は以下の後手の手番。黒白青貴族をめぐる攻防で先手に先行されていて、点数的にもリードされ後手としてはかなり厳しい状況。しかし後手にはほぼ勝ちが確定する、かなり強力な一手が存在する。

それは、△+白赤-青緑のトークン入れ替えである。先手は予約枠に白5を予約していて、白or金が1枚入れば2点+貴族3点でかなり優勢となる。予約枠は埋まっているため、これを防ぐには白を回収するしかない。
 一方、後手番目線で考えてみると、後手が勝つためには黒青白貴族を成立させることが必須で、青については予約している白7を買えば、貴族の条件を満たすことはできるが、その瞬間に白を回収された後、次の手番で白を買うことができず、先手に白5を買われて、貴族を取られてしまう。そのため、後手が貴族を取るには、一旦白を回収した後、白を買った直後に青を取得する必要がある。
 では、後手が買えそうな有力な白のカードはというと、上段の黒633であり、そのためには赤を1枚とっておけば良いので、ここでの最善手は△+白赤-青緑となる。以下、△+黒633-黒2金1赤2白1 と購入した後に、手持ちが白2+4金1となって、次のターンで白7を買って、貴族で丁度15点となる。
 先手としては、残りの2ターン以内に、16点以上にするか黒を購入するかのどちらかが必要となるが、買える黒は場にはない。白を増やそうにも買える白も無いため、後手に残された勝ち筋は、下段をめくって黒が出ることに懸けるしかない状況ということになる。さらに、仮に下段の赤を買った後に、黒がめくれたとしても、後手としては一旦購入してから、上段の黒633に移行すれば良いため、2連で黒がめくれることに期待するしかないというのである。
 つまり、△+白赤-青緑の入れ替えによって、先手は、かなり細い勝ち筋に期待するしかないほど劣勢に立たされるということになる。
ちなみに、この局面での黒の購入状況は以下の通りで、下段には20枚中4枚が残っている状態である。2連で黒がめくれる確率としては、4/20×3/19~3%となる。ちなみに、仮に中断を購入した後に、買える黒は無いため、その場合もやはり後手の勝利となる。

本譜では、持ち時間が20秒しかなく、この手は見えなかったが、おそらくもっと高レート帯ではこれらの手が瞬時に見えないと勝てないのだろう。

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