動物の方が人間より気楽に生きてそうだなぁと思う

ウチの庭にはよく野良猫が来る。それも一匹二匹ではない。子猫も何匹かいる。割と結構いる。
それらの猫が庭で一塊になって遊んでいるのを目にすると、動物とは何と自由で気楽そうな生き物なのだろうと思う。何が起きようと我関せずといった具合に伸び伸びと走り回っている。
もちろん動物達には動物達なりの事情があるのだろうが、人間のそれと比べたら遥かに単純明快であるはずだ。それが今、心底羨ましい……。

人間は非常に面倒臭い。
家族間、近所間、地域間といった小さい規模から、政治や経済、戦争や紛争、民族や人種といった大きい規模まで。
ありとあらゆる事柄が何重にも積み重なって複雑に絡んで、とても今日明日では解決できない問題が私達の目の前に無限に散らばっている。
そんな物を見る度に、ふと思うのだ。ああ、人間ってクッソ面倒臭い、と。
テレビやSNSで自分の手の届かない場所で時に首を傾げるような、時に目を覆いたくなるようなニュースと接していると本当に嫌になってくる。それらが永遠に自分の元に来ないという保証があるなら良いけど、もしかしたら万が一にも自分の生活に暗い影響を及ぼすかもしれないと思うと気が滅入ってくる。遠い所で勝手にやってろと思うのだ。無責任かもしれないが。

だからだろうか。偶に人間以外の物を無性に見たくなる。動物の姿を眺めて心が穏やかに、癒される時が増えたように思う。
私達の生活の中で恐らく一番目にする機会が多い動物は猫か犬、あるいは鳥だろう。ウチは圧倒的に猫だ。
猫はまさに自由を体現したような存在で、庭のあちこちで転げ回ったり気ままに走ったり喧嘩したりしている。ああいうのを見ると、いいなぁと切なく思う。人間と比べて、なんて制限のない暮らしをしてるんだろうと感じる。
動物があれだけ自由奔放にやってるのを見ると、ぶっちゃけ人間って猿から進化しない方が幸せだったんじゃね？という気すらしてくる。あまりに極端な考え方だというのは分かっているが。
人間達が幾ら醜い争いを繰り広げていようと、動物達は「俺そんなん知ーらね」って顔で横を通り過ぎ、餌を食べては用を足して交尾して子供を作って寿命が来たら死んでいくのだ。もはや呆れを通り越して愉快に思えてくる。君らが羨ましいよ本当に。

次に生まれ変わる時が来たら、私も試しに猫になってみようか。人間って馬鹿だねぇ、と思いながら毛繕いして寝起きする生活が出来たら、さぞ面白いだろうなぁ。