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Dare#2「新境地を切り拓くヴァガボンド」|Rome Streetzについて

Rome Streetzのプロフィール

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Rome Streetzは、ニューヨークはブルックリン地区、Bed-Stuy在住のソロMC。(MC名は本名の「Jerome Allen」と若い時のストリート放浪癖に由来するらしい)

先日、「Bars On I-95」 のインタビューにて、Westside Gunnの公式アナウンスによって"Griselda Records"への正式加入が決まったことでも話題となりました。

Rome Streetzの出生を辿ると実はイギリス・ロンドン生まれで、幼い頃に家族とニューヨークに移住し、クイーンズのジャマイカ・エルモント地域周辺に住んでいたそう。

トラブル続きだった不遇の10代

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物心ついた頃には多数のトラブルを抱え、身を案じた母親の計らいで14歳の時に出生地のロンドンへ戻されます。

2001年から2004年までロンドンの高校に通い、思春期真っ盛りなRomeが一番夢中になれたモノが、13歳から始めた「音楽(Hip Hop)」でした。

ロンドンの従兄が紹介してくれたスタジオで、15歳頃からレコーディングを始め、周りには居ない"NYスタイル"の才能に注目が集まり17歳でレコード契約を結ぶチャンスが!

・・・しかし、不遇なことに今度はロンドンで問題を起こしてしまい、叔母からニューヨークに強制送還されてしまいます。

N.Yでのハスリング・ギャング活動時代

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ニューヨークに帰国したRome Streetzは、ギャング構成員だらけだった周囲の環境も相まって、遂に逮捕されます。

「ニューヨークではロンドンの時の様に、自分の音楽を認めてくれる人が誰もいなかった」という本人談から、音楽のフラストレーションも若き日のRomeを悪事に浸からせた原因の一つと推察されます。

Romeは、シャバでハスリングしていた期間も収監中もリリックを書き続け、レコーディングも行っていましたが、2011年の「Vagabond」のリリースまでは、一切作品を出していませんでした。

本格的なアーティスト活動への転換

Vagabond

「Vagabond(2011)」は、Rome Streetzが25歳の時に初めてリリースしたMixtape作品です。この頃は、J-DillaやFlying Lotusに影響を受けたという、"Lo-Fi Hip Hop"に傾倒したスタイルだった模様。

2014年から2017年の間には、「Rollin Stoned:The Mixtape」、「Work On The Arm」、「I been Thru Mad Shit」、「Narco Lingo」を精力的にリリース。

Rollin Stoned:The Mixtape
Work On The Arm
I been Thru Mad Shit
Narco Lingo

2018年に「Streetz Keep Calling Me」、「Noise Kandy1・2」そして、ロンドンを拠点とするプロデューサー、Farma Beatsと共に「Street Farmacy」をリリースすると、たちまちアンテナの高い好事家界隈で高評価を得ました。

Streetz Keep Calling Me
Noise Kandy1
Noise Kandy2
Street Farmacy

更に、Futurewaveとの「Headcrack」や「Noise Kandy 3:The Overdose」、The Artivistとの力作「Joyeria」を次々リリースし、その行動量と作品の質との両立で、ストリートでの支持を着実に獲得していきました。

Headcrack
Noise Kandy 3:The Overdose
Joyeria

2021年、新境地へ

革命前夜の2020年も「The Residue」、「Noise Kandy 4」、待望のFarma Beatsとの2作目「Kontraband」といった、ストリート産としては高水準の作品を出し続けました。

The Residue
Noise Kandy 4
Kontraband

そして、2021年現在、Rome Streetzの溢れ出した才能と才覚が爆発中!

怒涛のリリースペースで、現行のブーンバップ・アンダーグラウンドシーンでも一目置かれる存在に。(今や"アンダーレイテッド"と言った方が正解かも)

満を持した、DJ Muggsとの大作「Death&The Magician」、ANKHLEJOHNとの阿吽のスピットを交えた「Genesis:1:27」、盟友Futurewaveとの「Razor's Edge」・・・

Death&The Magician
Genesis:1:27
Razor's Edge

そのどれもが高品質のハードルを越え、今年一番脂の乗ったアングラ界のMCと言える気がします。リミテッドのVinyl作品も凄まじい勢いで売れて、マーケットでも高値が付いています。

Romeの特徴的な甲高い声、カミソリ刃の如く鋭いスピットスタイルとリズミカルなフロウ、スキルやキャラ立ちも成熟した本年。

遂にこれまでの活動が結実し、全米を巡る「Audio Narcoツアー」の最中、今最も勢いのあるインディペンデントレーベルである、Griselda Recordsとの正式契約に至ります。

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Rome Streetzの魅力

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Romeの硬派なラップスタイルは、ストリートでの経験を踏まえた叙情性溢れる歌詞やタイトなヴァース運び、技巧派な言葉遊び、ディティールの鮮明なストーリーテリング能力等が、度々評価されています。

数々の客演仕事においても、搔き消されることのない強烈なインパクトを残すヴァースがRomeの持ち味だと思います。

ドラムレスビートを好んで使う印象も強いですが、本人いわく「音がドープならドラムがあってもなくても関係無い」と言っている通り、各作品を聴けば自ずと彼の音楽性が読み取れるでしょう。

フェイバリットアーティストには、Nas、Big L、AZ、Jay-Z、Snoop Dogg、The LOX、Big Pun、Kool G Rap等、Hip Hop黄金期を席巻したメンツの名が連なり、現在の音楽スタイルへの影響を十分に感じることができます。

また、Romeは当初からインディペンデントな活動にもこだわりを持ち続け、自身でも「Bad Influenyce」というレーベルを持ち、Chyna Streetz、DJ Naquai、Wavy Da Ghawdといったメンバーの所属やアパレルライン、フィジカル作品の展開を行っています。

ビジネスに対する熱いマインドと、一流のアーティストを目指す高次元の野心が彼の原動力となっているようです。

加えて、音楽のみならずファッションアイコンやブランドモデルとしても際立った印象です。

「Polo Ralph Lauren」や「Supreme」といった老舗ブランドやストリートブランドまで、絶妙なサイズ感で着こなすハイセンスさや小ぶりなジュエリージャラジャラさせてるあたりにも脱帽です。(AWAKE x SubwayシリーズのコラボCap被ってる写真貼っておきます)

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横浜にある、NYスタイルのアパレルショップ「BUILD467」の企画で、Rome Streetzの和訳付き、直接インタビュー動画が見られますのでこちらも是非。

Rome Streetzのこれから

Griseldaへの加入により、ますます今後の活躍が予想されるRomeですが、現在も既にベテランMC、Ransomとの共同作品「Coup de Grace」がアナウンスされており、TRUST x Griseldaの新気鋭同士のコラボに期待が高まります!

Griseldaとも音楽性はバッチリ合致しているので、レーベルからのオフィシャルリリースも楽しみに動向を追いたいと思います!

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Rome Streetz Bandcampページ

peace LAWD.

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