2019年に関わった謎解きを振り返る

去年の同名タイトル記事はこちら

去年もやったので今年もやりましょうということでね、

 今年は謎ファイル屋さんの一年でした。あと謎解き側の人員が削られたりあそびファクトリーブランドに物販チームが融合したものの、そちらがいろいろトラブルに巻き込まれてあそファクちゃんの評価が腐女子の皆様からゴリゴリ下がっていったりしていますがみなさまはいかがだったでしょうか。※あのロゴの上に乗っているキャラクターは「アソビーくん」と言います。

 謎解き側としてはホール型の新作イベントを一本もやらなかった年は初めてなのですが、その結果なぜか財務状況が劇的に改善されているという謎がわれわれを更に苦しめるのです。来年のホール型イベントもほぼほぼありません。オリンピックで会場とれないし!もうどうにでもなーれ

 というわけで2019年振り返りです。

■メイドインアビス「奈落の未探窟からの帰還」
 TVアニメの劇場版総集編が上映されるに伴ってスタートした新宿界隈の街歩きです。1080円と軽めのものだけどナナチと友だちになれます。プレイ時間は1時間程度。前回つくった街歩きが「ポプテピピック 竹書房壊すべし」で、クリアまで最低4時間かかるという「やりたいことを全部詰め込んだ」仕様だったので、遊んだ方からは「かるすぎる」と言われたりしましたがそれは50度の風呂に入ったあとに入る温めの風呂だからなということで値段とターゲットと大人の事情によって変わっていくからよろしくなと思っております。
 とはいえ、意外とあそファク特有の「あんまお客さん気づかないと思うんだけどこれこうなってるならこうなってなきゃダメじゃない?」とわがままを言い出して作業量を増やして自分たちの首を絞めるということはやっておりまして、まだ気づいていない方も多いと思うのですが、もしまだ冊子を持っていたら最終ページをよーく手でなでてみてください。わざわざやってます。
 メイドインアビスといえば年明けに新作「劇場版「メイドインアビス」-深き魂の黎明- 」があるんですよ。わざわざ総集編のときにやっといて新作でなにもないわけがないよねえというところで年明けをおたのしみに。
 んなぁ〜。

■名探偵コナン謎ファイル3種
 
謎ファイル屋さんになる方針を決定づけた商品。これはいきなり作れたわけじゃなくて、それまで「科学捜査展」の会場で販売する「謎解きクリアファイル(≠謎ファイル)」を4種類(コナン/安室/灰原/平次 ver)作っていて、その流れで今度は物販チームと一緒に全国流通のやつを作ってみようと実験的に進めたものでした。それまで謎ファイルシリーズは必ずイベントとセットで作っており「ただの商品としての謎ファイル」はこれが初めて。あと、唯一サイズがA4なのは、この「科学捜査展」会場商品のサイズがA4だった名残なわけです。
 でまあ、コナンと言えば皆さんが知っている通り、(割愛)が(割愛)は(割愛)で、(割愛)をしようとしたら(割愛)で(割愛)は(割愛)、(割愛)は(割愛)でないと(割愛)という、いろいろなお約束が多いのですが、(割愛)を(割愛)ということで(割愛)わけでした。いろいろ流通などの勉強もできたので良かったと思います。
 その結果、いろんなひとたちが手のひらを返してくるのを見ましたがこっちはそういうの一生忘れねえからなって思ってます。

■リゼロ謎ファイル3種
 
これあんま僕は関わっていなかったのですが人員が削減されたことにより最後の工程をちょこちょことやりました。こちらの原稿の意図をくんで先生が全リライトしてくれるというアクロバティックな監修は忘れられません。
 あとバッドエンドverのiDealさんなのですが、その正体は一部の人はそこそこ知っている(割愛)さんなので、解いた方は分かるかもしれません。(さかいだにせんせいではありません)
 謎ファイルの団体名記載に間しては全然こだわりなく、そりゃあ当初ロンパの謎ファイルを出す際はリスクヘッジの一部としてAnotherVisionとか零狐春とかよだかのレコードとかENIG-ROIDとかの皆さんの名前を出せばたくさん売れるんじゃないかみたいな下心もあるにはありましたが、最近は規模が変わってきたため、僕らが制作者の団体名を記載するメリットみたいなものはそんなにありません。そこはまあなんかもともとのあそびのコンセプトとして「謎解きで食える人を増やす」の一環かなあと思っています。実際は増やすどころか人員を削減されてるんですけど。
 とはいえ、本当に通好みの個人名だけだと商品としてどうなのという部分があり、適宜新たな団体名を付けてもらったり逆にあそび名義でもいいですよという相談をしていたりします。たとえば映画館で手にとった人が「謎制作:しゃる」って書いてあった場合「謎ファイルというわからん商品をあそびファクトリーというわからん団体が売っていてしゃるというわからん人が作ってる…?」と?マークでいっぱいになってしまって買う気がゼロになってしまうので困るわけです。
 ああリゼロの話全然してないな。これは11月の新作劇場版と、4月の2期を見据えて作ったのでたくさん作ってしまいました。まだあまり売れていません。たすけて。

■ゴジラフェス2019「ゴジラ対ルパン三世」
 500円で1日限定で作った周遊謎解き。ネタバレ記事はこちら。500円という設定は最初に決まっていたのですが、設定的に「どっちも負けない」ので、それを収束させるために話を書き、謎を組んでいったらもりもりボリュームが増えていき、結局手提げクリアファイル付きでたぶん1500円ぐらいの周遊になりとてもお得になりました。
 これは11月に行われたんですが、ちゃんと謎を作ったのはコナンの謎ファイル以来。じつに8ヶ月ぶりの謎制作でした。その期間は何をやっていたかと言うとコナンとリゼロの謎ファイルの在庫整理と数量管理をやっていました。人員を削減されたので。実はまあ動いてはいたんですけどまだリリースされてないのでそれはまたいつか…。

■ゴジラ謎ファイル3種
 
「ゴジラ」「モスラ」「ビオランテ」の渋い一品。ラインナップ的にはコナンのものに近く、それぞれ「情報読み解き」「正当初心者向け」「ギミック強め」の3種類になっています。ものすごくスムーズに進行し、珍しく締切のだいぶ前にすべての監修が終わっていたので面白い話がありません。トラブルがないと面白くないという決めつけもどうかと思うんですけど。
 これ、情報自体は出ちゃってるんで言いますと、今冬にゴジラの街歩きをやるんですよ。実はそれに合わせて売ろうと思ったんですが、結局街歩きが間に合わずにこちらだけを先に販売しているというかたちになっています。ということはつまり街歩きを11月にリリースしようとしていたという今から考えると無理筋の無理みたいな話だったりします。
 なのでこの謎ファイル自体は非常に販売店舗数が少なく、あるいみレアな状況です。街歩きの方は「やりたいことを全部詰め込もう」としたら、プレイ時間が目算で6〜8時間ぐらいの構成になってしまったので、他の案件の合間を縫ってすこしずつ構想を練り直しているところです。今冬リリース予定なのでしばしお待ち下さい。今はいつまでが冬なのかという議論が発生しています。

■ヒロアカ謎ファイル新作2種
 
とりあえずハードナッツの作ったやつをやってみてください。いままでの高難易度のものは紙が少なくSTEP数も少ないけど難しいみたいなものが多いのですが、これはSTEP数がものすごく多い。「これで終盤かな?」とおもったらそこはまだ折り返しです。ハードナッツに聞いたら「気づいたらこうなってた」って言ってました。それならしょうがないね。
 こちらは映画館に置いていただくので、ものすごくたくさん作りました。ものすごくたくさんつくると時間がかかるということを学びました。今回は発売日の1ヶ月前入稿だったのですが、イベント当日の朝4時頃に謎が完成するという生活を送り続けていた僕らにそんなスケジュールがやすやすと飲み込めるわけがありません。印刷会社の人に「間に合わないのでスケジュール引き直しますね」って10回ぐらい言われました。

■コナン謎ファイルNewDays ver
 
現在絶賛発売中です。キャンペーンに伴う期間限定・数量限定の商品なので本当に手に入らなくなるので見つけたら買ってくれると嬉しいです。
 この商品では、いつも商品の前面に貼っている「謎ファイル」のシールを新しくしました。これは「ただの高いクリアファイルにしか見えない、お客さんが手に取らない」という永遠に言われ続けている謎ファイルの課題点についていろいろ試行錯誤している部分で、面積をとりすぎるとファイルのデザインを邪魔するしでも中身がわかんないと手にとってもらえないしみたいな正解のない無限地獄を経て今回はこのデザインに落ち着きました。
 今までのシールが3×5cmで、このファイルのシールは6×8cmなのですが、でかくなるからコスト上がるなあと思っていたら「そんな変わりません」と言われたのですぐ大きくしました。

■探偵が早すぎる探偵迷路
 迷路屋さんになりました。こういうのです(リンク先はtwitterの検索)。実際にメインを作ったのはにんどりさんとイロナさんなのですが、ちょっと時間が空いたら迷路を作る(修正する)という細々した作業をやっていました。実作業は文字数制限のあるボケの100本ノックだったのでハガキ職人をやっていてよかったなとおもいました。
 ある程度関係者の皆様には好評だったらしいので、またやるかもしれません。

■来年の計画
 
年明けしょっぱなから大阪でコナンの周遊謎解き(無料)をやります。初心者向けでたぶん15分ぐらいで終わるので、テレビ局に遊びに行くついでにお立ち寄りください。
 2月以降についても、じつはもうほぼ来年の計画は決まっているので、年明けからいろいろ情報が出てくると思います。謎制作者の皆さんはいろいろお手伝いでお声がけするかもしれませんので優しくしてほしいです!

まだもう一本与太記事「謎解きで年収1000万円は余裕」を書く気がしますが、仕事のリリース自体はおしまいということで本年は大変お世話になりました来年もよろしくお願いします!

今後の執筆のモチベーションとなりますので、サポートを頂けるとありがたいです!頂いたサポートは謎解き関連の業界啓蒙やイベント参加などに役立たせていただきます。