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人生で初めて「これでいい」と思えた日

これまで30数年生きてきて、
自分は「これでいい」と思えたことがなかった。

自分の中に「仕方ない」という感情がなくて、
結果が出なければ、自分の努力不足。
まだまだ限りなく自分は努力をし続けなければいけない。
そうしないと生きている意味がないと思っていた。

だから異常なほどに努力して、
自分の望む結果を得られるように行動してきた。

そんな自分が3か月前、大きな挫折を味わった。
今まで生きてきた中で1番大きな挫折だったかもしれない。
地の底に落ちた気分で、
食事も食べられなくなって、
「死にたい」と思うほど限りなく絶望した。

自分の望んだ結果を出せなかったこと、
精一杯の努力が結果に結び付かなかったこと、
これからどうすればいいのか、分からなくなった。

自分が絶望している原因が分からずに、
ただただ絶望した。

つらくて苦しい気持ちをどうすることもできなくて、
絶望の中でもがき続けた。

最初は、誰かに話をすることもできないくらい
落ち込んで、人生のどん底だと感じた。
思い出せば涙が出てくるし、
ずっと溺れているような感覚で苦しかった。

2週間くらい経った頃、
カウンセリングを受け、
自分の気持ちを話すことができた。
泣きながら、一言ずつ。
肯定も否定もせずに、話を聞いてもらい、
暗い気持ちが一瞬晴れた気がした。

でも気持ちが晴れたのは一瞬で、
1人になるとまた暗闇が襲ってきた。
思い出しては泣き、考えても答えが出なくて泣き、
どうすればいいか分からなくて泣き続けた。

人生最大の挫折は、簡単に人に話せるものではなく、
自分の気持ちは、内に内に溜まっていった。
溜まった気持ちをどうにかしたくて、手帳に書き殴った。

最初は、自分のつらい気持ち、苦しい気持ちを羅列するだけだった。
次はだんだんと、それを人のせいにする言葉が出てきた。
2週間くらい毎日、そんなことを書き続けていたある時、
「人のせいにせず、自分が変わらないとだめだ」と気付いた。

まず、冷静に自分の状況を分析した。
自分はどれくらい努力をしたのか。
結果が出なかった努力は、無意味なのか。

自分は人生をかけて、自分にできる限りの努力をしていた。
1ミリも妥協はしなかった。
自分の努力を思い返すと、本当に頑張っていたなと感じた。
自分で自分の努力を認められたとき、
結果は出なかったけれど、
その努力は無駄じゃないように思えた。

自分の努力を認められたときに、
自分に対して「優しさ」という感情が湧いてきた。
「本当によく頑張った」
「結果は出なかったけど、努力をする姿はかっこいい」
自然と自分を労う言葉が出てきた。
こんな気持ちは初めてで、背中が温かくなるように感じた。

あれは一時的な感情だったかも…と
恐る恐る次の日を迎えたけれど、
自分を認める感情は、まだ自分の中にあった。

その後も自分を認められる時もあれば、
また落ち込んでしまうこともあったけれど、
心の中に「安心」が芽生え、
今までよりも少しだけ「大丈夫」と思えた。

その後も、落ち込んだり浮上したりを繰り返して、
ぼーっと考え事をしていたあるとき。

ふと「自分はこれでいい」と思えた。
驚いて、何度も頭で考えたけど、その感情は本物だった。
自分を許せなかった自分が、自分を受け入れられた瞬間だった。


今もまだ悩んだり、落ち込んだりもするけれど、

「これでいい」

その気持ちが心の中の灯火のように温かく、
「大丈夫」と言ってくれているようで、
生きるのが少し楽になった。


つらさや苦しみの中で、絶望の中で、
かっこ悪くても、惨めでも、
そんな自分を受け入れて

うずくまっても、
立ち止まってもいいから、
なんとかもがき続けて、
少しずつ前に進んでいけば。

光が差す瞬間がくる。
その瞬間をしぶとく待ちながら、なんとか生きていこう。

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