髪の毛が森

 わたしの髪の毛は、量が多くてクセ強めだ。

 赤子が髪の毛で筆を作るやつなんて、伸びるのを待たずになんなく作れるし、「寝返りで頭が枕に擦れるから髪の毛が薄くなってかわいい、、」なんてことはない。赤子の寝返りにも負けず、髪はしっかり育っていた。

 昔、坊主にすれば髪質が変わると小耳に挟んだとき、トライしようか真剣に悩んだが、結局ダウンタイムがないと気付き、実行しなかった。

 赤子の頭を守っていた髪は伸び続け、小学生の頃は背中につく程のポニーテールになっていた。48グループみたいに可憐なポニーテールではなく、前髪を含めて随分しっかりとしたポニーテールだったためか、友人からは「マッコウクジラ(略してマッコウ)」と呼ばれていた。自分的には、馬の尻尾に近いと思っていたけど。
 比較的、運動神経がよかったので、リレーの選手とかハードルの選手に選ばれていた。今思えば、馬の尻尾を振り回しなが全力疾走、隣の人は大変迷惑だっただろう。

髪が多いとどんな生活を送るのか、想像できない人のためにご紹介。
◯不便なところ
・髪の毛を洗うのに(頭皮に到達するまでに)時間がかかる
・髪の毛を乾かすのに10分以上(銭湯のドライヤーを占領するため気まずい)
・髪の毛を巻くときに、何回巻く?ってくらい巻かないと終わらない
・抜け毛がすごく、手櫛で10本/回は抜ける
・基本的に櫛は折れるので、基本ブラシのみ可
・髪染める時(パーマも同様)、人の2倍くらい時間がかかる

◯便利なところ
・髪の毛を下ろすだけで、8割くらい顔を隠せる(小顔効果)
・ポニーテールにすると、振り向きざまに敵を倒せる(結構痛い)
・結婚式などのために髪型セットしてもらうときに、偽毛が不要
・リアル貞子芸で、人を驚かせることができる(結構リアル)
・多分鳥を飼うことができる(「鳥住んでそう」ってよく言われる、動物が好きなのでうれしい)


 量が多くてクセ強めの不器用なわたしの髪の毛。
 不器用なものほど愛おしく感じるとはこのことで、不便も多いが、わたしは今もロングヘアーを貫いている。(オールバックポニーテールは卒業し、お団子に進化した)

 小さい頃からわたしの頭部を厳重に保護してくれた、髪の毛の森。
 この森を整え、いつ鳥が寄ってきてもいいように、わたしは美容室で髪の毛を整えている。

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