エヴァという荒野

昨日中1の娘に誘われてシンエヴァンゲリオン劇場版を観に行った。一応エヴァ最後の作品ということだ。

エヴァ破を観てウンザリしていたので正直腰は重かった。
ただ、娘と映画を観に行く機会もあと少しだろうと思ったので破とQを予習して本編鑑賞に臨んだ。

観終わった後、映画の内容もさることながら初めてエヴァを観た10代の頃の自分が浮きあがってきて放心状態になった。
ただ今は家庭を持つ二児の父である。自分にばかり時間を使えない。
すぐに切り替え、娘とのエヴァトークを盛り上げ夕食を食べた。
家庭持ちおじさんの感情に浸る時間はだいたい皆が寝静まった夜更けなのだ。

初めてエヴァを観たのは18歳の時。
毎日がとにかく楽しくて不満だらけで未来がキラキラして童貞を捨てたかった。厨二真っ最中。
そんな俺がエヴァにハマらないわけがない。
嫌なことがあればシンジのように閉じ、可愛い子の前ではカジさん風を装う。
創作物は市川崑風明朝体を多用し、無理して難しい本を読んだりした。

劇場版まごころを君に、は大阪ピカデリーでひとり鑑賞。
救いようがない結末に心のシンクロ率99.999%。とてつもなく淋しくなったのを覚えている。なんかこのままは嫌だな。。と

そして気が付いたらエヴァはもうダサい。と思う自分がいた。
アニメやゲームはもういーやみたいな。

10年経ってなんとなく新劇場版序を観たが、ふーん懐かしいなー程度の感想。
そして破もしぶしぶ鑑賞したが、なんかもうウンザリだわってなってしまった。
現実では子育て真っ最中だったのでエヴァの世界観と自身の生活が全く重ならなかったのだ。

さらに10年、子育てもひと段落したところで娘がモラトリアム期に突入、エヴァにハマった。

そして今回、新旧エヴァファンとして親子で鑑賞。

娘はちょっとよくわかんないけど面白かった!
これでネタバレ記事見れる‼︎ と爽やかだ。

俺はとゆうと、[青春時代の濃密に過ごしたエヴァの終わり=本当のおじさんの始まり]というザラザラした気持ちで泣きたくなった。
本編もそうだが、オレは本当に次世代にバトンタッチという局面なのかと自分の立場に向き合わされた気分だった。

まあ、あと数日もすればこの気持ちも消えていく。

無意識に青春時代にしがみついていた自分の終わり。エヴァの終わり。さらば青春のいう名ののエヴァンゲリオン。

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