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〈前編〉予算500円でお台場散策/お台場景観案内(田町〜デックス東京ビーチ)

 と銘打ったわけですが、予算500円というのは交通費を除外したもので、主に昼食とペットボトル飲料を指すことは予めご承知おきください。
 一応、品川を起点とした場合にはほぼ最安の往復手段になります。

前置き

 さて、端的に自己紹介をいたしますと、暇な平日はきまってお台場に出かける大学生です。以上です。
 はじめてお台場を訪れたのは忘れもしません、2020年の10月、虹ヶ咲第3話放送直後でしたが、それからなんとなく通い続けること3桁回を数え、それでも大して詳しくないのが不思議なところです。

 本記事では、毎回高い飯食って電車やレンタサイクルを足にするなんてできるか!という極めて現実的な懐事情から誕生した限界お散歩コースを、できるだけ写真を盛り込み、実際のタイムラインに沿ってご紹介します。歩行距離・歩数の目安としては20km・2万歩前後です。アホか。足腰の弱い方におかれては、別途ゆりかもめの1日乗車券やレンタサイクルの利用を強くお勧めします。

本題

 では、実際に見ていきましょう。

 本日は2022年5月10日、陽もだいぶ長くなってきて、17時くらいまでは太陽の作る景色を楽しむことができる時期です。冬だと15時台には陽が傾いてきて、16時半くらいに日没、18時にはほとんど真っ暗という感覚でしょうか。まあお台場の記事で特別言及が必要なことではありませんが念のため、お台場にもおおよそ日本における標準的な時間が流れていることは確認しておきましょう。
 たまに冬にワープして景色の紹介もします。1日歩いたくらいでは到底回収しきれない絶景の数々をお見せしますので、どうぞ通ってください。

──午前10時──
 田町駅に到着。横浜からなんやかんやでやってくるのですが、ここまでは省きます。「え、お台場行くんだからりんかい線かゆりかもめに乗るんじゃないの」と思われた方は限界大学生のなんたるかがわかっていませんね。お台場には歩いて行くのです。

田町駅芝浦口

 写真の田町駅芝浦口(芝浦工業大学がある、小綺麗な方)を出て直進していきます。駅前にはイオンと成城石井を足して2で割らなかったようなユニークなスーパー・LIFEがあったり、学生なら焼肉が550円〜で食べられるライクがあったり、油断すると早くもお金に羽が生えてしまいます。しかしまだまだ最序盤、予算は500円なのですから控えめにいきましょう。脇目も振らずに直進します。

かすみ通りの看板と芝浦工業大学芝浦キャンパス

 写真は1月上旬と真冬もいいとこですが、少し行ったところに胡散臭い家系ラーメン店があり、見上げると“かすみ”通りを示す看板が立っています。まいにちかわいいとおもいます。ちょっと笑顔。

 さらに直進直進バクシンと、曲がり方を忘れた暴走車がごとき直進を続けると、運河にかかる橋(渚橋というらしい)と東京モノレールの高架線の下を通ります。

渚橋

 瀟洒なタワーマンションには脇目を振って住みてえと思いつつ、やがて見えてくるのがピーコックストア芝浦アイランド店です。

ピーコックストア芝浦アイランド店

 お店正面からの写真でないのはお許し願いたい。僕はこのお店をチェックポイント①として、ここで1日お付き合いする飲み物を買っています。残り予算400円。
 この辺りは晴れると無遠慮に景色がよく、入り組んだ運河の汚い水すら青く染まって美しく映えます。なかなか開放的ですがまだまだ序の口。これから見る景色に比べると写真を貼るのがめんどくさいレベルです。だから貼りません。もうあとはひたすら直進。セブンイレブンを左手に歩いて信号を渡り、「湾岸食堂」とある建物が右手に見えたあたりで右手側(食堂側)の対岸に渡ります。ここを渡っておかないとかなりめんどくさいことになるので要注意。あとはさっきまでと同じ方面に歩き続けましょう。というか、ここまでくると第一の目的地であるレインボーブリッジがかなり目立っているので、迷うことはまずありません。もうお分かりですね。そう、修行者には滝行が、限界大学生にはレインボーブリッジ徒歩制覇の苦行が課せられているのです。

レインボーブリッジ遊歩道「レインボープロムナード」を示す看板
レインボープロムナード入り口付近

 直進に飽きたところでいよいよ突き当たるのがここ、レインボープロムナードです。警備員さんと「こんにちは」の挨拶を交わしてからロビー兼休憩所のようなスペースへ。館内の注意書きにもありますが、ここを逃すとしばらくトイレがないので、虹ヶ咲学園頻尿同好会の部員は用を足しておきましょう。
 さて、入口が二又に分かれていますが、どちらのルートを選ぶのが正解でしょうか。どっちを選んでも合格っ♡。基本的には都心側が晴れているなら右手のノースルート、房総半島やお台場の方面が晴れているなら左手のサウスルート。似たようなもんならお好みで、ってところでしょう。が、夜景を見たいなら断然都心側ノースルートをおすすめします。東京湾を隔てて壁のように迫りくるビル群が壮観です。でも黒々とした海には得体のしれない恐怖感も煽られます。また、都心から富士山が見えるようなくそ寒くて天気のいい日ならサウスルート一択です。レインボーブリッジのループ部分越しに、これまた壮観な山脈や富士山を望むことができます。
 ここは季節によっていろんな顔を見せてくれるので、冬の写真も多めに掲載しておきます。全然午前10時でも5月でもないけどご容赦を。

レインボーブリッジのループ部分と山脈
ここまで晴れるのは真冬でもなかなかない
もうちょっと左寄りの視点。死ぬほど晴れていた
上に比べてカメラがゴミすぎませんか
夜景の美しさは肉眼で見てこそですね

 景色ばかり取り上げるのはフェアではありませんね。遊歩道は全長1.7kmくらいあり、普通に歩くと30分くらいかかります。また基本的に風がめちゃくちゃ強く、髪は大惨事になるわ、ゴミが目に入るわ、冬は信じられないほど寒いわで地獄です。雨天時にも遮るものがないので着衣泳したみたいになりますし、風がないならないで、車の排ガスが死ぬほどくさいです。ですからこれは修行なのです。でも無料で通してくれるのだから文句を言ってはいけません。

遊歩道に等間隔である休憩地点みたいなもの
陽の差し方が綺麗でこれだけで絵になる
ノースルートをかなり進んだところで振り返った写真
お手軽な絶景です
サウスルート。晴れの日に平均して綺麗なのはこっち。
レインボーブリッジは、構造物に萌える変態にはたまらない建築でもあります
サウスルート。おなじみのフジテレビや観覧車に加え、房総半島までよく見える

 はい、このようにイイカンジの景色を眺めながら歩くこと約2キロ、下り坂が終わったところでいよいよ出口です。ようやく「お台場」と呼ばれるエリアに上陸できました。ちなみにここ、未来ハーモニーのジャケットでお馴染みの場所でもあります。ちょっと振り返るとこんな感じ。

未来ハーモニー

 ちょっとだけ外れますが、ごく近くに侑ちゃんの声が聞こえてきそうなスポットも。例によって冬の写真ではありますが。

「生まれたときめき……!」

 遊歩道を出たらすぐ右手側、砂浜沿いの歩道に降ります。暇なら砂浜を歩いても楽しいかもしれませんが、僕は靴に砂が入るのを厭って歩道を行ってしまうことが多いです。ちなみにこの砂浜、神津島から持ってきた白砂でできた人工のものみたいです。ラブライバーにはうれしいかもしれませんね。
 歩道沿いには河津桜が植えられており、2月の後半ごろにかけて濃いピンクの花を咲かせます。こいつはいわば先鋒で、河津桜を皮切りに春にかけてどんどん植物由来の色彩が増えていきます。5月の今は新緑と、正直ちょっとグロいレベルの真っ赤な花とかがよく目立ちます。虫も増えたのでかなりキモチワルイです。

河津桜

 さて道なりに歩いて行くとチェックポイント②、お台場海浜公園のトイレがあります。地図上では以下の位置。さすがにトイレの外観を撮った写真とかないので許してください。ちょっと西洋建築っぽいベージュの建物です。

トイレ。便所のこと。

 「いやなんでトイレ?」とお思いでしょうが、これが全く冗談ではないのです。理由は以下の画像にあります。

きれい

 水面が鏡のようでそこそこきれいな景色ですが、以上で見てきた絶景には及ばないかもしれません。そこでトイレです。実はこの景色、トイレから出たときにまず目に入ってくるもの。その解放感たるや、何回見ても飽きることはありません。富士山や大海と同じです。見飽きたつもりになっていても、やっぱり心を打つ景色というのが世界にはあると思うんです。トイレの閉塞感をスパイスにしていただくこの眺めは、晴れだろうが曇りだろうが等しく美しく、空腹時の家系ラーメンのように身体に沁みわたります。

冬晴れの日はこうなります

 そのままデックス方面までとぼとぼ歩いていきます。その間左手上方には愛さんがサイコーハートを披露したお台場レインボー公園が覗いていますが、こうしてみると本当にただの公園です。レインボー要素は何一つありませんが、そういうところがむしろスクールアイドルの実在感を増してくれますね。好意的な意味で「こんなところでパフォーマンスしてたのか」です。砂の一粒だってただの砂ではなくて、愛さんに踏まれたことがある砂かもしれません。それはちょっとキモいか。
 時間帯によっては子供たちが走り回っているのは劇中の通りで、愛さんみたいなド美人金髪お姉さんが歌い始めたらどうしても釘付けになってしまうでしょう。

 明日でいいや明日やろうと思い続けて1ヶ月経ってしまい、この文を書いている時には6月も半ばに差し掛かろうというところ。日差しもますます強くなり、半日屋外を歩き回る散歩コース紹介なんぞしようものなら真似した人が焦げたり溶けたり干からびたりすること必至の時期になってしまいました。日陰を頼りにするには木も建物も疎らすぎるお台場のこと、太古の恐竜時代と比べても大差のない太陽光線があなたの額や首筋に襲いかかることでしょう。ごめんなさい。でも夏歩き回るのは本当におすすめしません。

──午前11時──
 さて、砂浜はやがて右方向へ直角に折れ曲がります。この辺はソメイヨシノが植えられていて、3月には河津桜の旬が過ぎてからが桜の本番だと言わんばかりの薄桃色に染まります。それ以外のシーズンはただの芝と歩道と砂浜です。

真冬の海浜公園
あまりにも爽快な景色を独り占めできる
この辺のソメイヨシノがつくる景色
春以外誰もいない芝が花見客で賑わう

 そのまま直進を続けても東京湾の景色が楽しめますが特に変わり映えはしませんので、デックス東京ビーチが見えたあたりで左折してオタクの掃き溜……憩いの場であるODAIBAゲーマーズを覗きます。田町駅を10時前後に出発して早くも遅くもないくらいのペースで歩いていると、この時点ではギリギリ開店してないくらいでしょうか。

お台場ゲーマーズ
せつ菜ちゃんが文字通り「看板娘」をしている

 店内の2/3はラブライブシリーズ、その2/3は虹ヶ咲が占めているくらいのイメージです。小さい店舗だからか在庫がめちゃくちゃ豊富なわけではなく、新商品はかなりの勢いで売れていきます。聖地ど真ん中なので人が集まりやすいんですよね。発売日やフラゲ日に行くのでなければ、他の店舗に行った方が買えるグッズが多いかもしれません。
 僕もオタクのはしくれ、陽キャとビジネスの街お台場にアニメショップがあるのはありがたく、末長く営業して欲しいと思っています。虹ヶ咲とずぶずぶですからプロジェクトの勢いも関わってきそうですが……。

たまたまフラゲ日だったのでQU4RTZの新曲を世界最速入手していた

 さて、また1ヶ月経ちましていまや7月半ばです。もうこの記事で文体を一貫するのは諦めたほうがよさそうです。あはは。

 さてさて、お台場ゲーマーズを冷やかしたら早めの昼食を確保しに行きます。このあたり、平日正午は昼休みビジネスマンの巣窟と化してしまうので、12~13時に食事を摂るのは避けたほうが賢明です。というか避けるほかありません。残り予算は400円なんですから。
 というわけで目指すのは青海エリア、エマちゃんや果林ちゃんの住まいや科学未来館がある、比較的ひっそりとしたエリアです。休日でもよほどのことがなければ混雑しません。
 現在地点のデックス東京ビーチは船を模したショッピングモールだそうで、お台場ゲーマーズ最寄りの階段(2つあるけどどっちでもよし)を昇ると甲板にあたるテラスに出ます。虹ヶ咲コラボ期間であれば敷地内のガラス窓がかわいらしく装飾され、海に面したテラスにはフラッグが掲出されて壮観です。

アニメ1期放送期間中に掲出されていたもの
桜と2期フラッグ

 館内を歩いていると、なんとか交流スペース(いたずら書きの横行により交流ノート撤去中)や、自動ドアに貼られているせいで毎回引き裂かれる虹ヶ咲の子たちが見られます。これを全部載せてしまうのは無粋というものですから、どうぞご自身の足で回って探してみてください。

交流スペースの君たち
引き裂かれるゆうぽむ
君たち絡んでたっけ

 ちょっとだけ追記。後編執筆中にカメラロールを漁っていたら、デックスのテラスから撮影した綺麗な写真が見つかったので貼ってしまいます。なんたってこの記事は「景観案内」ですからね。

ゲリラ豪雨上がりのテラス。反射が美しい
雲が晴れていく様子
「流れてく雲 通り雨」「青く澄んだ空また広がるよ」
豪雪の翌日。歩けたもんじゃなかった

謝罪、そして予告

 突然ですが、ここまでを「前編」として公開しちゃうことにします。スミマセン。続編は後編になるか、中編後編とさらに分かれるか不明です。見通しが全く立ってないのでね!
 気長にお待ちくださいませ。や、誰が待っててくれるんだ?僕も気長に書くことにします。

今回の道のり

雑すぎる

 次回予告の間キャラクターが絡むみたいなノリで今回の道程を振り返ります。
 ①田町駅→②レインボーブリッジ→③お台場海浜公園のトイレ→④ODAIBAゲーマーズ→⑤デックス東京ビーチ 甲板、という感じ。いかにお台場歩きが修行であるか、①と②の長さで実感していただけたかな。
 チェックポイントを地図に起こせって?その部分書いた時から2ヶ月も経っちゃったのでそんなこと覚えてませんでした。

 ほなまた!


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