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医療従事者が4ヶ月間プログラミングを学んだらどうなるの?「もいせんデモデイ」

昨年10月から4ヶ月間、ものづくり医療センター通称「もいせん」という医療者向けプログラミングスクール「もいせん」1期の講師を務めさせていただきました。
「もいせん」は、4ヶ月間でLINE Bot・電子工作・AR/VR・機械学習など幅広く技術に触れ、データやツールなどのデジタルアセットを使ってアイデアを実働するプロトタイプに仕上げていくプログラムです。

プログラミングに興味を持つ医療者ってどんな人?

もいせんの受講者はお医者さん、理学療法士さん、動物病院のお医者さんなどなど。
もともとプログラミングに興味があったけど、きっかけをつかめなかった、という人や、身近に解決したい課題・やりたいことがあって参加する人など、動機も様々です。

デモデイ発表 課題を解像度高く捉えた面白いアイデア続出!

受講生のアイデア・プロトタイプを紹介していきます!

発表①「これなんの薬?」 薬をスマホのカメラで見分ける

「ポリファーマシー」という言葉をご存知でしょうか?必要以上に多くの薬が患者さんに処方されることにより、副作用が増え、患者さんの体への悪影響や医療費増加が問題となっているそうです。

薬が沢山処方されている人には、飲み忘れや間違いを防止するためにパッケージをバラして1食分の薬を一つの袋に分ける「一包化」をして薬を渡すそうです。
この一包化、便利な半面、飲んでいる本人も家族も、飲んでいる薬が何であるかわからないで飲み続けてしまう…というデメリットがあります。

そこで、受講生の方が制作したのがこちら!カメラで薬を判別するアプリケーションです。薬にカメラをかざすと、薬の名前と概要、詳細情報のリンクが出てきます。
これがあれば、パッケージがバラされたお薬でも、薬について誰でも簡単に調べることができます。

発表② 子供ロコモ予防!前屈できるかな?

整形外科医をされている方のアイデア。
高齢者に多い「ロコモティブシンドローム」が子どもにもみられるようになっていて、姿勢が悪い、疲れを感じやすい子供が増えているそうです。日常生活にも支障をきたしてしまいます。

そこで考えたアイデアはこちら。体前屈ができているかを解析し、ダメな場合はトレーニングボタンを表示し、自分でトレーニングできるというもの。
これがあれば、子供のロコモティブシンドロームを予防し、健康に暮らせる人が増えそうです。
子供だけでなく大人でも、姿勢が悪い・体が固いけど何もしていない…という人は多いのではないでしょうか。私もその1人です。
こういったトレーニングツールで自分の体を良い状態にキープできると良いですね〜!

発表③ 薬剤情報の取り込み補助

お医者さんの業務の一つに、「カルテに患者さんが飲んでいる薬を入力する」というものがあるそうです。
しかしお薬手帳は「紙」。しかも、カルテを入力する院内のPCはインターネットに繋ぐことができない、という制約があります。
そのため薬の情報を手入力せざるを得ないそうで、この負荷がなかなか大きいとのこと。

そこで作ったのがこちら。
LINE BOTに電子カルテの写真を送るとOCRでテキストデータ化され、保存、さらに文字列をQRコード化してくれるというアイデア。
最近はQRコードを読む機械が入っているところもあるため、文字列のQRコード化という方法を選んだそうです。

このアイデア欲しい!というコメントが飛び交うデモデイ

発表中、「このアイデア欲しい!」「うちで使いたい!」というコメントが飛び交っていました。
業界の課題を解像度高く捉える力と、実装する力の両方があるとこんなにも面白いものを実現させることができるのだなぁ、と、衝撃を受けました。

私は普段サービス/UXデザインやUIのデザインをしています。
案件により、業界は様々で、ユーザーやステークホルダーへのインタビューこそすれ、その業界にどっぷり入って働く、ということができない中で仕上げることが多いです。
しかし、今回の発表を見て、本当に顧客を見る・業界課題を解決するには、その業界に自分がどっぷり入って当事者・プロフェッショナルになることが大事なんだなぁ、外野として見てるだけではいかんなぁ……..と、自分自身の仕事の進め方について改めて振り返る機会になりました。

(そういえば、もいせんの仕掛け人の1人であるのびすけさんも、飲食店の業界課題解決のために居酒屋ではたらいているな…。)

そんなわけで、

素敵な場に参加させていただき、受講生の皆様および運営の皆様、大変ありがとうございました。

今後とも宜しくお願いします。

そしてプログラミングに興味がある医療者の方は、ぜひもいせんの今後をウォッチしておいてください!


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