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【どちらがいい?】オルカンとS&P500の比較

投資を考える際、どのファンドや指数に投資するかは重要な決断です。オール・カントリー(オルカン)とS&P500はどちらも人気のある投資先ですが、それぞれに特徴やメリット、デメリットがあります。以下では、オルカンとS&P500を初心者の方にもわかりやすく解説し、それぞれのメリットとデメリットを比較します。

▼筆者の経歴
2020年に三菱UFJモルガンスタンレー証券を退職後、IFAを経て2024年にお金の総合相談所を開設したいとFundparkを開業。自身でも資産運用を行う傍らで、無料で投資や資産運用に興味がある人に正しい運用方法を提案。提案先で運用を始めると自社に収益が発生する仕組みを確立させ、今に至る。


オルカン(All Country World Index, ACWI)

メリット

  1. 分散投資: オルカンは、世界中の株式市場に分散投資することで、特定の地域や国の経済状況に依存しないリスク分散が図れます。米国、欧州、アジア、新興国など、全世界の市場をカバーしています。

  2. リスク低減: 地域ごとの経済の不安定さや市場の変動リスクを緩和できます。一部の地域で経済が悪化しても、他の地域での好調な市場パフォーマンスが全体のリターンを支えることが可能です。

  3. 長期的な成長可能性: 全世界の経済成長に伴い、長期的に安定したリターンが期待できます。成長著しい新興市場にも投資することで、高い成長率を取り込むことができます。

デメリット

  1. 低いリターンの可能性: 米国市場のみを対象とするS&P500と比較すると、全世界に分散するため、リターンが相対的に低くなる可能性があります。特に、新興市場の不安定さが全体のリターンに影響することがあります。

  2. 管理費用: 多くの市場に分散投資するため、管理費用が高くなる傾向があります。資産運用会社によっては、信託報酬がS&P500に比べて高く設定されていることがあります。

  3. 為替リスク: 複数の通貨での投資となるため、為替変動による影響を受けやすいです。投資対象国の通貨価値が下落した場合、リターンが減少するリスクがあります。

S&P500

メリット

  1. 高いリターンの可能性: S&P500はアメリカの主要企業500社を対象としており、特にテクノロジーセクターの成長が期待できます。過去数十年にわたり、S&P500は他の市場と比較して高いリターンを示しています。

  2. 透明性と信頼性: S&P500は世界中で広く認知されており、投資家からの信頼も高いです。米国の経済と企業の成長に直接投資することで、安定したリターンを狙うことができます。

  3. 低コスト: 多くのS&P500インデックスファンドは信託報酬が低く設定されています。分散投資に比べて管理費用が低いため、手数料がリターンを大きく削減するリスクが少ないです。

デメリット

  1. 集中投資のリスク: 米国市場に集中しているため、米国経済全体の影響を強く受けます。米国市場が低迷した場合、投資全体のリターンが大きく影響を受ける可能性があります。

  2. 地域のリスク: 地域の経済政策や政治情勢の変化によるリスクが高まります。他国の成長市場に対する投資機会を逃す可能性があります。

  3. セクター依存: S&P500は特定のセクター(特にテクノロジー)の影響を受けやすいです。セクターごとのパフォーマンスの偏りが全体のリターンに影響を与えることがあります。

オルカンとS&P500の比較

リスクとリターン

  • オルカン:分散投資によりリスクが低減されますが、リターンも平均的になる傾向があります。新興市場の成長を取り込める一方で、不安定さもあります。

  • S&P500:高いリターンを期待できますが、米国市場に集中するため、米国経済のリスクを直接的に受けます。

コストと管理費

  • オルカン:多くの市場に投資するため管理費が高くなりがちです。

  • S&P500:信託報酬が比較的低く、コストパフォーマンスが高いです。

投資の自由度

  • オルカン:世界中の様々な市場に分散投資するため、投資の自由度が高いです。

  • S&P500:米国市場に特化しており、投資の自由度は低いですが、その分シンプルな運用が可能です。

長期的な成長性

  • オルカン:全世界の経済成長に連動し、長期的な安定成長が期待できます。

  • S&P500:特に米国の成長力を享受できますが、米国市場の動向に依存します。

実際の投資シミュレーション

オルカンの投資シミュレーション

例えば、100万円をオルカンに投資し、年間5%の利回りを得ると仮定します。10年間の複利効果を考慮すると、投資元本は以下のように成長します。

100万円×(1+0.05)10=162.89万円

S&P500の投資シミュレーション

同じ100万円をS&P500に投資し、年間7%の利回りを得ると仮定します。10年間の複利効果を考慮すると、投資元本は以下のように成長します。

100万円×(1+0.07)10=196.72万円

投資家のリスク許容度に応じた選択

オルカンが適している投資家

  • リスク回避型:分散投資によってリスクを低減したい投資家。

  • 長期投資型:長期的に安定した成長を目指す投資家。

  • グローバル視点:世界中の成長市場に投資し、広範なリターンを追求する投資家。

S&P500が適している投資家

  • リスク許容型:高いリターンを求め、リスクを許容できる投資家。

  • 短中期投資型:米国市場の成長に乗じて短中期で高いリターンを狙う投資家。

  • シンプル運用型:シンプルな運用を好み、低コストで高リターンを目指す投資家。

投資先の選定における最終判断

オルカンとS&P500のどちらを選ぶべきかは、投資家のリスク許容度や投資目的によって異なります。リスクを抑えつつ、長期的に安定した成長を目指すならオルカンが適しているでしょう。一方、リスクを取ってでも高いリターンを狙いたいなら、S&P500が良い選択肢となります。

最終的には、自分の投資目標やリスク許容度を見極め、各ファンドの特徴や過去のパフォーマンスを慎重に比較した上で、最適な投資先を選ぶことが重要です。

筆者の場合、両者のいい所取りをした金融商品を海外ファンドで組成し、運用機関に投げる方が手っ取り早く、自由度が出るのでこちらが最良かなと思います。

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