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HECPホーム・エレクトロニクスカフェ 「バウヒュッテ」コンソーシアム・プロジェクト❷

(2)無名でたったひとつの〝小さな家〟が、その時代の象徴としての「存在感」を持つことが出来るのか。

この小さな家は、「芸術」なのか、それともただの「廃屋」なのか。

「家はその人の生き方そのものです。その人が5年10年と住んだときに、その人の魂の一部になるような存在でないといけないと思う。「家」とはそういうものです」。

アート建築は住み難い。それは、コンクリート打ち放しだからとか、断熱材が入っていないから、と言うだけでなく、空間的に完全性によるストイックさに人間がついていけない、余裕がないと感じるのです。
アート建築は、建築という形態を採ったアートであり、「人が生活する」と言うきわめて基本的な観点に立って作られているとは思えないのです。「芸術」に住むというのは決してストイックに住むということではありません。

アート建築の中では自分以外の人間がそこにいると、それを異物として認識してしまうという事です。人がうろうろしてると邪魔でしょうがないのです。それと同じコンセプトで住宅も造られているので、居間などで家族でくつろぐと言う風景を拒絶する家だと言えると思います。

「小工」によって形象されたバウヒュッテは、人の不完全さを許容し、欠落を満たしてくれる、精神的な面で都市機能を補完する侘び寂びの建築物です。都市の成熟とともに、人の心が無意識かつ必然的に求めることになった、『魂の安らぎ』の空間なのです。
侘(わび)は、貧粗・不足のなかに心の充足をみいだそうとする美意識を言う。寂(さび)は、時間の経過によって劣化した様子を意味しています。

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