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HECPホーム・エレクトロニクスカフェ-「バウヒュッテ」コンソーシアム・プロジェクト❻

(6)国家なき紐帯
バウヒュッテー小建築運動

日本の危機的状況の原因の根本は「家」にあって、地球規模での〝家と地区の再構築〟の観点から、初発的に「家」の形象を全ての始まりにするべきである。

初発的なものとして日本の各地において〝家〟と〝地区〟の表象を展開していき、究極的には世界中の多くの〝無名な人々〟が〝自己学習〟により、自足的に家を構えることを理想とするのである。
バウヒュッテ運動とは、日本発のリ・コンシャスな建築によるソーシャル・ファブリック・ムーブメント(社会骨格運動)である。その舞台となるのは、世界中の被災地区・紛争地区・貧困地区だ。

HECPバウヒュッテは〝芸術〟を〝国家〟や〝都市計画〟のような「大芸術」と〝家〟や〝地区〟という「小芸術」に二分しつつも、決して対立概念ではなく、独立した〝層〟として二者を分離できない「芸術全体」という枠組において把握していることを示している。両者を「芸術全体」へと再融合すべく、日常生活の「小芸術」に足掛かりを求めるのである。「小芸術」とは具体的には〝家〟や〝地区〟という「家造り」「家具木工」「小物雑貨」などの工芸であるとされ、日常生活において一般の民衆によって使用されるものの表象を意味する。豪邸であれ、バラックであれ、あらゆる所にミニマル簡素が必要なのです。

バウヒュッテの小建築の核心は『家』にあります。芸術的表象は〝家〟を工芸的側面だけではなく、「住まい=Home」という生活の場として捉え、「家」づくりを「全ての始まり」とする。初発的なものとして日本の各地において〝家〟と〝地区〟の表象を展開していき、究極的には世界中の多くの〝無名な人々〟が〝自己学習〟により、自足的に家を構えることを理想とするのです。
HECPバウヒュッテは「アートと環境とメカの統合」を目指しています。「バウヒュッテは、一つの理念である」と言われています。それは今日においても有効である。また、建築こそ、すべての造形活動とすべての芸術および技術を包括する総合芸術であると規定しています。
HECPバウヒュッテの芸術運動はバウハウス以前のアーツアンドクラフツに立ち還ることにあります。その主体は『小工』という、無造作不作為のプリミティブでアールブリュットな小家と小工芸を目指す建築職人組合です。
『小工』は特に芸術の教育や訓練を受けておらず、名声や賞歴を目指すでもなく、既成の芸術の流派や傾向・モードに一切とらわれることのない生の表現をする職人である。制度的な倫理や主要なイデオロギーに頼らず、様々なところから集めた断片を統合して、独自の生き方の道筋や美学を作り出します。


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